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京アニの<黄金期>を語ろう!

今回は、昔の京アニの話をしたいと思う。
ある意味、京アニは日本のアニメ界そのものを大きく動かしたといっていいほどの偉大な存在なんだよ。
その神話は、今から大体20年近く前の時代にまで遡る。

<京アニ神話時代>2006年~2009年

【2006年】

「涼宮ハルヒの憂鬱」

監督/石原立也

【2007年】

「らき☆すた」

監督/山本寛、武本康弘

【2008年】

「CLANNAD AFTERSTORY」

監督/石原立也

【2009年】

「けいおん!」

監督/山田尚子

この06年~09年における京アニは、今考えても神懸ってたと思いませんか?
まさに、<京アニ神話時代>。

この神話時代の創造に携わった方々は、まさに<神>だと思う。
武本康弘さんが、例の京アニ放火事件の犠牲になったことは本当に悲しい。
彼は後にも「氷菓」「小林さんちのメイドラゴン」等、数々の名作を生んだ名匠ですわ。

監督/武本康弘(2012年)
監督/武本康弘(2017年)

そして2003年、「フルメタルパニックふもっふ?」で京アニ初の連続テレビアニメの監督を務めたパイオニアでもある。
思うに、この時期の京アニはテレビアニメ2作目「AIR」(2005年)の監督を務めた石原立也さんと合わせ、多分だが<石原+武本2TOP体制>だったんじゃない?

石原立也(1966年生まれ)京都府出身

武本康弘(1972年生まれ)兵庫県出身

そう、京アニというのはその社名の表す通り、関西出身者の多い会社なんですよ。
ようするに、関西人の集まり。
で、皆さんが<関西ノリ>をどれだけご存じかは知らんが、関西人が数名も集えば、十中八九、悪ノリが始まるものである。

よく、「涼宮ハルヒ」はまた何で「エンドレスエイト」みたいな馬鹿なことをやったのか?と疑問に思う人もいるらしいが、そんなの簡単、

ようは関西ノリの会議で決まったんでしょ(笑)


たまに、関西人が集った会議はそういうノリで締められることがあるからね。
上の画像における石原さん、武本さんの満面の笑みを見てもらえれば空気感を少し理解できると思うが、ようは御二人とも「ボケたい」タイプだったんだと思う。

石立太一(1979年生まれ)
代表作「ヴァイオレットエヴァーガーデン」「境界の彼方」

山田尚子(1984年生まれ)
代表作「けいおん!」「たまこまーけっと」

石原さん、武本さんよりも少し下の世代、石立さんや山田さんあたりからは妙に「画のコダワリ(エフェクト)」を見せるようになってきて、このへんから比較的京アニも真面目になっていくんだけどさ。

まぁ、山田さんはいまや日本を代表する大物アニメ作家に成長しちゃったし、石原さん、石立さんもいまや京アニ取締役というVIPである。

そんな中、「神話時代」の中のひとりでありつつも、なんか大物と呼ぶには少し抵抗のある人物のことを今回は取り上げてみたいんです。
・・そう、もうお分かりでしょう。
ヤマカンですよ。

山本寛(やまもとゆたか)

1974年生まれ 大阪府出身
代表作「らき☆すた」「かんなぎ」「フラクタル」「薄暮」

彼は紛れもなく京アニ「神話時代」の<神>のひとりなんだが、でも、上の画像を見て一種の違和感を感じませんか?
明らかに、石原さんや武本さんの纏ってるオーラと異なっている。
・・いや、彼も関西人ゆえ、こういうビジュアルも一種の「ボケ」だと解釈できなくもないんだが、それにしてもシャープな印象があるんだよね。
多分、実際シャープな人かと。

なんせ、

彼の最終学歴は京都大学

いやね、多くの人が京アニを誤解してると思うんだが、もともとのこの会社は大手の下請けをメイン事業にした、ローカルの弱小会社に過ぎなかったんですよ。
とてもじゃないが、そんな京都大学卒のエリート様にお越しいただけるようなところでは断じてなかったんだ。

いや、そんなこと言ったら東大卒で東映動画に入社した高畑勲、学習院大卒で同じく東映動画に入社した宮崎駿はどうやねん?ということにもなるんだけど、そのへんについては、かの富野由悠季(彼は日大芸術学部卒)が学歴コンプレックスを露わにし、「彼らには負けたくない」という秘めた思いが当時あったことを吐露してたよ。

・・でさ、多分だけど、山本さんの入社は京アニ的に一大エポックだったと思うんだよね。
今年、うちに京大で自主制作アニメを作ってた新人が入ったぞ!」と。
そりゃもう、高畑勲、宮崎駿の例もあるし、最初から「期待のルーキー」という扱いだったんじゃないだろうか?

