正月新聞広告のマニアックな世界 2026年
正月の新聞の華は出版広告! 様々な出版社が、ここぞとばかりにお金をかけ、企業メッセージやイチオシの商品をご覧に入れる場です。普段は目にしないような贅沢な広告クリエイティブを見くらべたり、年々の傾向を感じる面白さがあります。
2026年の正月は、どんな様相が展開されていたのでしょうか?
各日ごと各新聞のビジュアルは、後掲の目次リンクからご確認ください。
最後のデイリースポーツは必見ものです。
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正月新聞広告のマニアックな世界へようこそ
今年の見どころ
1)講談社の全15段広告が素晴らしい!
正月新聞広告は各社が工夫を凝らしてメッセージを発するところが面白いのですが、なかでも全15段広告を展開する集英社、小学館、講談社の広告クリエイティブは目玉です。
その一角である講談社が、昨年の元日広告から姿を消して寂しい思いをしていたのですが、嬉しいことに今年は復活。
しかも、そのキーメッセージは自社のブランででも商品でもなく、「本屋さんに行こう。」というものでした。そう言われて、「何を言っているんだ、ケシカラン!」と怒り出す人はいません。むしろ、業界全体のことを代表して言っている講談社の姿勢に、さすがはリーディングカンパニーと親愛の情が湧くことでしょう。大事な販路である書店さんも、書店さんと向き合う営業部員も嬉しいに決まっています。これを零細出版社がやってもインパクトがなくて、さすがの横綱相撲、旦那芸だと想います。露出も日経、朝読毎に全15段、東京にも5段と行き届いています。さらに4日の産経に半5と手厚くカバー。
集英社は「100年? まだまだ若造ですから」のキャッチコピーで読売新聞と産経新聞はデザイン違い。
周年ではGakkenが80周年。高齢者住宅や認知症グループホームを含めた幅広い事業展開を知らせる内容となっています。
一方、昨年100周年で魅力的な広告を展開した小学館の全15段広告が元旦の新聞で見られなかったことは寂しいです。来年の復活を期待しています。
2)新聞媒体の縮小
かつて、多くの書籍広告を載せていた中日新聞東京新聞系のトーチュウが東京では姿を消しました。夕刊フジも無くなりました。
1日の各新聞の別刷を除いたページ数にも微妙な変化が現れています。
以下は昨年との対比です。
日本経済新聞 48→44
日経MJ ?→16
朝日新聞 36→36
読売新聞 40→40
毎日新聞 32→32
東京新聞 30→28(別刷り無し)
千葉日報 24→24
日刊スポーツ 30→32
スポニチ 32→32
スポーツ報知 32→32
サンスポ 28→
デイリースポーツ 26→24
東スポ ?→28
日刊ゲンダイ ?→44
日本経済新聞は自社グループの書籍広告も1日の紙面から減らしていて、新聞広告の費用対効果についての考えが気になるところです。
3)新潮社のキャッチコピーが分からなかった
鮮やかな緑色のビジュアル、「文学は、エバーグリーン。」と主張するキャッチコピー。時代の風を捉えているなあと心惹かれて目を止めました。時代を超えた普遍性と、エコを掛けているのかと想ったのです。そこまで時代の感覚に敏感になるなら、新潮文庫の本文用紙をCO2排出量がより少ないものに変更します、みたいな表明があると面白いと想ったのです。
しかし、星新一さんの新潮文庫の背表紙の色がたまたまグリーンである、という以上の説明は見つけられませんでした。勝手に来して、勝手にガッカリしてすみません。
その他、9日になって「東証スタンダードに新規上場」というニュースが流れました。毎年元旦の大型広告で知名度を高めてきたことも上場戦略としては有効に働いていたら面白いですね。
2日から還暦の同窓会で九州に帰っていたため更新が遅れました。また、一部のスポーツ紙は3日分が入手出来ておりません。
3日は一般紙の一面はいずれもアメリカのベネズエラ首都攻撃。波乱の年明けになりました。
広告では、朝日新聞に掲載された偕成社の創業90周年が目を引きました。4日には毎日新聞にも。おめでとうございます。
4日のマリクレールはサンヤツの上で、スペースは小さくともカラーで存在感がありました。
5日は現時点で日経と朝日しかチェックできていないのですが、ぴあが全15段カラーを両紙で展開しているのが驚きでした。何か他のプロモーションと連動しているのでしょうか。
出版以外のその他気になった広告は文末に感想と一緒にまとめています。
1月1日(木)


日本経済新聞
1面 岩波書店、みすず書房、東京大学出版会、中央経済社、日本評論社、朝倉書店、東京化学同人、白桃書房

2面 文藝春秋

3面 あすなろ書房

4面 集英社(雑誌)(全15)

18面 講談社

28面 日経BP(オルタナティブ投資)

43面 日経広告研究所(生活者の情報行動調査報告書)

