ラジオNIKKEI マーケットプレス前場 レーザーテック急落、任天堂・光ファイバー関連上昇
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2026年8月7日
概要
8月7日前場の東京株式市場は、日経平均株価が寄り付きこそ小幅反発したものの、その後は下落に転じる不安定な展開となりました。半導体関連株を中心に売りが優勢となる一方、決算を手がかりとした個別物色が活発で、プライム市場全体では値上がり銘柄数が値下がりを上回る状態が続きました。TOPIXは終始堅調で、小幅プラスを維持しています。
寄り付き概況と指数の推移
日経平均株価の寄り付きは前日比62円80銭高の6万5,746円13銭と小幅に反発。TOPIXも同7.9ポイント高の4,063.74ポイントで始まり、両指数ともプラス圏でのスタートとなりました。日経平均は反発、TOPIXは4日ぶりの反発です。寄り付き前の日経平均先物は8時45分に6万5,840円で寄り、夜間取引では日本時間の昨晩11時半ごろに高値6万6,370円まで上昇した後、今朝の終了段階では6万5,530円となっていました。現物の寄り付き後はこの水準を上回り、6万5,900円を超える場面もありました。グロース市場250指数も小幅ながら反発して始まっています。
現物の取引開始後、日経平均は6万5,900円を超え、上昇率は0.3%となり、TOPIXの上昇率は0.4%に達しました。グロース市場250指数も上昇率0.04%と小幅ながら反発して始まっています。業種別に見ると、33業種のうち値上がりが24業種、値下がりが9業種と、買いが優勢のスタートでした。値上がりトップは石油で、以下、繊維、鉱業、卸売、金属製品、海運などが上位に並びました。一方、値下がりトップは空運で、その他金融、精密、サービス、水産などが値下がり上位となっています。寄り付き段階では、レーザーテックが売り気配、任天堂が買い気配からのスタートとなりました。半導体関連では、キオクシアホールディングスが2.5%高、東京エレクトロンが1.2%高と上昇した一方、フジクラは0.7%高、ソフトバンクグループは決算を受けて3.4%安で始まりました。また、自動車や銀行、商社、鉄鋼に加え、ソニー、パナソニック、シャープ、日立、富士通、キャノンといった電池・電機セクターもプラスで始まり、海運や不動産、小売などにも買いが先行しました。
番組キャスターは朝方の先物が日経平均20円安、TOPIXが4.5ポイント高と極めて小幅な変動にとどまったことを指摘し、多くの投資家が前日終値と大きく変わらない水準での寄り付きを想定していたと分析しました。この先物の値動きから、半導体関連を中心とした高バリュエーション銘柄よりも、総合商社や自動車、銀行といった低バリュエーション銘柄の方が相対的に堅調に推移するのではないかという見方が朝の段階で持たれていたと解説しています。
しかし、寄り付き直後から半導体関連の一角に売りが広がると、日経平均は9時過ぎにマイナスへ転換。その後も下げ幅を拡大し、10時台半ばには一時1000円安となる場面もありました。この間、10時17分には下落率が0.1%に達し、680円安の6万4,999円と6万5000円を割り込みました。10時32分には下落率0.8%、563円安の6万5,119円、10時50分には下落率1.2%と6万5000円を割り込み、830円安まで下げ幅を広げています。引けにかけてはやや下げ渋り、前場終値は前日比644円10銭安の6万5,039円16銭でした。日経平均は10時半ごろに6万5000円を割り込み、安値6万4,651円をつけましたが、そこからは持ち直して前場を終えています。TOPIXは上昇率0.1%、プラス4ポイントの4060ポイントで、小幅プラスに戻しての引けとなりました。TOPIXは10時17分時点では0.2%プラスの4065ポイントを保っていました。グロース市場250指数は下落率0.28%、マイナス2ポイントの718ポイントでした。10時の段階では日経平均株価が下落率0.72%、478円安の6万5,205円をつけており、10分前には安値6万5,074円を記録しています。TOPIXは持ち直して0.38%高と朝方の水準まで回復する一方、プライム市場の値上がり銘柄数は1010、値下がりは494と、指数の下落にもかかわらず値上がりが全体の65%を占める状態でした。
米雇用統計を前にした警戒感
