聞くか迷った時点でもう聞いていい
「これ、聞いていいのかな」
新人の頃、私はこの言葉を一日に何度も心の中でつぶやいていました。
「分からなかったら聞いてね」と言われているのに、聞くたびに勇気が必要で、聞けない自分を責めてしまう。
これは、そんな聞けなかった私が、ある一言に救われた話です。
「分からなかったら聞いてね」の呪文
新人看護師の頃、必ず言われるこのセリフ。
「分からなかったら聞いてね」
優しい。天使。ホワイト。
…のはずなんですが、これがなかなかの曲者。
だって実際は、その「分からない」が、もう分からない。
しかも指導者は忙しそう。
ナースコール鳴ってる。
「これって聞くほどじゃないよね?」
「今じゃなくてもいいかな…」
そうやって自分の中で会議を開いているうちに、時間だけが過ぎていく。
聞いたら聞いたで始まる質問攻め
勇気を出して聞いた日のこと。
私:
「すみません、ここが分からなくて…」
指導者:
「ちゃんと調べてきた?」
「どこまで理解してる?」
「どう理解してるの?」
…え?
今、口頭試問始まりました?
「分からなかったら聞いてね」って言ったの、あなたですよね?
と心の中で小さく叫びながら、しどろもどろで説明する私。
これ、全国の病院で同時多発してる看護師あるあるだと思っています。
忘れられない一言
そんな私に、2年目の先輩看護師がこんな言葉をかけてくれました。
「分からないことがあったら、じゃなくて聞くべきか迷った時点で聞いて」
あぁ…神。
聞くか迷う=もう不安がある状態。
その不安を放置する方が、よっぽど危ない。
しかもこの先輩、聞いたあとに詰めない。(ここ大事)
一緒に考えてくれる。
「じゃあ次はこうしようか」と言ってくれる。
聞くことが、怖くなくなりました。
「ちゃんと調べてきた?」の本当の意味
今なら分かります。
あの「ちゃんと調べてきた?」は意地悪じゃなくて、思考を止めないための問いだったんだなって。
でも当時の私は
「聞いたら怒られるかも」
「できないと思われるかも」
そんな不安の方が勝ってしまう。
でも実際は、分からないまま進める方が、よっぽど怖い。
看護はチームプレー。
独りで抱え込んでヒーローになる競技じゃない。
この言葉を境に「聞く」ことへのハードルが、ぐっと下がりました。
私の中の聞きづらい税が免税された瞬間です。
迷ったら聞く。詰めない。これ最強
気づけば、私も指導する側になりました。
そして、こう言っています。
「聞こうか迷ったら聞いてね」
そしてもう一つ、心がけていること。
聞いてきた人を、尋問しない。
理解度を確認することは大事。
でも、安心して聞ける場所であることは、もっと大事。
看護は一人で抱え込む仕事じゃない。
迷ったら聞く。
聞かれたら受け止める。
あの時、先輩が「聞くべきか迷った時点で聞いて」と言ってくれなかったら
私は今も、心の中で会議を開き続けていたかもしれません。
まとめ
今日もどこかで「これ聞いていいのかな」と悩んでいる看護師さんへ。
その迷い、もう十分がんばってる証拠です。
迷ったら、聞いていい。
むしろ、聞いてくれる方が安心する。
迷いながら黙られるより、一緒に考えられる方がずっといい。
それは甘えじゃなくて、責任です。
そして私は今日も、自分に、後輩に、同じ言葉を使っています。
