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ゲシュム島(追記)占領作戦と、見えてきたイランの『戦後』

1.ミッション ゲシュム島占領特別作戦について

①概況

 米国とイスラエルが、イランを攻撃してから、十数日が経過した。
 戦況を簡単に整理すると、米軍・イスラエル軍は、早期に制空権、制海権を握り、イランのミサイル能力も約9割、無力化したようだ。イランはドローンや高速艇を用いた非対称戦で抵抗を試み、ホルムズ海峡を「人質」に取ることで世界経済へ圧力をかけている。
 確かに、この海峡は、トランプ陣営のアキレス腱で、WTI原油価格は一時120$近くまで上昇し、世界の長期金利も上昇傾向にある。戦費の膨張による財政赤字の悪化懸念もあり、米国の10年国債は、3月15日4.28%に達した。米国経済は、ガソリン価格などの上昇による、個人消費の冷え込み、プライベートクレディットの焦げ付きリスクは、リセッション入りの崖に追い込まれている可能性がある。
 トランプ政権は、厳しい決断の局面にあることは確かである。

原油価格の動き
米長期金利の動き
米国株価

②カーグ島について
 
こうした局面で、3月14日、米軍は、イランの石油輸出基地であるカーグ島(ハルク島)を爆撃した。攻撃の対象は、軍事目標に限られ、トランプ大統領は、「私は良識(Decency)ゆえに、あえて島の石油インフラ(貯蔵タンクやパイプライン)は破壊しなかった。 だが、もしイランや他の誰かがホルムズ海峡の安全を少しでも妨害するなら、私は即座にこの決断を再検討するだろう」と述べ、カーグ島の石油施設を、ホルムズ海峡非武装化のための**人質**にとったような形になった。
 カーグ島(20㎢、東京都港区ほどの大きさ)には、イランの全原油輸出の約90%がこの島を経由して輸出される。イランの海岸線の多くは遠浅で大型タンカーが近づけないが、カーグ島周辺は水深が深く、世界最大級の超大型タンカー(VLCC)が同時に8〜10隻も接岸できる特殊な地形となっている。そして、イラン本土の主要な油田(アワズ、マルンなど)から、海底パイプラインを通じてすべての原油がこの島に集まる構造になっている。
 カーグ島の貯蔵タンクの総容量は、3,400万バレルで、これは、イランの日量原油生産量300万バレルの11日分、日量輸出量200万バレルの17日分に当たる。

 米軍の攻撃は戦略的である。米軍のB-2ステルス機やAIによる標的選定(Maven)が、あえて『石油インフラ』を傷つけないよう慎重に立ち回っているようだ。これは、戦後の復興を視野に入れているかもしれない。AIは、パランティアの頭脳が主導しており、要人の暗殺や指揮命令系統の寸断などのMavenオペレーションと時系列で一体化している。トランプ氏の表現は、いつものように激情的で、かつビジネスマン的なディールの色合いも強いが、背後には、パランティアのリーダー、影の大統領と言われるピーター・ティール氏の冷徹で計算されつくされた思考に裏付けられている。
 現在、このカーグ島を、米軍が揚陸して占領し、石油インフラを管理することを狙っているのではないかという観測👇が、ささやかれている。その狙いは、①石油施設を占領し、イラン経済の大動脈を握ること、つまり、ここを閉鎖すれば、イランの原油生産も止まり国家存亡の危機となるということ、②カーグ島が米軍の前線基地となり、米軍がペルシア湾北部を制圧し、480㎞(東京‐姫路間)離れたホルムズ海峡に睨みを効かせること、つまり、ホルムズ海峡における、イランによるドローンや高速艇を使ったタンカー攻撃を無効化、いわばホルムズ海峡を**逆封鎖**する、この2点にある。
【ブルーカラー】
2026/3/17 イランに激震!! 米軍がホルムズ海峡を逆封鎖?! トランプ氏、イラン原油輸出拠点のカーグ島占拠を検討か - YouTube

③ゲシュム島という選択肢(追記)
 ホルムズ海峡、UAE、オマーンの対岸に、ゲシュム島がある。沖縄本島程度の面積で、15万人が居住している。この島が、トリポリ等の軍事行動であるという報道もある。
 確かに、この島を制圧すれば、ホルムズ海峡の安全は保障されることに繋がる可能性が高い。ただし、カーグ島に比べ、75倍の面積で、ここを制圧し、占領を維持することのコストは非常に高いであろう。15万人の住民の生命や生活を保障することも大きな課題になってくる。

