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大きい秋と目隠しおじさん

娘、玄関のドアを開けるなりこれである。

「♪目隠しめーかくしおじさんおーじさん手のてーのなるなーる方へほーうへ

“ただいま”はこの歌をもって、代えさせていただきます。
なのか?

とんだSMプレイだな!

娘は、“ただいま”よりも先にその日のトップニュース、しかも極めて個人手なものの最重要部分から入る。

よって、私はこれを正しくニュース原稿として書き起こさなければならない。

YHKヨモギ放送協会夕方のニュース】
本日午前十一時頃、東京都某小学校音楽室にて
「ちいさい秋みつけた」の歌唱指導が実施された模様です。
教員一名がピアノを伴奏し、その音に合わせ児童およそ二十名が元気な歌声を披露しました。

〈映像〉
(小学校の入り口から校舎を映す)
(音楽室の札)
(ピアノを弾く教員と歌う児童)

〈インタビュー〉
娘「おじさんが目隠しされてるっていう歌詞がちょっと面白かったです。」

〈スタジオ〉※架空のアナウンサーです。
高橋アナ「いやー、いよいよ秋本番ですね。」
中林アナ「そうですね、高橋さんはどんな秋を見つけましたか?」
高橋アナ「見つけた、というより食べました。秋刀魚を。」
中林アナ「お、いいですね! 私は落ち葉が強風で目に貼り付いている男性を見かけブッフ! ましたね。」
高橋アナ「えー! 本当に“目隠しおじさん”ですね。プッ……落ち葉っていうところがまた、いいじゃないですか。 秋らしくて。」
中林アナ「(突然の真顔)それでは続きまして気象情報、田辺さん、お願いします!」

〈昭和記念公園から中継〉
田辺「はい、田辺です。現在の気温……」

〈切り忘れスタジオマイク〉
中林アナ「ブフッフフフッ!!!」
高橋アナ「グホッ!!!」

〈中継映像〉
両目に落ち葉貼り付けている気象予報士の田辺さん(おじさん)

〈放送局コールセンター〉
「不適切な映像により不愉快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません……」

〈X(旧Twitter)の反応〉
「目隠しおじさんwww」
「(AIで生成した、アメリカ大統領を目隠しおじさん化した画像)」

〈流行語大賞候補〉
「目隠しおじさん」「気象予報士田辺」ダブルノミネート

「食欲」も「妄想」も暴走し続けているな!

ちなみに、私も小学生の頃
“目隠しおじさん”だと思っていた。
娘のことをとやかく言う資格がない。

だから昨日、風呂で娘と歌った。

そんなことよりもだ。
“ちいさい”秋はだれかさんが見つけ尽くしてもう何見つけても、
だれかさん「はあ? それもう俺が見つけてましたァァァァア! 二番煎じ乙!!」
みたいなことになって、はらわたが煮えくり返って体内がモツ煮込みになっちまうので
俺は“おおきな”秋を見つけることにした。
それも、ギガ秋とかテラ秋とかスケールのでっかい秋をな!

いや、むしろもう見つけているから書いている。

「柿のセルフ摘果システムによる落下音」

どう考えてもこれなのだ。

十月ともなれば毎日、ドッカンドッカン言っているぞ。
我が家の裏は船山か?
と思うほど。

岩船山
栃木県栃木市(旧・岩舟町)にある、標高172.7mの山。
街中ではできない爆発シーンを含む特撮作品などのロケーション撮影に使われている。
※爆破を行う時は、近隣に回覧板で知らせる配慮をしている。
料金は1日5万4000円(2018年時点)。

Wikipedia

仮面ライダーの新作撮ってる?と裏を見ても、そこには静かにアパートが建っているだけだ。
当たり前だ、もはや栃木ですらない。

もはや本題が爆発シーンに巻き込まれた可能性すら出てきたが、続ける。

まず、
柿のセルフ摘果システムによる落下音」ってなんぞ?
訳がわからんぞなもし。
頭の中が致死量の「クエスチョンマーク」で満たされているであろう?