第二部 1面 かんき出版

第二部 2面 大修館書店、学文社、商事法務、国書刊行会、かんき出版、実務教育出版、文眞堂、成美堂出版

第二部 3面 クロスメディア・パブリッシング

第二部 5面 22世紀アート

第二部 10面 文響社

日経MJ
1面 日経ナショナルジオグラフィック(全3)

5面 日経BP

朝日新聞
1面 サンヤツ
有斐閣、東京大学出版会、みずず書房、朝倉書店、風間書房、偕成社、青土社、研究社

2面 新潮社

3面 文藝春秋

4面 大修館書店

5面 岩波書店(全15)

6面 集英社(全15)

7面 光文社

8面 講談社(全15)

9面 三省堂書店(全5)

第2部 16面 金の星社

第2部 9面 22世紀アート

第3部
3面 聖教新聞社

讀賣新聞
1面 岩波書店、朝倉書店、原書房、国書刊行会、青土社、みずず書房、戎光祥出版、研究社

2面 文藝春秋

3面 中央公論新社

4面 PHP研究所

5面 集英社(全15)

6面 講談社(全15)

7面 聖教新聞社

13面 TOブックス(全15)

毎日新聞
1面 サンヤツ
岩波書店、みすず書房、山川出版社、朝倉書店、青土社、現代書館、築地書館、双葉社

2面 新潮社

3面 文藝春秋

4面 集英社(全15段)

5面 三省堂

6面 講談社(全15)

7面 筑摩書房

8面 Gakken(全15)

9面 国書刊行会

10面 興陽館

14面 文芸社(十人十色大賞)

別刷スポーツ
3面 聖教新聞社

産経新聞
2面 新潮社

3面 文藝春秋

4面 集英社(全15段)

5面 ワック

6面 飛鳥新社(Hanada)

8面 双葉社

9面 徳間書店

10面 東京大学出版会、モラロジー道徳教育財団、文芸社、双葉社、徳間書店、中央公論新社、国書刊行会、TJJ・たちばな出版、吉川弘文館、佼成出版社、三省堂書店/創英社、自由国民社、みらいパブリッシング、緑書房、錦正社、ワック出版局

東京新聞
1面 サンヤツ
岩波書店、東洋経済新報社、朝日新聞出版、築地書館、致知出版社、ダイヤモンド社、Gakken、晶文社

2面 新潮社(全5)

3面 双葉社、講談社(半5×2)

4面 あすなろ書房

26面 中日新聞社(全1段)

千葉日報
1面 サンヤツ
東洋経済新報社、朝日新聞出版社、青春出版社、築地書館、致知出版社、ダイヤモンド社、Gakken、晶文社

2面 ハート出版

3面 西村書店

日刊スポーツ
1面 マガジンハウス(TARZAN)(全3カラー)

2面 1万年堂出版

3面 双葉社

スポーツニッポン
無し
スポーツ報知
1面 マガジンハウス(TARZAN)(全3カラー)

サンケイスポーツ
1面 マガジンハウス(TARZAN)(全3カラー)

6面 東京新聞出版(全3)
デイリースポーツ
無し
東京スポーツ
無し
日刊ゲンダイ
無し
1月3日(土)

日本経済新聞
1面 サンヤツ
有斐閣、同文館出版、吉川弘文館、山川出版社、弘文堂、国書刊行会、築地書館、双葉社

2面
明日香出版社

3面
幻冬舎

23面
日経BP 日本経済新聞出版社(半2)、日経広告研究所(半2)
朝日新聞
1面 サンヤツ
吉川弘文館、東京化学同人、ミネルヴァ書房、明石書店、勉誠社、幻冬舎、メディックメディア、国書刊行会

2面
東京創元社(半5)、朝日新聞出版(半5)

3面
アスコム

4面
朝日新聞出版(半5)、ニュートンプレイス(半5)

5面
偕成社

讀賣新聞
1面 サンヤツ
有斐閣、光村推古書院、吉川弘文館、メディックメディア、美術出版社、水声社、白揚社、偕成社

2面
光文社(光文社文庫)

3面
文藝春秋(文春文庫)

4面
ワン・パブリッシング(半5)、読売新聞社(半5)

毎日新聞
1面
有斐閣、水声社、毎日新聞出版、展望社、毎日ワンズ、メディックメディア、柊風舎、二見書房

2面
あすなろ書房

3面
三五館シンシャ

産経新聞
2面
潮書房光人新社(半5)、産経新聞出版(半5)

3面
敬文社、講談社

東京新聞
1面 サンヤツ
朝倉書店、帝国書院、島影社、大和出版、日刊現代、知道出版、岩橋美術、二見書房

2面
とうこう・あい企画
国書刊行会、大和書房、1万年出版、詩想社、成美堂出版

3面
三五館シンシャ

千葉日報
なし
日刊スポーツ
1面
コスモ21(全3)

スポーツニッポン
未調査
スポーツ報知
未調査
サンケイスポーツ
9面
産経新聞

デイリースポーツ
無し
東京スポーツ
無し
1月4日(日)