 ゲシュム島は、東側の先端にある**ケシム・シティ(Qeshm City)**に人口の約3割が集中しており、バザールが開かれ、商業・観光の拠点である。そこから西へ向かうほど人口密度は低くなり、 UNESCO世界ジオパークにも指定されている広大なマングローブ林や塩の洞窟、奇岩地帯へとなっている。イラン革命防衛隊(IRGC)の「地下ミサイル都市」や高速艇基地が、この地区に隠されている可能性が高い。
 米軍にとって、この東部の生活領域と切り分けて、軍事拠点をいかに効果的に攻撃、粉砕できるかが、ポイントになってくる。パランティアのMaven(下述)の解像度、解像速度によれば、完全に不可能ではない。

④新世代兵器Mavenについて
 
ここで、ピーター・ティール氏による、Maven(ヘブライ語の「理解する者(mevin)」が語源であり、「知識が豊富で熟達した人」を指す)という最新兵器について、紹介しておこう。
 Maven(正式名称:Maven Smart System / MSS)は、かつてペンタゴンが開始した「アルゴリズム戦争」プロジェクトをパランティアが引き継ぎ、完成させたAIプラットフォームである。
 従来、衛星画像やドローン映像から標的を特定し、攻撃を決定するまでには数時間から数日を要していたが、Mavenは150以上のデータソース(画像、電磁波、SNS、位置情報など)をAIで統合・解析し、このプロセスを「数分から数秒」へと短縮した。核兵器、ステルス技術に続く、米軍の圧倒的優位性を示す新型兵器でもあり、すでに、ウクライナ戦争、ベネズエラ侵攻=大統領捕縛、イラン最高指導者の殺害という実績を重ねている。特に、今回のイラン作戦では、イスラエルのモサドが長年かけてハッキングし蓄積してきた「テヘラン市内の全交通カメラの映像」と、衛星データ、電磁波、個人のスマートデバイスからの信号を統合解析した。また、ハメネイ氏本人だけでなく、その家族、護衛、補給車両の動きを数ヶ月にわたって学習し、「いつ、どの建物に、誰と一緒にいるか」という確率論的な予測モデルを構築していたとみられる。世界の独裁者たちは、今とてつもない恐怖感に襲われているであろう。
 では、Mavenは、ホルムズ海峡逆封鎖作戦でどのような能力を発揮するであろうか。
 イラン革命防衛隊が得意とする小型高速艇の「スウォーム(群れ)戦術」に対し、Mavenは船体の喫水(沈み具合)から爆薬の有無を見抜き、エンジン音や操縦者のバイオメトリクス(緊張度)を解析。100隻の群れの中から「本物の脅威」を瞬時に特定し、自動的にロックオンする。民間漁船に紛れるゲリラも、過去数年分の航行データとの照合により、その不自然な動きを秒単位で暴かれる。
 占領されたカーグ島は、このMavenの巨大な地上基地となる。軍事衛星のSAR(合成開口レーダー)を用い、浅瀬や入り江を24時間監視。米海軍の無人艇(USV)や水中ドローン(UUV)に自動命令を発し、海峡を完全に制御下に置く。人間の司令官は、大型モニターでその「知能による制圧」を眺めるだけで済むのである。
 ゲシュム島の攻撃、占領、居住地区の保護にも、Mavenは効果的、効率的に機能を提供するであろう。Mavenが島民の多い東側を「PROTECTED(保護)」とし、西側の軍事拠点を「LOCKED ON(ロックオン)」しているという、『軍民分離(Military-Civil Separation)』を完成させる可能性が期待できる。従来の絨毯爆撃や、それに続く島内での泥沼の地上戦が回避できる。

高市・ティール会談 3月5日

⑤強襲揚陸艦トリポリの使命
 
佐世保に前方配備されていた、強襲揚陸艦トリポリ(4.5万トン)が、3月14日佐世保港を出帆し、沖縄で2500名の海兵隊員(第31海兵隊遠征部隊)を載せて中東に向かった。18日現在マラッカ海峡を通過しており、あと数日で、中東地域に到着し、すでに現地に展開している航空母艦「ジェラルド・R・フォード」や「エイブラハム・リンカーン」の打撃群と合流する予定である。

