4-10 法人税/FPのお勉強会【よるかい】でのまとめ
このまとめは、FPのお勉強用に作成したノートです。
記載内容の誤り、解釈違い、情報更新の不足も考えられます。
そのような場合は、こっそり教えていただけるとありがたいです。
1.法人税の仕組み
① 納税義務者
内国法人
国内に本店または主たる事務所を有する法人。
全所得について納税義務を負う。
外国法人
国内源泉所得についてのみ納税義務を負う。
② 事業年度
法人の定款等で定める会計期間(通常1年)。
③ 納税地
原則として、法人の本店または主たる事務所の所在地。
④ 所得の金額
法人の各事業年度の所得の金額は、益金の額から損金の額を算入して計算する。
当期利益の額+加算事項(益金算入、損金不算入)-減算事項(益金不算入、損金算入)
計算例
当期利益1,000万円
申告調整事項
益金算入300万円(税法上の収益に含める)
益金不算入200万円(税法上の収益に含めない)
損金算入100万円(税法上の損失に含める)
損金不算入500万円(税法上の損失に含めない)
加算800万円(300+500)、減算300万円(200+100)
を調整し、所得金額は1,500万円となる 。
⑤ 税額計算
法人税率は一律23.2%(普通法人)。
※軽減税率
資本金1億円以下の中小法人等については、年800万円以下の所得金額に対して15%(時限措置等あり)が適用される。
⑥ 申告と納付
法人設立時(国税)
法人設立届出書を 設立の日以後2か月以内に、定款の写しや登記事項証明書などの書類を添付し、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない 。
地方税の届け出
都道府県および市区町村への設立届出は、各自治体の条例により「1か月以内」や「15日以内」と定められている場合が多い。
確定申告
事業年度終了の日の翌日から2か月以内に申告書を提出し、税額を納付しなければならない。
※帳簿書類の保存義務(青色申告の要件)
保存の対象
仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳などの帳簿、および領収書、請求書などの書類。
保存期間
原則として7年間保存しなければならない 。
保存期間の起算点
その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間である 。
※注意
事業の廃止日から7年ではなく、各事業年度の申告期限を基準に判定する。
欠損金がある場合
青色申告書を提出した事業年度に欠損金(赤字)が生じ、その繰越控除を受ける場合は、保存期間が10年間に延長される 。
2.益金
法人の課税所得を計算する際の「収益」に相当する。
① 受取配当等の益金不算入
法人が受ける配当金等は、二重課税防止のため、保有比率等に応じて一定額を益金に算入しない。
② 還付金の益金不算入
法人税、住民税の還付金は益金不算入。
一方、事業税の還付金は益金算入となる。
③ 受贈益及び債務免除益
資産を無償で受け取った(受贈益)場合や、借金を免除された(債務免除益)場合は、原則として益金算入。
3.損金
法人の所得(税務上の利益)を計算する際に、収益(益金)から差し引くことができる費用や損失。
① 棚卸資産
期末評価方法の届出がない場合、原則として「最終仕入原価法による原価法」が適用される。
評価損は原則として認められないが、災害による著しい損傷や、いわゆる「型崩れ」等の特別な事由がある場合に限り、損金算入が認められる。
② 有価証券
期末評価方法の届出がない場合、原則として「移動平均法による原価法」が適用される。
売却損益は、譲渡した事業年度において、売却価額と帳簿価額の差額を益金または損金に算入する。
③ 減価償却
償却方法
建物、建物附属設備、構築物は「定額法」のみ。
それ以外は原則として「定率法」(届出により定額法も可)。
償却限度額
法令上の限度額を超えて償却した金額(償却超過額)は損金不算入となり、翌期以降に繰り延べられる。
④ 資本的支出と修繕費
資本的支出
資産の価値を高める、または耐用年数を延長させる支出。
資産として計上し、減価償却を行う。
修繕費
原状回復や通常の維持管理のための支出。
全額を支出時の損金に算入できる。
⑤ 繰延資産
繰延資産は、企業がすでに支払いを完了した、または支払い義務が確定した費用のうち、その効果が将来(1年以上)にわたって発現すると期待される特定の費用を、一時的に貸借対照表上の「資産」として計上する。
会計上の繰延資産
創立費、開業費、開発費などは、税務上は任意償却(法人が好きな時期に好きな額を償却できる)が可能。
税務上の繰延資産
建物を賃借するための権利金や、公共的施設の負担金などは、法令の定める期間で均等償却する。