日本経済新聞
1面
事業構想大学院大学(全3)

2面
幻冬舎

3面
1万年堂出版

5面
日本経済新聞社(全2)

27面
日経BP 日本経済新聞(半2)

28面
JTBパブリッシング(ノジュール)

朝日新聞
1面
サンヤツ
大修館書店、水声社、、筑摩書房、白秋社、帝国書院、小澤昔ばなし研究所、詩思社、自由国民社

2面
1万年堂出版

3面
朝日新聞出版

4面
JTBパブリッシング(ノジュール)

讀賣新聞
1面
1/3×2段
マリクレール

サンヨツ
オーム社、創元社、宝島社、日刊現代

2面
東京創元社(半5)、詩想社(半5)

3面
ハート出版

4面
文響社

11面
JTBパブリッシング(ノジュール)

毎日新聞
1面 サンヤツ
大修館書店、毎日新聞出版、文芸社、全力舎、毎日新聞出版、太陽出版、実務教育出版、偕成社

2面
双葉社(半5)、敬文社(半5)

3面
偕成社

26面
毎日新聞
1/8×2段

産経新聞
2面
文響社

3面
コスモ21

5面
第三文明(半5)

12面
産経新聞開発

東京新聞
1面
平凡社(半3カラー)、秋田書店(半3カラー)

2面
毎日新聞出版

3面
飛鳥新社

千葉日報
2面
第三文明(半5)、白秋社(半5)

8面
千葉日報(全3)

日刊スポーツ
21面
ダイブックス(全3カラー)

スポーツニッポン
無し
スポーツ報知
14面
スポーツ報知

26面
日本ジャーナル出版(半5)

サンケイスポーツ
17面
産経新聞(週刊ギャロップ)1/8×2

デイリースポーツ
無し
1月5日(月)
日本経済新聞
1面 サンヤツ
日本金融通信社、ライノス・パブリケーションズ、緑書房、宣伝会議、日経BP 日本経済新聞出版、LUX WAVE

2面
東洋経済新報社

3面
エベレスト出版(半5)、あさ出版(半5)

5面
日経BP(半5)、文響社(半5)

15面
日経BP、日本経済新聞(全1)

20面
ぴあ(全15 カラー)

35面
日経BP 日本経済新聞(半3)

朝日新聞
1面 サンヤツ
勁草書房、創元社、筑摩書房、叢文社、幻冬舎、バジリコ、かんき出版

2面、3面
文藝春秋(文春文庫)


4面
選択

6面
講談社(週刊現代)

8面
ぴあ

9面
小学館(週刊ポスト)

16面、17面
ハルメク


5日(月)夕刊
日本経済新聞
1面
日経BP 日本経済新聞(全3)

12面
ハルメク

朝日新聞
無し
その他の気になった広告
1日の広告では、私が還暦のせいか、笑点60周年が目にとまりました。

その流れで、時代劇チャンネルや映画「木挽町のあだ討ち 」の予告広告も。

1日の紙面でお金がかかっていたのはトヨタのセンチュリーの広告でしたね。日経、朝日、読売、毎日、産経で全15段見開きカラー。東京新聞にも全15段1ページ。

3日の広告で目を引いたのはタクシーアプリのGOでした。まるで、一時のヤマト運輸の宅急便みたい。都市部だけのサービスじゃないんだ、ということが一目で伝わってきました。

和光は時計台に鳩、というのは定番すぎる組み合わせのようにも見えるけど、それができるのが強さですよね。なぜ毎日だけなんだろう。

気になったのは、コンビニ「スリーエフ」の企業広告です。採用や加盟店募集になっている。年末年始といえば、人生の考える時期。結婚を決めたり、転職を決める人も多いと聞きます。しかも、3月退職の人は先の展開もきになるところ。とか考えると、ゆっくり新聞を読んでもらえる三が日は絶好のタイミングのように思います。

そんな風に考えてみると、三井物産の人の顔が見える企業広告には、人材流動性が高まった日本の働き方も関係しているのかな、というようにも見えてきました。


2日の広告でもうひとつ感じたのは企業への親しみ。
サッポロビールは、いつも箱根駅伝をスポンサーしてくれてありがとう。

林家るつ子さんを全15段カラーで起用している塩水港製糖株式会社に好感を持ちました。

4日のプロバスケットボールチーム「アルティーリ千葉」の千葉日報の広告はカッコよすぎて、どれくらい伝わったのかなと思いましたが、ファンはうれしいでしょうね。

5日は野村證券100周年の鮮やかな青と赤のコントラストがインパクトありました。

これらの広告と違った意味で印象深かったのが、4日のデイリースポーツでした。新聞社にとって広告というのは、紙面のスペースを提供する代わりに広告費という収入を得ること、というのが一般的な概念だと思うのですが、顧客層がはっきりしていると、こんなことまでできるのか、という印象です。財布のひもがゆるみがちなお正月とはいえ。
勉強させていただきました。
2面

4面

5面

6面

10面

19面

20面

21面

22面

28面