強襲揚陸艦トリポリ
オスプレイと最大20機のステルス戦闘機F‐35Bが搭載できる
第31海兵隊遠征部隊の訓練 沖縄で


 強襲揚陸艦には、次の2種類がある。
LHA (Landing Helicopter Assault): 航空運用能力(ヘリコプターや垂直離着陸機)に特化した強襲揚陸艦。
LHD (Landing Helicopter Dock): 航空運用に加え、艦尾にウェルドック(発進口)を持ち、ホバークラフト(LCAC)などによる重装備の上陸も可能な多目的型。
 トリポリは、最新鋭のLHAタイプ(米国は2隻)で、最新鋭ステルス機F-35Bで空を支配しつつ、同時に垂直離着陸機オスプレイ(MV-22B)を用いて、第31海兵遠征部隊(31st MEU)を敵を文字通り水陸両用で強襲する。揚陸艇を出すウェルドックはついていない。海兵隊が上陸するときは、オスプレイを使う。米海軍が保有する航空運用特化型の希少なアセットである。
 トリポリの任務は、もちろん公にされていないが、トランプ政権の選択肢: ウォール・ストリート・ジャーナルなどは、トランプ大統領が、カーグ島を制圧する選択肢を検討していると報じている。3月13日(現地時間)には、米軍によるカーグ島の軍事目標に対する大規模な空爆が実施された。これは、上陸作戦を妨害するイラン側の対空ミサイルやレーダー、機雷保管庫などを無力化するための「露払い」である可能性が指摘されている。すでに、石油インフラが無傷のまま、弱体化された守備兵が駐留している状態にあるのだろう。
 また、一部の米議員は、島を確保しても本土への本格的な侵攻でない限り「地上軍の派遣(boots on the ground)」には当たらないという見解を示しており、政治的なハードルを下げて作戦を正当化しようとする動きもある。この作戦は本土侵攻ではない『島嶼接収』であり、米国民が嫌う『終わりのない泥沼の地上戦』には当たらないということだろう。つまり、この作戦は、政治および経済の最小のコストでイラン革命防衛隊の財政大動脈を断ち切る効果がある。ホルムズ海峡の戦闘以前に、イランは国全体として限りなく「無条件降伏」の淵に立たされる。トランプ氏は、厳しい条件を突きつけて、トランプ氏の眼鏡に叶う政権への交代を要求するであろう。
 カーグ島はイラン本土に近く、イラン側もドローンやミサイルで激しく抵抗することが予想される可能性がある。ただし、このカーグ島の戦闘が、今回のイラン戦争の最後の戦闘となろう。トリポリがカーグ島に上陸して果たしてから10日以内に決着をみるであろう。
 ゲシュム島では、まだ、隠された基地は破壊されていない。西部の革命防衛隊の軍事拠点完全制圧までには時間がかかるであろう。しかし、この区域が米軍の管理下に置かれれば、戦争全体の終結・停戦協定の如何に関わらず、ホルムズ海峡の安全は、確実に担保されよう。

2.イランの『戦後』と日本

①イラン復興計画

カーグ島占領が、イラン戦争終結の条件で、強襲揚陸艦トリポリがそのカギを握るとのシナリオが正しければ、早ければ3月の下旬に、『戦後』が見えて来よう。3月下旬と言えば、トランプ大統領と中国の習近平主席が北京での会談が予定されていた時期である。トランプ氏側は、1ヵ月ほどの延期を申し入れた、と伝えられている。
 4月下旬に、この会談が開催されると、トランプ大統領は、かなり有利な立場でテーブルに着くことができよう。中国は、原油の全輸入量の10数%をイランから格安で輸入している。米国は、ベネズエラに続き、イランという、中国のエネルギー生命線を抑えつつある。これがトランプ政権の真の狙いであろう。中国が台湾進攻に踏み切るハードルもさらに高くなってきた。
 さて、3月19日には、ワシントンで、日米首脳会談が開催される。この会談は、新しい日米関係、日米同盟を再定義する可能性がある。それは、日本が主体的に世界の秩序を構築していこうとする動きである。
 高市氏は、3月18日の国会答弁で、米国側には、「法律に従い、できないことはできないと伝える」「現時点で艦艇の派遣は予定していない」と、軍事的な支援には慎重な立場を崩さなかった。同時に、法的に可能な範囲で日本がどのような貢献ができるか、検討を続けていると説明した。
 高市氏に期待したいのは、状況をチャンスに変える、彼女の卓越した能力である。成長投資、危機管理投資、世界の課題解決を成長の力に、・・・高市フレーズがここでも呼び起こされる。イランの『戦後』は日本の大きなチャンスであろう。経済復興、インフラ整備、水資源やの農業環境の整備、新しい鉱物資源の開発、など、これらは、高市氏が打ち出した『17の成長分野』とオーバーラップする。そして、イランの『戦後』に大きく関わることで、重工業、電機、電力設備、港湾事業、資源開発、建設、水処理、などなど、日本企業の開発力・成長力は、AIの新技術を基盤に飛躍的に高まっていく可能性がある。