柿のセルフ摘果システム
実った柿が、人の手を借りることなく自ら落下し将来有望な実を残すこと。
セルフ淘汰とも。

柿のセルフ摘果システムによる落下音
上記システムにより落下した柿がトタンや鉄筋に当たることにより生じる音。

デジタル大蓬泉

でだ。
十月と言えば、もう柿の出荷は始まっている。
つまりどういうことかって、

機は熟したのだ。
実も熟したのだ。

否、実は熟したのと熟していないのがあるが、とにかく柿の実のサイズ間はほぼマックス値。

その巨体が落ちてくるのだから当然の如く、爆音。

俺は柿の巨木四本と共に幼少期を過ごしたからな。
あいつらのことは、よく知っている。

実は柿というのは極小秋〜特大秋まで一手に担っている。

奴らは五月の終わりから六月初めにかけて花を咲かせる。
栗の花とほぼ同時に咲くから
柿の花が臭えと思っている方もいるかもしれないが、臭えのは栗。

“桃栗三年柿八年”とはよく言ったもので、下積みが長い。
要は、新進気鋭のクリエイター桃と栗がドッカンドッカンバズり散らしているのを指咥えて見てんのが柿。

しかも、そのイキった栗のスキャンダラスなネタを濡れ衣として着せられがちなのが、柿。

俺は柿!
あんたの味方だ!

いけない、また脱線した。

花が終わって
七月頃、小さい実がなる。

そう、ここですでにセルフ摘果システム起動。
極めて小さな音で、秋を忍び込ませる。
忍者の如く抜き足差し足忍び足といった具合に忍者の如く、秋は我々の生活圏内にやってくる。
“ちいさい秋”の手前、ナノ秋くらいか?

そこから突然実は大きくなる。
それに伴い落下音も大きくなる。

八月あたりから、身体がビクつくほどのデシベルになる。
だいたいこれが、メガ秋くらい。

で、この辺りから俺の祈りが始まる。

初詣にはいかねえ、墓参りでは墓そっちのけでパンや博物館にうつつを抜かし、出身保育園はキリスト教、先述の墓は曹洞宗という、
信心極めて浅く……というか無宗教が故に都合のいい宗教のつまみ食いを繰り返す、そんな俺の祈りなど誰が聞くと言うんだ!

「お願い。柿、これ以上落ちないで……みんなで赤くなって……お手手繋いで私の胃の中へ……」

バコオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

ほれみろ。
言わんこっちゃない。
まあ、初詣行った年も柿は落ちる。

凄まじい数のメガ柿が落下。

そして十月、テラ柿が赤くなり始める。
しかしストイック過ぎる柿パイセンはまだまだセルフ摘果システム起動中だ。

ドッコオオオオオオオオオオオン!!!!!

はい、“おおきい秋”です。
テラ秋です。

よし、だれかさんが見つけた“ちいさい秋”に引けを取らぬ“おおきい秋”を見つけたぞ!


……しかしだ。
ナノ秋、ギガ秋、テラ秋を見つけたが、本当にそれだけでいいのか?
ナノより小さいのとか、テラより大きいのがあるんじゃあなかろうか?

俺は疑心暗鬼だ。

やはり、疑問は全てぶっ潰しておかないとな。

……図星!!
一番でっかいのはQクエタ(quetta)(10³⁰)だ。
そんでもって、一番小さいのはqクエクト(quecto)(10⁻³⁰)

そうだ。
昨日、借りパクしようとしたが復讐されるのが怖いから母に本を返しに行った時、
あわよくば柿泥棒してこようと思ったのに全く熟していなかった訳だが
未だかつてないほどに大きい柿が大量になっているのを見つけた。
あれがクエタ柿か!

つまり、実家の庭にはクエタ秋が来ているのだな?
あれが落下すれば、正真正銘

「柿のセルフ摘果システムによる落下音」
=大きい秋

を証明できるな。

……でも食べたいから落ちるな。
踏ん張れ柿!
しがみつけ、柿!
しぶとく!
いや、渋さはいらん!

そんなことを言って、また体重計の数字と鏡に映る自分とを見て見ぬふり……
否、セルフ目隠しして見なかったことにするのだ。

現状、キロで測れている体重も目隠しの結果、
クエタ俺の誕生を予期させる。

「柿熟れて 膝が泣くなり クエタ俺」
である。

うん、元祖柿ラヴァー正岡子規のパクリ。
いやオマージュ。

魅惑の秋、我慢クエスト、食欲クエタ!
もう、楽しむしかない。


初代聴き間違い記事。


最近の食べ過ぎの記事。



【参考資料】
◽︎NHK「みんなのうた」ちいさい秋見つけた

https://www.nhk.or.jp/minna/songs/MIN197210_03/

◽︎国立研究開発法人技術総合研究所 計量標準総合センター
「第27回国際度量衡総会にてSI接頭語の追加が決定」

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