「しちゃダメ」と思うたび、あなたはもっとしたくなる
「ピンクのふわふわのかわいいゾウさんを絶対に想像しないでください」
……さて、あなたの頭の中はどうなりましたか? もしかして、かわいいゾウさんでいっぱいになったりしませんでしたか?
実はこれ、私たちの脳のちょっと面白い仕組みと関係があるんです。
こんな人におすすめ
つい自分に「~しちゃダメ」と言い聞かせてしまう方
頭の中で同じことばかり考えてしまう方
もっと肩の力を抜いて、楽に考えられるようになりたいと思っている方
心の働きや、言葉が持つ力について興味がある方
※注釈
このブログはなるべく論文や参考書籍などの客観的な事実に添ってお届けします。個別の出典は記事中に[1][2]といった参照番号を記載しますので、根拠が気になる方は文末の出典一覧をご参照ください。
脳は「否定」を上手に理解できないんです
冒頭の「ピンクのゾウさん」の話、あなたはどうでしたか? 多くの方が、かえってゾウさんのことを考えてしまったのではないでしょうか。

これは、私たちの脳が「否定」を直接的に理解するのが少し苦手だからなんです。
「~しないで」と言われると、私たちはまず「~」の部分を強烈にイメージしてしまいます。 脳は否定の言葉を処理するとき、一度その対象を認識してから「これは違う」と打ち消す作業をするんですね。 だから、結局その「~」の部分が、頭の中に残りやすくなってしまう。
そして、一度意識したことは、その後の私たちの行動や判断に、知らず知らずのうちに影響を与えてしまうことがあります。これを心理学ではプライミング効果と呼んだりします。
「逃げちゃダメだ」
そう自分に言い聞かせているとき、実は脳は「逃げる」というイメージでいっぱいになっているんです。 否定すればするほど、その言葉があなたの思考をじわじわと支配していく。
しかも、ある研究によると、否定の言葉は対象のイメージを完全に打ち消せるわけではなく、少し和らげる程度の効果しかないそうです[1]。 だから「ケーキを食べちゃダメ」と思えば思うほど、美味しそうなケーキのイメージが頭から離れなくなったり。 「自分を責めちゃダメ」と考えるたび、なぜか責めている自分の姿をより鮮明に思い描いてしまったりするんです。
ダメだと思えば思うほど、私たちはそれをやってしまいたくなる。 それが、人間なのかもしれませんね。
さらに、別の研究では、否定的な言葉に触れると、私たちの脳の特定の領域が刺激され、ストレスや不安に関連するホルモンが分泌されることもわかっています[2]。
つまり、自分に「あれしちゃダメ」「これしちゃダメ」と言い聞かせることは、知らず知らずのうちに心と体に緊張を強いている状態なのかもしれません。
私も以前、大切なプレゼンテーションを控えていた時、「絶対に失敗しちゃダメだ」「緊張しちゃダメだ」と、まるで呪文のように自分に言い聞かせていました。 でも、そう思えば思うほど、なぜか失敗する場面ばかりが鮮明に頭に浮かんできて、夜もなかなか寝付けないほど不安が大きくなっていったんです。心臓の音だけがやけに大きく聞こえて。 今思えば、あれはまさに「ダメ」という言葉で自分自身を縛り付け、脳に「失敗」や「緊張」を強く意識させていた状態だったんですね。
今日から試したい「肯定語への置き換え」
では、このちょっぴり厄介な脳の仕組みと、どう付き合っていけばいいのでしょうか?
答えは意外とシンプルです。 「~しない」という否定の言葉を、「~する」という肯定の言葉に置き換えてみるんです。
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