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【音楽レビュー】生涯のベスト〘ブラック・メサイア〙

D‘Angelo & The Vanguard/Black Messiah(2014)

2025年10月14日、ディアンジェロが、膵臓がんのため51年の生涯を閉じた。
プリンスもそうだったが、やはり天才は長生きできないのだろうか。

21世紀以降のレコードで我が子に伝えたいものはそう多くないが、結果的に彼の遺作となってしまったこのアルバムは実に素晴らしく、備忘録として遺しておこうと思う。

彼のアーティストとしての才能については揺るぎないが、個人的には色々(真実は知る由もないが)事情があったようで、極端に寡作な人だった。

70年代半ば、ディスコの台頭で〈ソウル・ミュージック〉は死んだ、というのがおおよそ往年のソウルフリーク共通の認識だったが、95年の彼のデビューアルバム『Brown Sugar』の登場が〈ネオ・ソウル・ムーブメント〉なるものの起点となり、ソウルが息を吹き返した。
恐らく業界の人間がつけたキャッチコピーで、その旗頭にされたディアンジェロやエリカ・バドゥは迷惑だったかも知れないが。

彼の最高作は00年発表のセカンド『Voodoo』で間違いない。あらゆるブラック・ミュージックのエッセンスを煮詰めたような濃厚なファンクは、ジミ・ヘンドリックスやプリンスといったレジェンドが遺した輝かしい遺産に比肩する傑作だと思う。

それから14年。ファンとしては(Voodooがあればいいか)と半ば諦めていたが、突如としてこの作品が降臨!あまりのブランクに(もう枯れてしまったのでは)と少し聴くのが怖かったが‥杞憂だった。

当時のアメリカは、相も変わらず根強い黒人差別に抗議する運動〈ブラック・ライブズ・マター〉の真っ只中、それに呼応する形で急きょ発表された。
個人的には、スライ&ザ・ファミリー・ストーン71年の『暴動』を今の時代にバージョンアップしたような印象、要は紛れもない傑作の手ざわり。
R.I.P. D‘Angelo

■Track List
1 Ain't That Easy
2 1000 Deaths
3 The Charade
4 Sugah Daddy
5 Really Love ⭐️
6 Back to the Future (Part I)
7 Till It's Done (Tutu)
8 Prayer
9 Betray My Heart
10 The Door
11 Back to the Future (Part II)
12 Another Life


※stand.fmでも映画や音楽の話をしています。よかったら聴いてみてください。https://stand.fm/channels/6655ca62316143a771ce9aa6



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