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「赤ずきん」裁判

赤ずきん』といえば
猟師が狼のお腹を切り、おばあさんと赤ずきんちゃんを救出し、
最後に石を詰めて縫い合わせ、なんやらかんやらで狼は死んでしまいましたというお話です。
あたかもハッピーエンド感を出してきますが
何もハッピーじゃありませんよ。

娘がバレエのDVDを見て2年前の自分が踊る「赤ずきん(Chaperon Rouge et le Loup "Sleeping Beauty")」にダメ出しをしまくっている横で
赤ずきんにおける犯罪者」の捜査を開始。

娘はダメ出しに夢中で私が捜査開始したことに気づいていません。
バレる前に進めていきましょう。

今回も徹底的に犯人を追い詰めていこうと思います。


前回は「おやゆびひめ」に出てくる
ヒキガエル、コガネムシ、モグラの罪を暴きました。

赤ずきん
原作者:シャルル・ペロー(フランス)
1697年『ペロー童話集』の「赤ずきん」
狼に食べられた赤ずきんと祖母は救出されることなく物語が終了する。

グリム童話版「赤ずきん」(ドイツ)
グリム兄弟がドイツで語り継がれていた「赤ずきん」の物語を収集・再話。
猟師が狼を退治し、赤ずきんと祖母が救出され、
ハッピーエンドという描き方になっている。

赤ずきん」は訳も派生作品も多いのですが、
今回はおそらく最もポピュラーな
グリム童話版赤ずきん」を見ていきます。

〈登場人物〉
◽︎赤ずきんちゃん
◽︎赤ずきんちゃんのお母さん
◽︎おばあさん
◽︎狼
◽︎猟師

ある日赤ずきんちゃんはお母さんに、
「森を越えた先に住むおばあちゃんが病気なので、ぶどう酒とお菓子(訳文により異なる)を
届けてきて。」とお使いを頼まれます。

その途中で一匹のに遭い、そそのかされて
花を摘むなど道草をくってしまいます。
狼は先回りをしておばあさんの家へ行き、
家にいたおばあさんを食べてしまいました。
おばあさんの姿に変装して、赤ずきんちゃんが来るのを待ち構えます。
赤ずきんちゃんがおばあさんの家に着くと
おばあさんに化けていた狼に食べられてしまいました。

満腹になった狼がベッドで眠っていると、
通りかかった猟師が気付き、
狼のお腹を切っておばあさんと赤ずきんちゃんを救出します。
最後に狼のお腹に石を詰め縫い合わせました。

狼はそのまま死んでしまいました

捜査の結果、赤ずきんのお母さん以外
全員犯罪者でした。
あとは裁判所に送るだけです。

【「赤ずきん」における犯罪者リスト】
1.赤ずきん
猟師が狼の腹に石を詰め殺害することを止めなかった。
第62条 殺人幇助ほうじょ
(条文)
1項:正犯を幇助した者は、従犯とする。
2項:従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。
→正犯(猟師)が受ける罪の半分の刑罰
◽︎赤ずきんちゃんを8歳と仮定
 (8〜17歳の少女がモデルとされているため)
 した場合の平均余命あと何年生きるか:79.36年
◽︎収入:不明

2.おばあさん
上記の赤ずきんと同じ
◽︎おばあさんを70歳と仮定した場合の平均余命あと何年生きるか:15年
◽︎収入:年金(月額推定141,350円)

3.狼
◼️赤ずきんちゃんへの執拗な声かけ・追跡
東京都迷惑防止条例(5条の2違反)
◽︎相手方の後方から後をつける(追随する)
◽︎相手方の自宅や職場、学校などに押し掛ける
◽︎相手方の自宅や職場、学校などの付近で見張る、
 みだりにうろつく
→1年以下の懲役または100万円以下の罰金
◽︎狼の収入:推定0円

◼️正体を隠しおばあさん宅に侵入
刑法第130条 住居侵入等
→3年以下の懲役または10万円以下の罰金
(条文)
正当な理由がないのに、
人の住居もしくは人の看守する邸宅、
建造物もしくは艦船に侵入し、
または要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金に処する。

◼️おばあさん・赤ずきんちゃんを丸呑みにした
第203条 殺人未遂
第199条及び前条の罪(殺人罪)の未遂は、罰する。
→死刑、無期懲役、または5年以上の有期懲役
◽︎狼の寿命:平均15年

