不審者と担任に夏休みはない
毎日のように届く不審者情報。
その度に、
不審者に対して「暇か?」と思っていました。
だがしかし、気づいてしまったのです。
不審者は不審者で、不審になることに忙しいのだということに。
そんなことを考えていた昼下がり。
相変わらず不審者情報が届きます。
不審者情報の通知音と共に娘が帰宅。
「次の避難訓練、“不審者”だってー!」
避難訓練って次回予告付きなんですか?
ネクストコナン!残暑の避難訓練!
ウゥウ――!ウゥウ――!ウゥウ――!
ネクストコナンズヒーント!
娘「担任教師」
コナン君「次回、おたのしみにね!」
先取りの不審者情報ありがとうございます。
いや、避難訓練の次回予告ってそれ
インサイダー取引みたいな感じにならないですか?
大丈夫ですか?
しかも、ヒントどころか犯人バラされている状況。
一体何を楽しみに次回のコナン避難訓練を観ればいいんだい?
【インサイダー取引】
企業の内部情報に接する立場にある会社役員・従業員・大株主・取引先等が、立場を利用して会社の経営・財務等の重要な内部情報を知り、その情報が公表される前にこの会社の株式等の取引を行うこと。
個人は5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金または両方が科せられ、
法人は5億円以下の罰金が科せられる。
不審者情報の余韻を残す私のスマホが鳴り響く。
今度は学校からだ。
しかも電話だ。
電話は苦手だ。
そして学校、事件の香りしかしない。
ためらいにためらいを重ね、10コール目。
震える指で緑色の電話マークをタップした。
私「はい…」
先生「娘さんがですねェ、水筒をですねェ、お忘れなんですねェ!」
私「え!かたじけないです!今から取りに行きます!」
先生「ははは!お待ちしておりますゥー!はーい、しつ…あ、僕今から市役所行くので事務に置いておきますねェ!」
焦り過ぎて武士になる私。
電話を切り、娘に向かって武士改め阿蘇山は噴火。
「何で小学校卒業済みの私が現役小学生のあんた以上に通学路歩いて学校通わないといけないんだよ」
今日私は4回も通学路を歩いた。
娘は行き帰りの2回。
私は行き帰り行き帰りの4回。
実はこの日の午前中、私は娘が育てたトマトが生えたプランターを回収しに学校へ行っていたのです。
熟れすぎたトマトを道に散乱させながら歩く私はさながら中トトロ。
これがどんぐりならメイちゃんに追っかけまわされているところです。
とは言えいくらなんでも阿蘇山はやり過ぎた。
せめて校庭のスプリンクラー程度にしておけばよかった。
阿蘇山が休火山になるくらい反省しました。
あと一瞬でも
我が家 between 学校 and 市役所だから自転車カゴに置き配して欲しいなどと先生のことをAmazon扱いしたことも反省しました。
だって遡ること2時間前の私、
ご都合主義のイマジナリー給食を生み出して
娘の昼ごはんを作っていなかったんです。
すっとぼけて
「あれれー?給食って今日までじゃなかったっけー?」
なんて宣いましたから。
はい。
裁かれるべきは私です。
自分のことを棚に上げすぎて、もはや上げる余白を失っている棚にイマジナリー給食の罪を突っ込もうとしても無駄でした。
正直に娘に謝罪したら
「わかればいいんだよ。」
とよくわからない許し方をされて、
危うく半径20km
圏内を更地にするところでした。
梅雨が明けたり、武士が阿蘇山になったり、
アラウンドサーティが現役小学生よりも小学生を極めながら夏と夏休みが始まりました。
しかしそんなものはただの序章にすぎないのです。
夏休みが始まった。
それはつまり、
担任の先生の長過ぎる役作り期間の始まりでもあります。
避難訓練本番は9月1日。
不審者の役作りに1ヶ月以上費やすということになりますね。
特にこの児童不在の1ヶ月間は最後の追込み。
「先生!紙飛行機ー!」
「先生!鉛筆ー!」
といった具合に
紙飛行機役や鉛筆役に気を取られることなく、
不審者としての自分と向き合えるというわけ。
↑
うんち役にもならないで済みます。
とはいえもうこの時点で
私の腹筋と表情筋が夏を越せない可能性が出てきたのだからどうしようもないです。