番組内では、6月の非農業部門雇用者数増加が5万7000人と鈍化した後、7月の数字がどうなるかに注目が集まっていると解説されました。特に、サッカーワールドカップの終了に伴い、レジャー・ホスピタリティ分野での一時雇用が剥落し、予想外に弱い数字が出る可能性も指摘されています。
今日はこの他に、午後2時に6月景気動向指数の速報値や日銀の消費活動指数が発表されるほか、GPIFの4-6月期運用状況報告が行われる予定です。種ヶ島宇宙センターからはH3ロケット9号機の打ち上げも予定されていましたが、後に天候悪化のため延期が発表されました。決算発表は取引時間中の川中、T&D、正午に大林組、商船三井、午後1時にエネオス、2時にフジクラやSMC、2時半に第一生命やブリヂストン、そして引け後にはリクルートやKDDIなど、この日だけで732社の発表が予定されています。
決算発表銘柄、明暗分かれる
この日は700社超が決算を発表するピーク日であり、個別銘柄の明暗がはっきりと分かれました。
任天堂は、4-6月期決算でハードウェア販売が減少したものの、利益率の高いソフトウェア販売が好調で営業利益が2.5倍に拡大しました。株価は9時台の水準で推移しました。
その他、ブラザー工業はプリンター事業の好調や米追加関税の還付効果で、4-6月期事業利益が約3倍となりました。株価は高値4709円まであり、窓を開けての上昇で4連騰となり、昨日の最高値を更新しました。この業績拡大には、アメリカ追加関税の大部分が還付され利益を180億円押し上げた面がありますが、それを除いてもプリンター関連事業は極めて好調でした。部材調達の制約リスクが顕在化しなかったことも好材料で、メモリー価格上昇などによる40億円のマイナス要因をリスク対応などが上回り、業績見通しは上方修正されています。SMBC日光証券が1ヶ月ほど前に新規レーティング対象にしたことも注目され、アナリストの担当意欲と株価上昇の関係についても言及がありました。
ロート製薬は、業績見通しの上方修正と、オーストラリアのコンシューマーヘルス企業買収を発表しました。株価は433円高の2796円、高値は2805円をつけ、1月23日につけた年初来高値を更新しています。4-6月期決算は16%増益で、利益計画は438億円から450億円に増額修正されています。番組キャスターは、3ヶ月で16%増益、通期での増額修正幅が2.7%という決算の数字だけではここまで株価が上昇するとは考えにくく、株価上昇の主因はオーストラリアのコンシューマーヘルス企業買収であるとの見解を示しました。買収するのはオーストラリアの子会社を通じて取得するブランド「ペインアウェイ」です。ロート製薬は時価総額が5500億円程度と、薬品セクターの中では相対的に小さく、証券会社のアナリストが担当を割けない状況や、海外投資家の買い付け余地などが注目されるなか、買収のニュースが加わったことで大幅高につながったと分析しています。先週も、現金を豊富に持つ小森コーポレーションが半導体製造装置向けチラーを手掛ける丸山チラーを子会社化することなどが発表され、日本企業のM&Aが市場で前向きに捉えられている状況が紹介されました。
10時に決算を発表したインフロニアは、通期の売上と利益の上方修正に加え、年間配当計画を従来の100円から132円に引き上げたことを材料に、株価は一時2780円まで買われ、上昇率6.3%の2716円となりました。一方、同じく10時に第一四半期決算を発表した有明は、下落率1.3%の5190円と売られ、一時5130円まで下げる場面がありました。
為替や債券の動きでは、ドル円が158円台半ば、日本の10年債利回りは2.78%に上昇しました。
光ファイバー増産をテーマに素材関連が活況
番組キャスターは「キャスターの視点」のコーナーで、米ISM景況調査のコメントなどを手がかりにした銘柄発掘法を解説しました。その中でも、特に強い値動きを見せたのが光ファイバー関連の素材銘柄です。キャスターは、光ファイバーの大増産が今年度以降の非常に大きなテーマであり、このタイミングで関連銘柄をおさらいするのは良い時期だと指摘しました。
光ファイバー用のルツボ(容器)を手掛ける古屋金属は、前日に発表した26年6月期本決算で営業利益が前年比2.6倍の247億円となり、会社計画の225億円を10%以上上回りました。27年6月期の営業利益見通しも265億円と約7%の増益を見込みます。一株利益の予想値は約720円となる見通しで、株価が7880円程度であればPERは低い水準にとどまります。このため、大幅増益の実績と継続的な増益見通し、そして低いバリュエーションが評価され、株価は寄り付き早々にストップ高の7920円まで上昇し、前場では13%高の7820円で推移する顕著な展開となりました。同社は半導体やエレクトロニクス製品向けに薄膜を形成するためのルツボを供給しており、特に光通信に不可欠な光アイソレーターの中心素材を溶かすための容器が好調です。
