タイのビザラン・90日レポート完全ガイド——混同しやすい2つの手続きを2026年版で整理します。

タイに長期滞在する日本人が必ず直面するのが、「ビザラン」と「90日レポート」です。

この2つは名前が似ているため混同されがちですが、まったく別の手続きです。片方を忘れると罰金、もう片方を間違えると不法滞在になりかねません。どちらもタイ長期滞在の「必須の定期メンテナンス」です。

この記事では、ビザランと90日レポートの違い・具体的なやり方・忘れたときの罰則を、2026年現在の情報で整理します。長期滞在者はブックマークして定期的に確認してください。


━━━━━━━━━━━━━━━
CHAPTER 01
まず理解する——ビザランと90日レポートの決定的な違い
━━━━━━━━━━━━━━━

▶ 目的がまったく違う

この2つの手続きは、目的が根本的に異なります。混同しないよう、まず違いを明確にします。

ビザラン(Visa Run)
「滞在許可期限」を延長・リセットするための出国です。タイの滞在許可(ビザなし入国のスタンプなど)には期限があり、その期限が切れる前に一度出国して再入国することで、新たな滞在許可を得る行為を指します。目的は「合法的な滞在期間の確保」です。

90日レポート(TM47)
タイに90日以上連続滞在する外国人が、自分の居住地(住所)をイミグレーションに報告する制度です。出国は不要で、あくまで「今どこに住んでいるか」を届け出るだけの手続きです。目的は「居住地の報告」です。

▶ 混同するとどうなるか

「90日レポートをすれば出国しなくていい」と誤解する人がいますが、これは間違いです。90日レポートは滞在期間を延長するものではありません。滞在許可の期限管理(ビザラン・ビザ延長)と、居住地報告(90日レポート)は、まったく別に管理する必要があります。

▶ 重要な関係性

一度出国して再入国すると、90日レポートのカウントもリセットされます。前回の報告から90日経たずに出国・再入国した場合、滞在日数はリセットされ、再入国した日から起算し直しになります。つまり、頻繁に出国する人は90日レポート自体が不要になるケースもあります。


━━━━━━━━━━━━━━━
CHAPTER 02
90日レポート(TM47)の基本——タイミングと罰則
━━━━━━━━━━━━━━━

▶ 90日レポートとは

正式名称は「Notification of staying in the Kingdom over 90 days」、略称TM47(トーモー47)です。90日以上連続してタイに滞在する外国人は、90日ごとに居住地を報告する義務があります。

会社勤めの場合は企業の総務・人事が対応してくれることが多いですが、個人でビザを管理している場合は、自分で手続きするか代行業者に依頼する必要があります。

▶ 手続きのタイミング

90日レポートの手続きは、期限日の15日前から期限日の7日後までに行う必要があります。

例:5月18日が期限日の場合 → 5月3日〜5月25日の期間に手続き

この期間を過ぎると罰金の対象になります。タイでは日本のように期限のお知らせが来ないため、自分でカレンダーに記録して管理する必要があります。

▶ 罰則——忘れると2,000バーツ

報告義務を忘れた場合、2,000バーツの罰金が科せられます。さらに、逮捕された場合は5,000バーツ、または加えて1日あたり200バーツの罰金が科されるケースもあります。

罰金額は発覚したタイミングや状況によって異なります。期限が切れている場合は、放置せず早めに自己申告して対応する方が、罰金を最小限に抑えられます。

━━━━━━━━━━━━━━━
CHAPTER 03
90日レポートのやり方——3つの方法を比較
━━━━━━━━━━━━━━━

90日レポートの申請方法は主に3つあります。それぞれの特徴を整理します。

▶ 方法①:イミグレーション窓口で申請(初回は必須)

初めての90日レポート・引っ越しで住所変更した場合・一度出国して戻ってきた後は、直接イミグレーション(入国管理局)の窓口で手続きする必要があります。オンライン申請は2回目以降のみ可能なため、初回は必ず窓口に行きます。

バンコクの場合、チェーンワタナ・イミグレーションが管轄です。

必要書類:
・パスポート(原本+顔写真・ビザ・入国スタンプのコピー)
・TM47(90日レポート申請書)
・TM30のコピー(住居主が届け出る外国人滞在届)
・前回の90日レポート控え(2回目以降)

▶ 方法②:郵送で申請

イミグレーションに行く時間がない場合、郵送でも申請できます。

郵送に必要なもの:
・TM47(記入・署名済み)
・パスポートの必要ページのコピー
・前回提出した90日レポートのコピー(ある場合)
・返信用封筒(切手付き・自分の住所を明記)

返信用封筒を入れ忘れると、次回のレポート控えが戻ってきません。控えは次回申請時の「滞在証明」になるため、必ず同封してください。封筒には目立つように赤ペンで大きく「90 DAYS REPORT」と書くと、重要書類として扱われやすくなります。

期限日の15日前必着で郵送する必要があるため、余裕をもって送付します。

▶ 方法③:オンライン申請(2回目以降・最も手軽)

近年はオンライン申請が可能になり、自宅から手続きできるようになりました。ただし、1回目は窓口または郵送での申請が必要で、そのデータをもとに2回目以降のオンライン申請が可能になります。

オンライン申請の注意点:
・イミグレーションのシステムがダウンしていて申請できないことが頻繁にある
・「申請できません」とエラーが出る最大の原因は、住居主のTM30が未提出であること
・TM30の登録がないと申請を先に進められない