ちなみに、石原さんも武本さんも最終学歴はアニメーション専門学校だし、大卒ではないんですよ。
そういう意味じゃ、バックボーンが根っこから違う。
これはあくまで私の想像に過ぎないけど、仮に石原さん/武本さんが「ボケ」だとするなら、山本さんはその明瞭な頭脳を活かした「ツッコミ」だったんじゃないかな?
まぁ、そういう意味でいうと、山本さんという人材は京アニにとって大きな戦力だったと思う。

実際、「涼宮ハルヒ」で山本さんはかなりの裁量を与えられてたらしくて、第1話「朝比奈ミクルの冒険」、第9話「サムデイインザレイン」、第12話「ライブアライブ」等、いわゆる神回の多くを彼が手掛けてるんだわ。
演出、絵コンテ、脚本、その仕事は多岐に渡ってて、実質「ハルヒ」の半分は山本さんが監督だったといっても過言ではないかもしれん。

2分17秒の長回しが話題になった「サムデイインザレイン」
ロトスコープ使用のライブが話題になった「ライブアライブ」

そして極めつけが、彼が演出を手掛けたこの「エンディング」↓↓だろう。

「ハレ晴れユカイ」

これは、ある意味でその後のアニメを変えたといってもいいエポックだったよね。
この振り付けを作ったのが、他ならぬ山本さんである。
なお、山本さんいわくこれには「原型」になったものがあり、それが2002年のOVA「ジャングルはいつもハレのちグゥ」EDだったという。

・・なるほど、下請け時代の京アニは、こういうアニメを作ってたんだね。
しかし、クオリティ高いわ~。
アイデアも面白いし。
後にブレイクする、京アニ的なアイデアの原型がここに詰まってるな・・。

で、懸案の山本さんは「涼宮ハルヒ」の名声を得た後、遂に監督デビューとなるわけで、そのデビュー作というのが皆さんご存じ、これである↓↓

山本寛監督デビュー作「らき☆すた」

はい、これは「ハルヒ」のED「ハレ晴れユカイ」のコンセプトをそのまんま継承/発展させたようなアニメで、これもまた、OPがやたらイイんですよ。

アニメ史で最も有名なOPのひとつだよね。
「聖地巡礼」の出発点になったともいわれてるし。
そしてアニメーションとしての技術の粋が結集されてるというか、振り付けのモーションにはビシッとキレがある一方、そのすぐ後ろではキャラの髪がふんわりと柔らかく揺れてるんだわ。
こういう、ひとつの画の中に「ビシッ」と「ふんわり」を同時進行させてる感じとか、今考えても、マジでこの頃の京アニは少し神懸ってますよ。

で、このOPの演出もまた、山本さんなんですよね。


こういうのを見てるだけで、この人が非凡な才能だということはすぐに理解できる。
ただ、この「らき☆すた」(全24話)、

第4話をもって山本さんが監督を降ろされるという事態に・・

そう、京アニがワケ分からん告知を出したのよ。
・・いや、何らかの事情があって監督を降板させることなんて結構あることだし、あの富野由悠季でも降板させられたりとかしたわけで。
だからそれはいいとして、ただ、上の告知文にある

「監督において、まだ、その域に達していないと弊社は判断し」


という一文、ホントに必要だったのか?
そこは実際そうだったのかもしれんが、わざわざ社外に告知する必要はないでしょ、と。

というより、私としては当時、これを

「ははぁ~ん、これは京アニお得意の<ボケ>だな?」


と解釈してたのよ。
つまり山本寛と京アニが相互理解のもと、一種の「喧嘩」を装ってるという<プロレス>的な演出なんだろうな、と。
京アニだし、いかにもそういう炎上商法とかやりそうじゃん?

でもね、その後に山本さんが京アニを退社し、そしてだいぶ経ってから彼がこういう声明を出したんだ↓↓

ええっ!
あれって、マジだったの?


このへんは、今もって京アニの謎であり、闇である。
一体当時、あの「らき☆すた」で何が起こっていたのか、そんなことを考えながら、皆さんにはターニングポイントの第1話~第4話、そして第5話以降を見てもらいたいと思う。

まぁ、これはあくまで私見だが「らき☆すた」は第5話以降になると、俄然面白くなるんだよなぁ・・(笑)

第5話以降は、武本康弘さんが監督に就きました

まぁ、これはあくまで私の想像でしかないんだが、おそらく当時の山本さんは「頭が良すぎた」ということじゃないかな?
なんせ京大卒ゆえ、その冴えた頭脳で「論破しちゃう」系の剛腕型の演出家だったんじゃないかな、と。

いや、それはそれで別にいいのよ。
高畑勲とか、まさにそっち系の極みだったらしいからね。
でも高畑さんって、正直アニメーターたちから相当恨みを買ってたらしいよ・・。
ましてやこれが京アニともなると、さらにマズイでしょ。

だって、どう見ても京アニは女性アニメーターの巣窟じゃん?

京アニ放火事件の犠牲になった、故池田晶子さん

女性って、理論先行の論破系男子をとにかく嫌うものだよ。

で、京アニにおいて女性を敵に回すことは、天に唾を吐くにも等しい行為である。
・・いや、当時山本さんが社内で女性アニメーターを敵に回したなんて証拠は何ひとつないんだが、でも考えられることは、それぐらいしかないんだよなぁ。

なお、山本さんという人のキャラについては、大体こんな感じです↓↓

結構、愛すべきキャラでしょ?


自分は「エンドレスエイト」に反対だった発言等、色々物議をかもしてきた彼だが、実をいうと、私は嫌いじゃないのよ。


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