また、光アイソレーターそのもののメーカーとして世界的に高い地位を占めるとされる湖北工業も、前日の引け後に決算を発表しました。株価は朝方9時9分まで買い気配となった後、寄り付き直後に5270円まで急伸しました。時価総額は前日時点で約1200億円程度でしたが、足元で大きく上昇しています。キャスターは、時価総額1000億円規模の湖北工業は、証券会社のアナリストがカバーを開始する候補となるかもしれないとの見方も示しました。
このほかキャスターは、米小売業から「店舗用ネットワーク機器の納期が4〜6ヶ月もかかっている」というコメントが寄せられたことを引き合いに、ネットワーク機器分野の需給逼迫がビジネスチャンスとなっていると指摘。同分野の関連銘柄としてバッファローや、その販売先であるダイワボーホールディングスなどの名前を挙げ、今後の業績動向に注目していく考えを示しました。
コメンテーターの見解
市場関係者の目のコーナーでは、グローバルマーケットアナリストの三浦豊氏が、足元の日本株について、AI半導体関連の上値の重さが続く一方で、テック以外のセクターが相対的に強い展開が継続しているとの見方を示しました。米ハイテク株の2番底探りの可能性を警戒しつつ、日経平均よりもTOPIXが強い動きになるとの見通しを述べています。
(詳しくは本編 33:24〜45:08 をお聴きください)
投資と資産運用の違い:野尻里氏の見解
フィンエル研究所代表の野尻里氏は、「増やした後の減らし方」をテーマに、投資と資産運用の違いについて解説しました。「投資」は「安く買って高く売る」という一対の行動であるのに対し、「資産運用」は長期にわたる継続的なプロセスであり、「始める」と「終わる」という言葉が適切であると指摘。売りのタイミングに悩む投資家に対しては、感情を排して機械的にルールを決めることの重要性を説きました。
(詳しくは本編 2:03:44〜2:16:12 をお聴きください)
為替と海外市場
外国為替市場では、今週初めに日米協調介入があったと伝えられており、ドル円は朝方の158円台半ばから、前場中盤にかけて158円台前半へとやや円高方向に振れました。週を通じて見ると、ドル円は日米協調介入後に163円台から155円台前半まで円高が進んだ後、足元では158円台半ばでの推移となっています。岡安盛男氏は、今回の介入が米国を巻き込んだ大規模なものであり、短期的には再び大きく円安が進む展開は想定しにくいとの見方を示しました。
(詳しくは本編 1:03:37〜1:15:09 をお聴きください)
アジア市場では、台湾加権指数も反発後に伸び悩み、香港ハンセン指数は続落しました。台湾加権指数は反発で始まったものの伸び悩み、上海総合指数は4営業日ぶりの反落で3900ポイントを小幅に下回っています。香港ハンセン指数も続落となりました。
前場のセクター・個別動向
業種別では、石油、その他製品、ゴム製品、海運、卸売などが上昇した一方で、その他金融、証券、機械、非鉄、情報通信などが下落し、半導体関連の弱さが目立ちました。
個別では、ソフトバンクグループが決算発表を受けて6%超の下落となり、日経平均の下げを主導しました。値下がり上位には、レーザーテックのほか、M3などが売り気配からのスタートとなりました。一方、上昇した銘柄としては、西松建設が第一四半期決算で営業利益2.3倍を発表し、一時5541円まで上昇した後、伸び悩みながらも上昇率1.6%で推移しました。
前場中盤の10時時点では、プライム市場の出来高は概算で7億4,005万株、売買代金は2兆9,064億円とやや少なめの商いでした。値上がり銘柄数は1010と全体の65%を占め、値下がり銘柄494(32%)、変わらず46という状況でした。1時間前と比較すると、値上がりが値下がりを40銘柄程度上回る状態から、値上がりが1000銘柄を超え、全体の3分の2が上昇していることになります。この時間帯には韓国コスピが一旦値消しした後に0.78%高まで持ち直すなど、アジア市場も方向感を欠きました。商品指標では、直近の国内金先物が1グラム22,110円と10円安で小幅に下落。一方、東京原油先物は1キロリットル76,600円と1,410円高(2%上昇)の上昇となりました。原油価格は海外市場での上昇を受けており、ホルムズ海峡の航行正常化をめぐるアメリカとイランの意見の隔たりが大きく、先行きに対する不透明感が強いとの見方が背景にあります。プライム市場の業種別では、33業種中、値上がりが23業種、値下がりが10業種で、値上がり上位は石油、その他製品、卸売、ゴム、値下がり上位は私鉄、機械、電気、化学となりました。為替はドル円が158円52銭から53銭での揉み合い、ユーロ円は182円60銭近辺でした。
