【感謝】6日目で50人。公民館なら椅子を足す人数だった
朝、布団の中でスマホを見た。
妻はもう仕事に出ていた。
台所の方から、洗濯機の終わった音だけが聞こえた。
noteを開いたら、フォロワーが50人になっていた。
始めて6日目だった。
ありがとうございます。
そう素直に書けばいいのに、僕はしばらく画面を見たまま固まっていた。
50人。
ネットの数字として見ると、まだ小さく見える。
昔の僕なら、たぶんそう見ていた。
アクセス数。
売上。
成約数。
フォロワー数。
数字は大きい方が偉い。
そんな顔をしていた時期がある。
でも、50人を実際の人数として考えると、急に話が変わる。
教室なら、かなり埋まる。
居酒屋なら、貸し切りになる。
公民館なら、たぶん椅子を足す。
スナックさちこなら、もう入りきらない。
玄関前に50人並んでいたら、僕はたぶん警察を呼ぶ。
そう考えると、50人は少なくなかった。
かなり多かった。
少なくとも、布団の中で寝ぐせのまま見ていい数字ではなかった。
ついでに、noteの数字も見た。

全体ビュー、1,340。
スキ、219。
コメント、10。
指が勝手にスクショを撮った。
昔のクセだ。
数字が少し動くと、すぐ保存したくなる。
いつか誰かに見せるためなのか。
自分に「まだ終わってない」と言い聞かせるためなのか。
たぶん、両方だった。
もちろん、ネットの世界では大きな数字ではないのかもしれない。
昔の僕なら、もっとすごい人と比べていたと思う。
そして、少しでも自分を大きく見せる言い方を探していたと思う。
でも今は、1,340という数字を見て、少し違うことを考えた。
1,340回も、誰かのスマホにこのおじさんが出てしまったのか。
そう思うと、ありがたいより先に、少し申し訳なくなった。
寝ぐせのまま出ていってすみません。
そんな気持ちになった。
スキが219あった。
これも、昔の僕なら数字として見ていた。
反応率。
クリック率。
成約率。
そういう言葉で、すぐに割り算を始めていたと思う。
でも今は、スキの数を見ていると、指のことを考える。
誰かが読んで、画面を止めて、わざわざハートを押してくれた。
たったそれだけのことかもしれない。
でも、今の僕にはかなり大きい。
最近の僕は、何かを押されることの方が多かった。
現実に押される。
生活に押される。
妻の一言に押される。
不採用のメールに押される。
それなのに、ここではハートを押してもらっている。
最近は生活に押されっぱなしだったので、ハートを押されると、少し戸惑う。
コメントは10件あった。
10件。
こう書くと、少し立派に見える。
正直、ちょっと盛りたくなった。
でも、ちゃんと見ると、その半分くらいは僕の返信だった。
危ない。
また、自分で自分を大きく見せるところだった。
世の中は、そう簡単に盛らせてくれない。
それでも、前回見た時より、新しいコメントが3件も増えていた。
3件。
ネットの数字として見れば、小さいのかもしれない。
でも、現実の生活で3人から声をかけられることは、そんなにない。
しかもその3件は、ただの反応ではなかった。
読んでくれた人の言葉だった。
自分の経験を少し置いてくれたり。
続きを待ってくれたり。
バナーの動くところまで見てくれたり。
僕が思っているより、ちゃんと見られていた。
昔の僕は、数字の奥にいる人を見ているつもりだった。
でも本当は、数字を見ていた。
今は、3件のコメントを見て、そこにいる人のことを考えている。
数字が小さいからではない。
ちゃんと、人の声だったからだ。
まだ、酔いどれが再起して6日目だ。
始まったばかりだ。
大きなことは何も言えない。
ここで調子に乗ると、だいたい僕は失敗する。
昔からそうだった。
少し褒められる。
少し数字が動く。
少し顔が上がる。
そのあと、だいたい余計なことをする。
だから今日は、できるだけ静かに喜ぼうと思う。
フォローしてくださった50人の方。
読んでくださった方。
スキしてくださった方。
コメントしてくださった方。
本当にありがとうございます。
まだ、ちゃんとした何者かには戻れていません。
ただ、もう誰にも読まれていないわけではない。
それだけで、今日は十分でした。
スマホを閉じたあと、洗濯機の中の服を取り出した。
50人に読まれても、洗濯物は勝手には干されない。
少し湿ったシャツを広げながら、僕はもう一度だけ思った。
50人。
やっぱり、多い。
明日もたぶん、しょうもない再起録を書きます。

👇昔稼げた男のしょうもない再起録シリーズ
いいなと思ったら応援しよう!
チップなんて…そんなお気を遣わずに…ありがとうございます!