「幸福の経済学 人々を豊かにするものは何か」とBTSを見て思い出したバーンアウトへの対処法
BTSのニュースとTLで見た動画には、「それぞれの時間でたくさん充電してね。走るのも休憩するのも、違うことにチャレンジするのも、人間は自由だよ。」に尽きますが、ちょうど直前に幸福についての本を読んでいました。
心のベースポジションがどこにあるか確認できることは、
自分らしい幸せには不可欠。
「幸福」と「経済や政策」との絡みを探る本書の面白さを紹介しつつ、冒頭の光景を見て色々思い出すことがあり、個人が幸せの地点を見いだせくなる「バーンアウト」について書いておきたくなった次第です。
努力できる人は誰でもなってしまうものだから。では、いきます!
今回の1冊「幸福の経済学 人々を豊かにするものは何か」(キャロル・グラハム著、多田陽介訳)
日常で「幸福」は語りにくいです。「主観で味わうにもかかわらず、世間や他人の定規が入り込み実感度合がブレる」複雑なものだからです。
何よりも大っぴらに語る奴がちょっと危ない。病んでる人が自分を正当化しつつ他人に依存したり、別の目的(宗教やネットワークビジネス)のために踏み込んだりする口実になることもあります。
人が「幸福である」ということは、自分だけではなく、周囲の人、社会にも良い影響を与えられ、「経済学」に結びつく理由も理解できます。
どんな人におすすめか?
冒頭で触れたように「頑張っているうちに、心のベースポジションがどこにあるか見えなくなり、内側にある泉が枯れかけている感じがする」という人には特におすすめだと思います。(明らかに言語センス強めで生きてるだろうRMさんとSUGAさん、韓国語版読んでくれたらいいな…)
また、様々なライフステージの仲間の「動機付け」を求められているマネージャーの方にも癒しになるはずです。
・自分の幸せは何の起点で生まれているのか?
・その人にとっての幸せの軸に気づく方法とは?
・それぞれどう変化していっているか?
あたりのヒントがたくさんあります。
幸福の定義ってなんだろう?
本書には「幸せな農民と不幸な成功者のパラドックス」という一節がたびたび登場します。
行為者性や充実した生活を送る能力のある人々は、幸福や厚生に関する個人の行為者性をより強調するのに対して、そうした行為者性を持たない人々は、日々の生活に単純な満足を見つけるかもしれません。
第1章 幸福ー新経済学 p.52
幸福の定義をするとき、
・ベンサム的な「満足感」としての幸福か?
・アリストテレス的な「充実した人生を送る機会」として幸福か?
で捉えることで、かなり違う質の幸福となるからです。
ベンサム的な「満足感」としての幸福には「変えられない社会や制度への適応」は重要な役割を果たすし、アリストテレスが「エウダイモニア」という言葉で表した「目的があり、意義深い人生を送る機会」には、行為者性というものは重要な役割を果たしていきます。
人間は繁栄にも苦境にも適応できるので、幸福も多様に捉えられます。
本書では様々な哲学者たちによる幸福の定義づけについても、その視点で捉えているからこの主張なのか!と解せる点が面白いです。
第2章と第4章のリンク、第3章の世界の幸福感は興味深い
「厚生=所得で測れる範囲を超えて人々の幸せを評価するもの」として、単なる所得相関から一歩進んだ形の経済政策や社会保障はどうあるべきなのか? という問う内容です。もちろん、これが正しい!という結論づける仮説が無い点が、他の書籍と違う点です。
本書では世界各地の様々な状況の人に「あなたは自分の生活に満足していますか?」「幸せを感じていますか?」「考えうる最高の人生を教えてください」といった質問を行い、その回答から読み解く章もあります。ここには信心深さなどの文化的要素も加わります。アフガニスタンの人々の心の清さにはハッとなるはずです。
結論を明確にしないこの本の中でも、疑うべくもない現象として書かれており、私たち日本に住んでいる人にも大切な視点を与えてくれるのは、第2章のp.84-85にある「アメリカ人とデンマーク人の違い」についてです。
裕福なアメリカ人とデンマーク人が同様に幸福であり、貧しいデンマーク人は、貧しいアメリカ人よりも、おそらく、集団責任や公的なセーフティーネットの存在のおかげで、貧困にかかる烙印効果(スティグマ)が小さくなるために、より幸福感が高いとされます。
第2章 幸福とは何かー行為者性と厚生の理論 p.84
セーフティーネットと財源問題の対立を見つめる時、この視点を持つだけでも、「人が心理的安全性を保ち、烙印を押されず、何度でも立ち上がれることの大切さ」が想起できる大切な比較だなと感じました。
以上、ネタバレしすぎないよう書きましたが、人はどのような立ち位置で幸せを感じることができるのか? 自分の軸はどこにあるのか? を捉えなおす際に有益な1冊です。
バーンアウトへの気づきと対処法
ここからは、冒頭の話と絡めて、バーンアウトへの気付きと自分なりの対処法を書いてみます。
私もまた、知能検査のWAIS-Ⅳ(下記)を受けた方が良さそうだぞと感じるほど、言語理解系を特に活かして生きている自覚があります。