現実的に考えれば、1ヶ月間フルで役作りに取り組むなんてことは有り得ないじゃないですか。
でも、そう思わせるだけの破壊力があるのです。
いかんせん初手の保護者会でダイナマイトぶっ放すような先生ですからね。
【担任:M山先生】
性別:男性
生年月日:199X年11月X日
出身地:北海道
身長:180cm
体重:りんご3個分
好きな食べ物:米・焼かれていないチーズケーキ
特技:目地に生えた苔の除去
最近の夢:ゲームやり過ぎて親に怒られること
ご覧の通り、30cm定規6本分のキティちゃんなんですね。
とはいえ最初からキティちゃんだったわけではなくて、1年前の体重はりんご5個分だったそうです。
「そうだ、京都行こう」
くらいの安易なノリでキティちゃんになろうとしたM山先生。
【憧れのキティちゃん】
本名:キティ・ホワイト
生年月日:1974年11月1日(50歳)
出身地:イギリス郊外
身長:りんご5個分
体重:りんご3個分
好きな食べ物:アップルパイ
特技:クッキー作り
まず、毎食250g食べていた白米を150gに変更。
焼かれていないチーズケーキは
焼き払われた架空の食べ物だと脳に言い聞かせて生活。
こうして1年後、
りんご2個をウィリアム・テルに射抜かせ、葬り去ることに成功。
数字にして15kg。
つまり、りんご1つ7.5kg。
で、現在の体重=りんご3個分なので
先生・キティちゃんの体重=22.5kg。
なお、こちらの数式は初手の保護者会の時
私が資料の裏に書いて右隣の席にいたお母さんに無言で差し出したもの。
教室前方ではダイナマイト爆発、右隣では水素爆発。
例の数式で左隣も爆発させようかと思いきや、自分の子どもの道具箱の中に悪夢を見たらしく、すでにリチウムイオンバッテリーの如く爆発していたので私が手を下すまでもありませんでした。
それはさておき、大好物を架空の存在にしてまでキティちゃんを極めたM山先生。
そんな彼が9月1日、“生半可な不審者”として現れる未来なんて誰が想像できますか?
個人的にはりんご10個分の姿の不審者に期待しています。
せっかくりんご3個分にまで減らした体重を“パワー型不審者”を演じきるためだけにあえて増量。
その増量も、りんごだけで増量しようとして
「りんご7個食べてもりんご7個分の体重は増えない」
と気づくくだりが欲しい。
「りんごだけでりんご10個分の体重になることは難しい」
からの足りない分をキティちゃんで補おうとしてAmazonで注文しようとするも納期9/2と表示されて諦める。
↓
禁断の焼かれていないチーズケーキに手を出す
↓
増量成功
自身の健康と、膝を犠牲にしてくるプロ魂。
ついでに衣装はりんご5個分時代にはすでにパツパツだったスーツに無理矢理りんご10個分を詰め込む信玄餅詰め放題風でお願いしたいです。
そして当日、まだ見ぬ応戦してくる教員役の教員をなぎ倒し見事なまでに演じきり
それを見ていた敏腕プロデュースに見出されスカウトされるも
「僕には待ってくれている子どもたちがいるので…」
と断り、児童が先生に駆け寄る感動の…
(よくある青春群像劇風映像)
そう上手くいかないのが人生。
先生の“本気過ぎる不審者”に応えるように
“本気過ぎる被害者”と化した児童は先生に見向きもせずに走り出す。
ここまでセットでお願いします。
そうです。
この夏、担任のM山先生は不審者を極めることに忙しい。
不審者は一日にしてならず。
不審者に夏休みはありません。
先生にも夏休みはありません。
夏も夏休みも始まったばかり。
ひまわりが種をつける頃、
不審者役の先生が花開く。
そんな未来を想像しながら、
崩れゆく生活リズムをぼんやりと眺めていた。
【参考資料】
◽︎Ropping テレビ朝日グループの公式通販サイト
相棒 角田課長の「ひまかップ」
◽︎SMBC日興証券
初めてでもわかりやすい用語集
インサイダー取引 (インサイダーとりひき)
◽︎JAグループ
世界最大のりんご
「世界一」
◽︎サンリオ
ハローキティ
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