4.猟師
◼️見ず知らずのおばあさんの家に侵入(鍵破壊込)
刑法第261条 器物損壊罪
→3年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金
他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
+
刑法第130条 住居侵入等
→3年以下の懲役または10万円以下の罰金
(条文)
正当な理由がないのに、
人の住居もしくは人の看守する邸宅、
建造物もしくは艦船に侵入し、
または要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金に処する。

◼️獣医師免許を持たず狼に対し手術を行なった上、石を詰め死に至らしめた
刑法第199条 殺人罪
→死刑又は無期若しくは5年以上の拘禁刑
(条文)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の拘禁刑に処する。
or
動物愛護法第27条
→1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(条文)
愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
or
獣医師法第17条
→50万円以下の罰金
(条文)
獣医師でなければ、飼育動物※(牛、馬、めん羊、山羊、豚、犬、猫、鶏、うずらその他獣医師が診療を行う必要があるものとして政令で定めるものに限る。)の診療を業務としてはならない。

◽︎猟師(プロ)の平均年収:220万円〜260万円
 当該猟師が認定鳥獣捕獲等事業者資格を保有
している場合の年収:300万円〜350万円
 【年齢別猟師の平均年収】
20代: 約250万円〜350万円
30代: 約350万円〜500万円
40代: 約500万円超

法律などという専門外の分野で頭が疲れてきたので
一度おふざけを挟みます。

【赤ずきんちゃん&おばあさん】
◽︎胃酸では溶けない強靭な身体の持ち主
→その間にいる赤ずきんちゃんの母親or父親も胃酸で溶けない説浮上

【狼】
◽︎人間2人を丸呑みにできるほどの嚥下機能を有する。
◽︎伸縮性に優れた胃の持ち主。
◽︎江戸っ子説
狼の人の喰い方と、江戸っ子の蕎麦の食べ方が全く同じで
狼江戸っ子説が浮かんでは消え浮かんでは消えを繰り返してしまいます。

【江戸っ子の蕎麦の食べ方】
噛まずに飲む。
喉越しを楽しむ。

赤ずきんちゃんとおばあさんの喉越しやいかに。

猟師
◽︎おばあさんのストーカー
→たまたま通りかかっただけの家の中覗きませんよね。

赤ずきんちゃんがおばあさん宅に入った際、
きちんとドアを閉め施錠をしたはずです。
そして何より狼は眠っていたのです。
家の中は静かで、動きもなかったはず。
横目で「おかしい」と認識できるかというと
疑問が残ります。
そもそもが、自宅以外の“施錠された”家の扉を破壊して突入するというのはよっぽど緊急性が高い場合のみだと思うんですね。

つまり、猟師は普段からおばあさんの家を“覗いて”おり、
この家にはおばあさんが1人で住んでいることを認識。
この日も呼吸をするが如く覗いてみたら…
「おばあさんいないじゃん、狼じゃん!はァ?」
とカッとなって犯行に及んだ、
という可能性もなきにしもあらず。
そしておばあさんを救い出し、あたかも
“俺があんたを守ったんだぜ”感を醸し出す。
犯罪を正当化、いけませんねェ。

それはさておき、狼は人間ではありません。
つまり、法で裁くことはできません。
しかも東京都ではなくドイツ(もしくはフランス)なので
東京都迷惑防止条例も適応されませんし
日本の法律も歯が立ちません。

しかも、
家の中にに猿が入ってきてお菓子を食べていたというニュースで
「猿が刑法第130条、住居侵入等の容疑で逮捕されました。」
なんて言いますか?
言いませんよね。
せいぜい、
「猿が人家に侵入し、お菓子を奪っていくということがありました。」
くらいのものです。
おおよそこの狼もその類だと考えられます。

とまあ特大セルフ突っ込みがキマッてしまいました。

さまざまな犯罪と想いが交錯する
ドラマ「相棒 新春スペシャル」級の童話というわけです。

グリム兄弟が猟師だった場合、
「お前何してくれちゃってんの?アァン?」
と来日して私のお腹に石を詰めにくる危険性があるので、
ご存命でなくて安心しました。

ここまで書いたところで
「聞いてた?私の話聞いてた?」
と質問されました。
黙秘権を行使したいと思います。

今でこそ子ども向けですが、
もともとは大人向けだったという「赤ずきん」のお話。
色々削除された文言があったので
それはまたいずれ。


【参考資料】
◽︎ベリーベスト法律事務所大宮オフィス
『不法侵入』とはどこから? 住居侵入罪で逮捕される可能性と処罰

◽︎環境省
動物愛護法

◽︎CareerBoost

◽︎沖縄県
獣医療法における飼育動物診療施設等の広告制限

◽︎警視庁
悪意の感情に基づくつきまとい行為等

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