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 想い起せば、日本も、イラン(ペルシア)も、東西の古い文明国である。歴史を紐解けば、奈良時代の日本(平城京)にはすでにペルシア人が住んでいたという記録がある。シルクロードの終着点である日本には、ペルシアの知性、芸術、が古くから流れてきた。
 日本も、80年前は米国の苛烈な空爆を受け、現在のイランとは比較にならない規模の犠牲者を出した。そして、それまでの日本人は、『軍国主義』という非情な教条主義に支配されてきた。イラン人も、これまでは、イスラム原理主義という宗教至上論に支配されてきた。
 日本がイラン国民に寄り添い、イランの長く続いてきた経済停滞、今回の軍事的破壊破壊からの復興を援助できるか、ここは、イランの世俗化が条件となる。そして、これまで圧政を強いていた革命防衛隊の解体が不可欠である。この条件は、不透明で長期化する怖れもあるが、イラン国民の深層情理からは、宗教からの解放の『重力』が上回ってくるであろう。
 もうひとつ、日本がイランの復興に、資金や人的資源を投じる上で、経済的担保が必要になってきる。ここは、イランの石油や鉱物利権が裏付けになって来よう。日本とイランの共同利権である。日本とイランは、包括的経済協定を結び、リスクや苦労を伴うものの、日本はユーラシア大陸の心臓部に巨大な経済基盤を築くことになる。
 イランの経済復興は、日本のAI実装化技術が試されよう。AI技術によってイランの人々の生存コストが限りなく引き下げられる期待が持てる。日本の技術は、イランの焦土に『天国』を実現する潜在性がある。この挑戦は日本にも世界の人々に恩恵をもたらし、22世紀は『日本の世紀』になる。高市早苗という人物には、未来をポジティブに見透し、それを『物理的に』実現していく、特別な能力があるようだ。

②最後に 掃海艦あわじの派遣

 最後に、日本の掃海船の能力とその役割に言及しておこう。上述したように、高市氏は、トランプ氏との会談のまえに、「法律の範囲で、できる限りことを再検討する」と述べた。
 戦闘が継続している段階で、憲法上、護衛艦の派遣などの軍事行動はとることはできない。しかし、戦後であるならば、何らかの停戦協定が締結された後であるならば、ホルムズ海峡安全化に向けた世界的な貢献を実行する、建前もその能力も有する。
 日本の海上自衛隊の掃海部隊が世界トップクラスの技術と経験を持っている。1991年の湾岸戦争後、ペルシャ湾での掃海作業(「ペルシャ湾の掃海」)において、過酷な環境下で1発の事故もなく機雷を除去し、国際的に高く評価された。
 もっとも、期待されているのは、世界最大級の掃海艦あわじ(基準排水量690トン、全長67m)であろう。金属探知に反応しない「FRP(繊維強化プラスチック)製」の船体を持ち、イランが敷設する可能性のある高度な感応機雷に対しても有効である。磁石につかない「巨大なプラスチックの船」である。
 また、沿岸部だけでなく、水深の深い「深海」に仕掛けられた機雷も探知・処分できる能力を持つ。高性能センサー=VDS(可変深度ソナー)を搭載しており、海中の温度変化などで音が伝わりにくい層の下に隠れた機雷も見逃さない。水中ドローンや水中ロボットを発進して、危険な海域の調査を無人で行うことができる。
 アメリカ軍が、最強の強襲揚陸艦トリポリでペルシアの海の完全に平定した後、この最新の掃海艦がペルシア湾をきれいに掃除する・・・これは、日米同盟の再強化の証であると同時に、イランの戦後への『進水式』でもある。

 あわじ=淡路とは、日本の国生み神話の瀬戸内最大の島であり、この艦の平和的派遣は、新しい国生みの物語に繋がっていくことを希求していくこととする。

おしまい🐯🐲🦉GEMINI3に感謝する🙇‍♂️

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