⑥ 役員給与
原則として損金算入できないが、以下の3つは損金算入が可能。
定期同額給与
毎月同じ額を支給するもの。
事前確定届出給与
支給時期と金額をあらかじめ税務署に届け出たもの(役員ボーナスなど)。
業績連動給与
客観的な業績指標に連動して支給される給与(同族会社は適用不可)。
⑦ 役員退職金
損金算入
適正な金額であれば損金に算入できる。
過大役員退職金
功績や在職期間に照らして不当に高額な部分は損金不算入となる。
⑧ 地代・家賃
原則として、当期の期間に対応する金額を損金算入する。
⑨ 保険料
全額損金
受取人が役員・従業員の遺族である定期保険など。
全額資産
受取人が法人である養老保険や終身保険など。
2分の1損金
養老保険で、受取人が「死亡保険金は遺族、満期保険金は法人」とするもの(ハーフタックスプラン)。
⑩ 寄附金
国・地方公共団体への寄附
全額損金算入。
一般の寄附金
法人の資本金や所得の額に応じた一定の限度額まで損金算入できる。
⑪ 交際費
中小法人(資本金1億円以下)
「年800万円までの定額控除限度額」か「接待飲食費の50パーセント」のいずれかを損金算入として選択可能。
大法人
「接待飲食費の50パーセント」のみ損金算入が可能。
資本金100億円超の超大法人は全額損金不算入。
除外
1人あたり1万円以下の飲食費(社外の人とのもの)は、一定の書類保存を条件に交際費から除外できる。
⑫ 会議費
会議に関連して供される茶菓子、弁当代などは、通常必要と認められる範囲内で全額損金算入できる。
⑬ 福利厚生費
全従業員を対象とした忘年会、社員旅行、慶弔見舞金などで、社会通念上妥当な金額は全額損金算入できる。
⑭ 広告宣伝費
不特定多数の人に周知するためのカレンダー作成費、看板設置費などは全額損金算入できる。
⑮ 販売促進費
得意先等への景品代や、販売数量に応じたリベートなどは、原則として全額損金算入できる。
⑯ 租税公課
損金算入可
事業税、固定資産税、印紙税、自動車税、都市計画税。
損金不算入
法人税、住民税、罰金、科料、延滞金 。
⑰ 評価損
原則として損金算入できないが、資産の時価が著しく下落し、回復の見込みがない等の特別な事由がある場合に認められる。
⑱ 貸倒損失
金銭債権が法的に消滅した場合や、全額回収不能であることが明らかな場合に損金算入できる。
⑲ 貸倒引当金
中小法人(資本金1億円以下)などに限り、将来の貸倒れに備えて計算した一定額の繰入れが認められる。
⑳ リース取引
所有権移転外ファイナンス・リース
賃貸借処理をしている場合でも、税務上は「売買」があったものとみなされ、減価償却費として損金処理する。
㉑ 外貨建債権債務の換算
期末において、原則として「期末時換算法」により換算し、発生した換算損益を計上する。
㉒ 圧縮記帳
国庫補助金や保険金を受け取って資産を取得した場合、受け取った利益に対する課税を将来に繰り延べるための制度(免除ではなく繰り延べ)。
㉓ 使途秘匿金課税
支払先の氏名や住所を秘匿している支出。損金不算入となるだけでなく、その支出額に対して40パーセントの追加課税が行われる。
㉔ 繰越欠損金
青色申告法人が事業年度に赤字(欠損金)を出した場合、翌期以降10年間にわたり所得から控除できる 。
㉕ その他の損金
事務用品費、通信費、水道光熱費など、事業を運営するために直接必要な費用は原則として損金算入される。
4.同族会社の特別規定
同族会社とは、3人以下の株主(およびその同族関係者)が、その会社の発行済株式の総数または出資総額の50%超を保有している会社。
留保金課税
特定の同族会社が利益を社内に溜め込んだ場合、通常の法人税に加えて特別税率を課す制度。
使用人兼務役員
社長、専務、常務などの特定の役職者は、使用人としての職務を兼ねていても「使用人兼務役員」にはなれない。
行為計算の否認
同族会社の行為や計算が、法人税の負担を不当に減少させると認められる場合、税務署長はその実態に合わせて更正や決定を行うことができる規定である 。
5.地方法人税
地方財源の偏在性を是正し、地方自治体間の財政力格差の縮小を図る。
国税で集められ、最終的に地方交付税の財源として各地方自治体に配分。
法人税を納める義務がある法人が地方法人税の納税義務者となる。
法人の所得に対して課される法人税額が課税標準となる。
赤字の法人など法人税額が発生しない場合は、地方法人税も発生しない。
地方法人税額は、
基準法人税額 × 税率
基準法人税額
各事業年度の所得金額に対する法人税の額。
税率
現在の税率は10.3%。
例:法人税額が100万円
地方法人税額は、
100万円 × 10.3% = 10万3,000円
申告・納付は、
地方法人税は法人税と同時に申告・納付。
【参考】
日本FP協会
https://www.jafp.or.jp/
