続・あなたには何故薬膳が効かないのか

自分のタイプはちゃんとわかったはず。
そのための食材を選んで食べてみたものの、うまくいかない…。
やっぱり薬膳は合わない!

ちょっと待って。まだ早いです、その判断。
自分のタイプがちゃんとわかったとしても、次に食材をちゃんと選ばないといけないんです。

え?ちゃんと選んだよ。
私のタイプに合う食材はこれとこれとこれだって書いてあったもの。

そう思うでしょう。
しかし。
またしてもそこに落とし穴があるんです。
「自分のタイプ」が曖昧だったように、食材のタイプもざっくりとしか書かれていないことが多いのです。
似たような力を持つように見えるけど、実は結構大きく違ったり、真逆のタイプということもあります。

似たような力なのに逆のタイプってどういうこと?
と思うかもしれません。
じゃあ、どういうふうに判断すれば、本当にじぶんに合うものを選べるの?結局薬膳できないじゃん。
という声もありそうですね。

せっかくチャレンジしてくれた方に、諦めて欲しくないので、この記事では判断ポイントをご紹介します。メインの二つを紹介しますね。それは

  • 四性を見なかった

  • 帰経を見なかった

です。

四性を見なかった

四性と帰経って何?という方は、こちらの記事を参照してください。
食材のチカラというのは、「◯◯に効果がある」とか「△△で悩んでいる時に使う」とか、そういうものが有名です。が、その基盤にある四性五味帰経。
そのお悩みの◯◯や△△というのは、実は原因が違うことがあるんです。その原因ごとに合う食材や生薬があるわけです。でも、「効能」みたいなものは同じに見えます。
例えば、湿気にやられやすい、雨の日に体調が悪いよ、という場合。
この場合、「袪湿」というチカラをもつ食材を使います。湿邪という邪気をはらうんですね。
ところで、湿気・湿邪というものは、乾燥のエネルギーである燥気と対のイメージがあると思います。そして、五邪の中には他に、熱邪・寒邪があります。この二つは対になっています。つまり、湿気は単に水っぽいものということであって、それがあたたかいか冷たいか、という点では、どちらもあり得るわけです。
つまり、「袪湿」したい時、そこの温度(物理的な温度ではない場合が多い)は熱いのか冷たいのか、も考える必要があるのです。
体の中が熱帯雨林気候みたいになっていたり、お湯の袋がチャプチャプしている状態だったりするならば、四性としては「寒涼性」の袪湿のものを使う。
逆に、いつも冷え冷えで、湿邪はすぐに結露しそうな状態だったら、四性は「温熱性」の袪湿を使う方がいいわけです。
メインでしたいことは湿邪をはらうことなんですが、寒熱の方向性も大事。
これが逆むきになっているせいで、湿邪は祓えているのに自覚症状が悪化しているということもあります。

帰経を見なかった

「帰経」という概念は、科学の栄養学ではあり得ないものだと思います。
よく俎上に上がる「コラーゲンを飲んだら皮膚がぷるっとするのか」問題。科学の医師たちは全否定派が多いですよね。消化機能でコラーゲンはアミノ酸にまで分解されるから、それが皮膚に到達してまたコラーゲンとして再構築されることなんてあり得ない、というわけです。
ところが薬膳の世界というか中医営養学では「以臓補臓」という考え方があります。何かの臓器が弱ったらその臓器を食べれば元気復活するよという単純明快な理屈です。つまり、肌の弾力を取り戻したいなら肌を食べればいいじゃん、ということ。コラーゲンを体に補給したいならコラーゲンを摂ればいいじゃんという話になります。
帰経はこれとは少し違うかもしれませんが、「栄養素」という概念がない薬膳の世界では、食品ごとに「影響を与えやすい臓腑」というものがわかっていることになっています。
で、これが少しずれていると、薬膳の効果が薄くなる場合があります。

 ちょっと一般的なイメージで話をします。
 足が冷えているという時に頭を温める人は少ないですよね。鍼治療やお灸などで、患部から離れたツボに処置をするパターンはありますが、それは目に見えないだけで「経絡」という気の通り道が繋がっていたりするからです。
 一般的に、冷えがあればそこを温める。
 これと同じで、何らかの症状が出ていて、その原因が「気虚」というエネルギー不足だったとします。じゃあ気を補う「補気」の力を持つ食材を食べてもらえばいいね。単純だ。となるのですが、「全身に気を補う」というものは少ないわけです。そして、全身の気を補うよりもピンポイントで弱っている臓腑に補気をする方が効果が出やすいことがあります。
 ピンポイントで補わない、ずれている、というのは例えば、心の臓が弱っているのに肺に元気を補うようなことです。
 一所懸命に「補気」をしているのに、場所がずれている。
 これも薬膳が効かないという時にありがちな状態です。

 いかがでしょうか。
 ちゃんと臓腑までピンポイントで見ることができているでしょうか。
 逆に四性や帰経しか見ていなかった、というオチがつくパターンも想定されますが…。
 私には薬膳は合わないんだと諦める前に、今一度、しっかり弁証してみてくださいね。もしくは専門家に弁証してもらってください。
 それではまた。


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