多少偏りがあり、別の領域が得意な人には、参考にならないかもしれません。「仕事上戦略や企画を考える、文章を書く、プレゼンなどのアウトプットを言語でする」人に届くと嬉しいです。
自分で気づく兆候(黄信号と赤信号)
人が自分の適性を周りに喜ばれ、伸び伸びと努力するサイクルにいる時は、アウトプットは大変でもどこか遊びの延長のような感覚があります。
けれども、続けるうちにアウトプットは増えて活動領域は広くなり、それに伴ってステークホルダーが激増します。
また、目立つことで「世間や組織からのあるべき像」とか「欲や希望を叶えてもらいたい期待」みたいなものも受け止めることになります。
あなたのためを思って!と言いながらツールとして利用したがる相手を断れず、自分の有限なリソースを投下しないとこなせなくなる時も増えます。
この現象は、何も有名なアーティストだけではなく、普通の働く人同士でも起きることです。能力が伸びる機会も飽和したら、己を削り始めます。一度我に返って取捨選択が必要。
こんな兆候が出てたら、黄信号です。
所要時間の読みが外れやすい(遅れる)
締切効果を多用してる(集中に入りにくい)
好きなジャンルのことが捗らない
頭の中に文字が溢れるorどうも回らない
睡眠の質が落ちたor夜型が加速
日常のケアレスミス増えた(物落としたり)
みたいなことが続いた後にくるのが…
「何か、枯渇してしまったような気がする」
「SNSのさまざまな文字がノイズとして残る」
の2つです。
これは赤信号。自分の時間をしっかりとる必要があります。
(こういう時、年末年始17連休しました)
赤信号の時、「バーンアウトしてるかもしれない」と言える相手と言えない相手の反応は両極端です。詳細は割愛しますが、フィルターが粗く考えない人や自分で手一杯な人は、経験がない分、心無い返しが多めです。
ゆえに私も「バーンアウト経験あるよ」は口に出すようにしてます。
心無いことを言ったりやったりする奴らのことは、タンスの角に足の小指をぶつけ、バナナの皮で滑って転び、毎朝お腹が痛くなり、トイレに入ると紙が無いといったイメージをしながら見つめてやりましょう。
(ほら、日本人1000年以上前からやってますし)
バーンアウトへの対処法
バーンアウトはなったら終わりではなく、気づいて対処して、しばらく経つと「自分の中の泉が復活する感じ」がよみがえります。
再びギアを上げる際に、これまでと違う価値観で物事を取捨選択できるようになる「通過点」と捉えると少し気が楽になります。
自分のために使う時間を増やす
良く寝て、栄養取って、復調したら軽く運動する
普段使わない領域の行動で好きなものを楽しむ
この3つを順番にやっていくと、ちょっと復調してきます。
私の場合は、
1.1日1時間は自分で考えたことを書きなぐる時間を持つ(A4用紙でOK)
2.夜型なので朝一MTGや朝活で睡眠削らない&自炊&週2ジム
3.お菓子作りを楽しんだり馬に乗ったり美術館に行ったり非言語の活動
→「私はプロじゃないけど、好き!」を感じたり楽しむ
に集約されています。
普段言語を使いまくる人間が非言語で理解してアウトプットするって、別の脳を使っててすごく気持ち良いです。

3.は身近な自然の中で過ごすのも有効で、休日を丸一日明治神宮や新宿御苑か海辺で放心するのも、五感を使えておすすめです。

カイツブリめちゃくちゃ愛想がいいです。
そんな時間ねぇよ!の時
「それができたらそうなってねぇよ!」という人も多いですし、自分もそうだったので、それでもできるリフレッシュ方法を書き残しておきます。
1日10分だけ自分の時間を取り戻す(トイレ個室で可、スマホOFF)
始まりの儀式を持つ(紅茶、コーヒー、お抹茶、緑茶など)
一休みの呼吸!壱の型を持っておく(夕方のお菓子など)
部屋を片付ける(机に必要なものだけ置くなど)
メタリカを聴く(朝食作る時など)
自分だけの時間の確保、スイッチする儀式は些細なことからでOK。物はそこにある気配で気が散るので、「試験勉強中に片づけたくなる」を先にやっちゃうのもありです。

この日はオレンジのパウンドケーキが美味!
ただし、最後のメタリカ、冗談みたいなんですけど、おすすめです。
何故か重低音聴いた後に取り組むと集中力が増して頑張れます、逆に軽快なK-POPやヨハン・シュトラウスは耳を取られ、気が散ってしまいます。
また、身近で近い職業の人達に「出勤中メタリカ聴く」「レッチリはFleaのベース最高よね」という仲間も見かけます。
「事故で脳に損傷を負ったメタリカの男性ファン 定期的にメタリカ公演に参加し始めた後 脳が回復し始める」という面白ニュースもあり、だまされたと思ってやってみて欲しいです。メタリカは良いぞ(布教)
中野信子さんがそういう話をまとめていて、(おお!ひとりじゃない!)と
ちょっと嬉しくなったので貼っておきます。
彼女の本は割とセンセーショナルなタイトルで、手に取るのはドキドキするのですが、世界の「頭のいい人」~の方は、高IQの人に限らず、「すっきり暮らすノウハウを好きなものから選ぶ」と思うと楽しいです。
以上、バーンアウトについて含め、色々書いてきましたが、
自分の幸せの軸はベンハムとアリストテレスどっちの割合多め?
幸せの捉え方と社会制度、世界各地の幸福感って何?
というプロセスが内面に生まれる、「幸福の経済学 人々を豊かにするものは何か」はすごく良い本だったので、気が向いたらぜひ読んでみてください!