システムが不安定なため、オンライン申請を予定していても、期限直前ではなく余裕をもって試すことをすすめます。エラーが続く場合は窓口・郵送に切り替える判断も必要です。

▶ TM30との関係を理解する

90日レポートのオンライン申請でつまずく最大の原因がTM30です。TM30は、住居の所有者(オーナー)が「外国人がここに滞在している」ことを届け出る書類です。オーナーがTM30を提出していないと、90日レポートのオンライン申請が進められません。

賃貸契約時に、オーナーまたは管理会社がTM30を提出してくれているかを確認しておくことが重要です。提出されていない場合、オーナーに依頼する必要があります。


━━━━━━━━━━━━━━━
CHAPTER 04
ビザランの基本——2026年の厳格化に注意
━━━━━━━━━━━━━━━

▶ ビザランとは

ビザランは、滞在許可の期限が切れる前に一度タイを出国し、再入国することで新たな滞在許可を得る方法です。陸路国境(カンボジア・ラオス・マレーシア)や近隣国への往復で行われることが多いです。

▶ ビザなし入国(VISA EXEMPTION)の場合

2026年現在、日本国籍はビザなしでタイに60日間滞在でき、さらにイミグレーションで1,900バーツを払って30日延長できます(最大90日)。この期限が切れる前に出国・再入国することで、再び滞在許可を得られます。

▶ 陸路ビザランの回数制限に注意

近年、タイのイミグレーションは陸路でのビザランに対する審査を厳格化しています。短期間に何度もビザランを繰り返していると、入国審査官から入国を拒否されるケースが報告されています。特に陸路国境での連続したビザランは目をつけられやすいです。

「ビザランを繰り返せば無期限に住める」という考え方は、2026年現在は通用しにくくなっています。長期滞在を続けるなら、DTV・LTR・リタイアメントビザなど、正規の長期滞在ビザの取得を検討することが現実的です。

▶ ビザランは「つなぎ」と考える

ビザランは、あくまで「次のビザを取得するまでのつなぎ」「短期的な滞在延長」と位置づけるのが安全です。恒久的な滞在手段としてビザランに依存すると、ある日突然入国を拒否されて生活基盤を失うリスクがあります。


━━━━━━━━━━━━━━━
CHAPTER 05
長期滞在者のための管理術——忘れないための仕組み
━━━━━━━━━━━━━━━

▶ 期限をカレンダーで二重管理する

タイでは期限のお知らせが来ません。ビザの期限・90日レポートの期限を、スマートフォンのカレンダーに登録し、リマインダーを設定しておくことが最も確実です。

推奨する管理方法:
・ビザの期限:期限の1ヶ月前・2週間前に通知
・90日レポート:期限の15日前(申請可能開始日)に通知
・次回の90日レポート期限:申請完了時にすぐ次回分を登録

▶ 90日レポートの控えは必ず保管する

90日レポートの控え(TM47のコピー)は、次回申請時の「滞在証明」として機能します。オンライン申請でも窓口申請でも、控えは大切に保管してください。銀行口座開設・ビザ更新など、他の手続きでも滞在証明として使えることがあります。

▶ TM30の提出状況を入居時に確認する

新しい物件に入居したら、オーナーまたは管理会社にTM30を提出してもらうことを最優先で確認します。これを怠ると、90日レポートのオンライン申請ができず、毎回窓口に行く羽目になります。

▶ 不安なら代行業者を使う

ビザ・90日レポートの手続きに不安がある場合、日本語対応の代行業者に依頼する選択肢もあります。費用はかかりますが、期限管理・書類準備・窓口対応をすべて任せられるため、本業に集中したい方には有効です。特にビザ更新と90日レポートを同時に管理してくれる業者は、長期滞在者にとって心強い存在です。

▶ イミグレーションは早朝に行く

窓口手続きが必要な場合、イミグレーション(特にバンコクのチェーンワタナ)は非常に混雑します。朝一番(開庁前から並ぶ)に行くことで、待ち時間を大幅に短縮できます。午後に行くと、その日のうちに手続きできないこともあります。


━━━━━━━━━━━━━━━
まとめ
━━━━━━━━━━━━━━━

ビザランと90日レポートは、名前は似ていてもまったく別の手続きです。

ビザランは「滞在許可の期限を延長・リセットする出国」、90日レポートは「居住地をイミグレーションに報告する制度」です。90日レポートを忘れると2,000バーツの罰金、ビザランを繰り返しすぎると入国拒否のリスクがあります。

長期滞在を安定させるには、①期限をカレンダーで二重管理する、②90日レポートの控えを保管する、③TM30の提出状況を確認する、④ビザランに依存せず正規の長期ビザを検討する——この4点が重要です。

面倒な手続きですが、仕組み化すれば毎回の負担は大きく減ります。この記事をブックマークして、期限が近づくたびに確認してください。

気になることがあれば、コメントかXのDMへお気軽にどうぞ。

※ 本記事の情報は2026年6月時点のものです。イミグレーションの運用・ルールは変更される場合がありますので、最新情報はタイ入国管理局・在タイ日本大使館にご確認ください。


#タイ移住 #ビザラン #90日レポート #TM47 #バンコク #タイ在住 #イミグレーション #タイビザ #バンコク生活 #海外移住

いいなと思ったら応援しよう!