前場の新高値更新銘柄は69銘柄に達し、このうちトーレ、カネカ、ブラザー工業、沖縄フィナンシャル、立花エレテックなど14銘柄が最高値を更新しています。ストップ高はフィーチャー、古屋金属、インスペック、JMAXの4銘柄、一方ストップ安はテクセンドフォトマスクとテクノフレックスの2銘柄でした。
11時には雪印メグミルク、札幌ビール、クラレ、電化、東洋タイヤなどが決算を発表しました。札幌ビールは上昇率6%高、クラレは7%高と反応は良好でした。一方、東洋タイヤはマイナスに転じ、電化も小幅なマイナスとなりました。決算を発表した札幌ビールとクラレは揃って上げ幅を拡大する展開となり、好決算が素直に評価される形です。建設株は配当利回りの高さから注目されるなか、大林組が正午に決算を控え、経営者のコメントや先行きの考え方がポイントになります。
東レは前日と本日にわたって上昇を続け、朝方に一時1360円50銭をつけて最高値を更新しました。半導体関連の化学材料を豊富に手がける同社は、MLCC向けフィルムなどの素材が好調で、航空宇宙関連の炭素繊維も需要が堅調に推移しています。日本製鉄は10時半過ぎに708円まで上昇し、2月の高値を更新しました。米国での鉄鋼価格の高止まりや米国事業の上方修正が評価された形です。また、この日はトランプ政権が太陽光パネルや半導体に使われるポリシリコンなどに15%の追加関税を12月4日に発動すると正式発表したことも伝えられました。
なお、11時30分の決算発表では、川崎重工業が27年3月期の事業利益見通しを100億円上方修正する一方、受注高の見通しを1200億円下方修正しました。前場の同社株は小幅高で取引を終えています。
アルファベット社債発行とAI投資の採算論
グーグルの持ち株会社であるアルファベットが、社債発行で今年3度目となる大型調達を発表しました。総額250億ドル(約4兆円)で、期間は2年から40年の10種類。ピーク時には投資家から募集額の4.6倍にあたる約1150億ドルの注文が集まったと伝えられています。巨額のAI投資を続けるための資金確保を急いでいる動きです。
番組キャスターは、このような兆円単位の投資が果たして収益化するのかという市場の大きなテーマに対し、世界の人口約80億人のうち10億人が月額数千円を支払うサブスクリプション型のAIサービスが普及すれば、企業の利用も含めて年間数十兆円規模の収益が見込まれると試算。大手IT企業が世界の頭脳を集めて踏み切っている投資であり、単純に「ペイするかしないか」の二択ではなく、長期的な視点で収益化の蓋然性を考える必要性を指摘しました。日本でも秋田県にAIデータ拠点を建設する計画が伝えられており、建設費だけで2兆円に上る見通しです。
リスナー質問コーナー
リスナーからは、好決算を発表しても株価が反応しないことへの戸惑いや、決算発表前の空売りについての質問が寄せられました。キャスターは、従来と比べて長期投資家の増加により、決算発表後の急落銘柄に対しては、3年から5年の運用成績を考えた場合に押し目買いが有効になりやすい環境に変化してきていると回答しました。
また、キオクシアホールディングスの株式分割に関する質問に対し、1株が3株になるため手持ちの株数は端数にならず、前日の終値との差は1円単位に調整されるとの説明がありました。任天堂の決算に関する投稿では、期中平均為替レートが1年前と比べてドル円で14円90銭の円安となっていることへの驚きの声が紹介され、今週発表されたトヨタの決算でも為替メリットが約3500億円に上ることが併せて紹介されました。
▶ 同じシリーズの前回: ラジオNIKKEI マーケットプレス前場 半導体反落も値上がり優勢、将来の主力株探しに注目 https://note.com/yondo/n/nf6a72f8026c9
▶ このテーマの記事をまとめ読み: マガジン「日本の相場を朝と昼に」 https://note.com/yondo/m/m8323b62ea15e
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