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文学読書会『ヨハク』#2ジョージ・オーウェル『動物農場』


はじめに

第2回文学読書会『ヨハク』を開催しました。 今回取り上げた作品は、ジョージ・オーウェルの『動物農場』です。

読み終えたあとに残ったのは、単なる「面白かった」では片づけられない、じわじわとした恐ろしさでした。 今回は、そんな作品について6人で交わした会話の記録をまとめます。
※【注意】この記事はネタバレを含みます。


開催概要

  • 会の名前:文学読書会『ヨハク』#2(ジョージ・オーウェル『動物農場』)

  • 開催日:3/7(土)

  • 場所:池袋

  • 参加人数:6人(主催含む)

  • 雰囲気:さまざまな意見が飛び交い、活気のある会でした


なぜ『動物農場』だったのか

読書会『ヨハク』は、「なぜを深掘る読書会」です。 作品の「正解」を探すのではなく、読んだ人の中に生まれた「なぜ?」を持ち寄り、いろいろな角度から考えてみる。そうしたやりとりそのものを楽しむ場にしたいと思っています。

『動物農場』は、以前からさまざまな読書会や本の紹介で名前を耳にする機会が多く、ずっと気になっていた作品でした。今回は、比較的短く読みやすいことに加えて、会話のきっかけになりそうな論点が多いと感じたため、課題本に選びました。

実際に読んでみると、その予感は当たっていました。短い作品でありながら、読み終えたあとに残る問いがとても多い。まさに『ヨハク』に合う一冊だったと思います。


当日の話題

※以下、ネタバレを含みます

1. どうしたらよかったのか?

まず話題になったのは、あの結末を避ける道はあったのか、ということでした。 その疑問に入る前に、結末をどう受け取るのかといった質問から始めました。

参加者からは、「結局、振り出しに戻ったように見える」という意見が出ました。たしかに、農場の名前も「メイナー農場」→「動物農場」→「メイナー農場」と変わっていきます。そう考えると、革命は何かを変えたようでいて、結局、元の構造へ戻っただけのようにも感じました。

では、どうすればよかったのか。 私の中では、明確な答えは出ませんでした。

老豚のメイジャーが生きていれば歯止めになったのではないか。 あるいは、スノーボールとナポレオンの対立を仲介できる第三者がいれば違ったのではないか。 そんな意見も出ました。

ただ、話していて私が感じたのは、結局「誰が上に立つか」という問題だけではないのかもしれない、ということです。ひとりの善意や能力に体制の健全さを委ねること自体が、すでに危うい。そんな印象を抱きました。

2. ナポレオンは、いつからスノーボールを陥れようとしていたのか?

この問いも非常に盛り上がりました。 子犬たちを囲い込み、後にその犬を使ってスノーボールを追放する流れを踏まえると、かなり初期の段階から計画していたのではないか、という意見が出ました。

この話題からさらに派生して、「もしスノーボールが統治していたら、農場はよりよい方向に進んだのか?」という問いも生まれました。 ただ、ここでも単純に「スノーボールなら大丈夫だった」とは言い切れないと感じました。個人の問題だけでなく、集団や体制も大きく絡んでくるのではないかと思いました。

誰が支配するかという問題と、支配がどう成立するかという問題。 その二つが絡み合っている点が、この作品の奥深さだと感じます。

3. 「文化」について

最後は、この作品の中でも印象的な「イギリスの獣たち」という歌をきっかけに、「文化」についてそれぞれの想いを語ってもらいました。

文化は共同体を支える力にもなる。 一方で、それは簡単に利用され、別の方向へとねじ曲げられてしまうこともある。文化は大切だけど悪用もされ得る。そんなことを今回の会話やこの作品から感じました。

作品のテーマから少し離れたようでいて、実はかなり核心に近い話だった気がします。 このように、一冊の本から会話が思わぬ方向へ広がっていくのも、読書会の面白さだと改めて思いました。


多様な解釈について

今回は、一つの問いに対して多様な意見が出ていたのが印象的でした。

私はもともと、作品の感じ方や解釈に「たった一つの正解」があるとは思っていません。読んだときにその人の中に立ち上がったものが、まずはその人にとっての答えなのだと思っています。

ただ同時に、自分の中の答えだけで完結しないことも大切だと感じています。 自分とは違う読み方や感じ方に触れたとき、作品の見え方が少しずつ変わっていく。その揺れこそが、読書会の醍醐味なのかもしれません。


主催としての振り返り

今回も、会としてはかなり充実した時間になったと思います。 参加者のみなさんが積極的に意見を出してくださり、話題が途切れることはほとんどありませんでした。

一方で、気になりながら拾いきれなかった問いもいくつかありました。 時間配分や会の構成にはまだ工夫の余地があります。どこまで一つの話題を掘り下げるか、どのタイミングで次の問いへ移るかなどなど。そのあたりは今後の課題として考えていきたいです。


おわりに

同じ本を読んでいても、着眼点や感じ方は本当に人それぞれです。 第2回を終えて、そのことを改めて強く感じました。

これはちょっとしたおまけですが、最初の自己紹介の中で「ベタ」という魚がいることを初めて知りました。 ちなみに私は、猫とクラゲを飼ってみたいです。

文学読書会『ヨハク』は、読み終えたあとに残る「余白」を大切にする会です。 結論を急がず、気になったことを気になったまま持ち寄って、一緒に考える。 そんな場を作っていけたらと思います。

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