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4-4 損益通算/FPのお勉強会【よるかい】でのまとめ

このまとめは、FPのお勉強用に作成したノートです。
記載内容の誤り、解釈違い、情報更新の不足も考えられます。
そのような場合は、こっそり教えていただけるとありがたいです。


1.損益通算の考え方とその順序

① 所得の総合と損益通算の仕組み

損益通算とは、一定期間内の所得の中で生じた赤字(損失)を、他の所得の黒字(利益)から差し引く計算手続きである。
これにより、課税対象となる総所得金額を適正に算出する 。

② 損益通算ができる所得とできない所得の区別

損益通算できる所得の組み合わせは、
不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の4種類。
「不・事・山・譲(ふ・じ・さん・じょう)」で覚える!

損益通算できるもの
不動産所得の損失(ただし土地取得の負債利子を除く) 。
事業所得の損失(総合課税に係るもの) 。
山林所得の損失。
譲渡所得の損失(ただし生活に通常必要でない資産等を除く)。

不動産・事業の損失は、給与所得などから引いた後、残れば一時所得(1/2前)から引く。


損益通算できないもの(赤字を0円として扱う)
雑所得の損失
公的年金や副業による赤字は他の所得と通算できない 。

一時所得の損失
支出が収入を上回っても、他の所得からは引けない。
生命保険の満期保険金や解約返戻金を受け取り、計算上損失が生じた場合(正味払込保険料等の支出が収入を上回った場合)、その損失は他の所得の金額から差し引くことはできない
ただし、生命保険の満期保険金等によって利益(一時所得)が生じている場合、他の所得(不動産所得や事業所得など)の損失を一時所得から差し引く(損益通算する)ことは可能である 。
生命保険の赤字 → 損益通算不可(他の所得を減らすことはできない) 。
生命保険の黒字 → 損益通算の対象(不動産や事業の赤字をぶつけることができる

不動産所得のうち土地の取得に要した負債の利子
損失のうち、この利子に相当する金額は通算の対象外となる 。

生活に通常必要でない資産の譲渡損失
別荘の譲渡による損失などは通算できない 。

ゴルフ会員権の譲渡損失
総合課税の譲渡所得であっても、ゴルフ会員権の売却損は他の所得と通算できない 。

③ 損益通算の順序

まず、経常所得(不動産・事業・給与・利子・配当・雑)のグループ内で、不動産・事業の損失を他の黒字(給与等)から差し引く。

次に、譲渡所得(総合)や一時所得との間で通算を行う。

それでも損失が残る場合は、山林所得、退職所得の順に差し引く。

④ 損益通算の計算実例

実例1(不動産損失の制限)
給与所得300万円
不動産所得▲50万円(うち土地負債利子30万円)
事業所得▲80万円の場合。

不動産所得のうち通算できるのは20万円(50万-30万)のみ。
事業所得80万円と合わせ、給与から100万円を差し引いた200万円が総所得金額となる 。

実例2(ゴルフ会員権の扱い)
給与所得450万円
不動産所得▲120万円(うち土地負債利子20万円)
ゴルフ会員権の譲渡損失▲50万円の場合。

不動産の通算可能額100万円のみを給与から引く。
ゴルフ会員権の損失は無視されるため、総所得金額は350万円となる 。

実例3(雑所得の扱い)
給与所得690万円
雑所得▲40万円
不動産所得▲50万円(土地利子なし)の場合。

雑所得の赤字は無視され、不動産の赤字50万円のみを給与から引くため、総所得金額は640万円となる。
なお、退職所得は分離課税のため総所得金額には含めない 。


2.損失の繰越し・繰戻し

① 雑損失の繰越し

震災、風水害、火災、盗難、横領により資産に損害を受け、その年の所得から雑損控除を引ききれなかった場合、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。

② 純損失の繰越し・繰戻し還付

純損失の繰越控除
青色申告者は、損益通算してもなお残る損失(純損失)を、翌年以後3年間にわたって各年の所得から差し引くことができる。

純損失の繰戻し還付
青色申告者は、その年に生じた損失を前年に繰り戻して、前年分の所得税額の還付を受けることも選択できる。

③ 居住用財産に係る譲渡損失の繰越控除制度

特定のマイホーム(居住用財産)を売却して生じた損失については、一定の要件を満たすことで、その年の他の所得と損益通算し、さらに引ききれない損失を翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。
また、特例を適用するためには、譲渡した年の1月1日時点において、所有期
間が5年を超えている「長期譲渡所得」に該当する資産である必要がある 。

※注意
居住用財産を譲渡した際の「3,000万円の特別控除」や「居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例」は、譲渡益(プラス)が出た場合に税金を安くするための制度である。
譲渡損失の特例(マイナスのための制度)は、これらの「利益が出る場合の特例」と重ねて使うことはできない。
損失が出ている場合には「譲渡損失の損益通算・繰越控除」を選択し、利益が出ている場合には「3,000万円特別控除」等を選択するとよい。

以下、「買換え」と「住宅ローンが残っている場合の売却」の2つの特例がある。

A.居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
マイホームを売却し、新たに別のマイホームを購入(買換え)した場合に適用される制度。

譲渡資産(売却する家)の要件
譲渡した年の1月1日時点での所有期間が5年を超えていること。
居住用であること(住まなくなった日から3年目の12月31日までに売却する必要がある)。

買換資産(新しく買う家)の要件
売却した年の前年1月1日から翌年12月31日までに取得すること。
床面積が50㎡以上であること。
取得した年の年末において、返済期間10年以上の住宅ローンがあること。

損益通算・繰越控除
売却によって生じた損失の全額を、その年の他の所得(給与所得など)と損益通算できる。
その年に引ききれなかった損失は、翌年以降3年間繰り越して控除できる。

所得制限
繰越控除を受ける各年の合計所得金額が3,000万円以下。

B.特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
買換えを伴わない場合(売却のみ)であっても、住宅ローンの残高がある場合に適用される制度。

譲渡資産(売却する家)の要件
譲渡した年の1月1日時点での所有期間が5年を超えていること。
売却した家に関する住宅ローンの残高があること。

損益通算できる金額
損失の全額ではなく、以下のいずれか少ない方の金額が限度となる。
・譲渡所得の計算上で生じた実際の損失額。
・売却直前の「住宅ローン残高 - 売却価格」の金額。

損益通算・繰越控除期間
買換え特例と同様に、その年の通算および翌年以降3年間の繰越控除が可能。

所得制限
繰越控除を受ける各年の合計所得金額が3,000万円以下。


④ その他の損失の繰越し・繰戻し

上場株式等の譲渡損失
確定申告を行うことで、申告分離課税を選択した配当所得と損益通算が可能である。
通算してもなお残る損失は、翌年以後3年間にわたり、上場株式等の譲渡所得や配当所得から控除するために繰り越すことができる。



【参考】
日本FP協会
https://www.jafp.or.jp/

国税庁
https://www.nta.go.jp/

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