素直に書かれた誰かの言葉が、私の生活に寄り添ってくれる
今日、月と文社の『何も起きない夜日記』を読み終わった。

前作の『私の孤独な日曜日』は、お気に入りの本屋 toibooksさんで出会って、とても印象に残っていた。そこには、いろんな職業の、どこかの道ですれ違っていそうな、名も知らぬ人たちの日曜日が綴られていた。
「あぁ、みんな来たる月曜日に向けて、いかに落ち着いた気持ちで、満足した気持ちで、布団に入れるか、試行錯誤しているんだなぁ」
と、フフッと笑いながら読んだ。
今回の『何も起きない夜日記』は、期待通り、いやそれ以上に何も起きないんだけれど、当人の頭の中ではいろんな思考が巡っている。毎日の悩みとか、ふと思い出した過去の思い出とか、これからどう生きていこうかとか。
何も起きないからといって、小さなことを大きく脚色したりしない。毎日こなす小さなことを、ありのままの大きさで書いている。これだけ素直に書ける人がこんなにいるんだ、すごいな、と思った。
私は何か文章を書いていると、たまにこれは本当に思っていたことなのか?と不安になることがある。本でよく出てくるような言葉とか、誰かの口癖とか、そんなものがポロっと出てきてしまって、それは本当に言いたかったことなのか、ふるいにかけずに書いてしまうときがある。話しているときもそう。自分の口から出た後に、「あぁ、こっちの言葉を使ったほうがよかったかな。ありのまま伝えるって難しいな」と感じる毎日。
この本に書かれている言葉は、本物だと感じた。誰かのために書いたものというよりは、自分のために書いたものという印象が強くて、だからこそ偽善ではなく、本当に寄り添ってくれるような話が詰め込まれていた。
素直な文章をみると、かっこよさを感じる。実際の現実世界では、ある程度嘘をつかないといけないこともあるし、かっこつけずに潔くありのままの自分を見せて生きていくのは正直むずかしい。
でも、文章の中では、素直でいられたら。
今日もうまく話せなかった。言いたいことを言えなかった。そんな何だかモヤモヤした気持ちを、かっこつけずに正直に書けたら、自分のことを認められる気がする。
