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【週刊お嬢さまプロレス】Number143ですわーッ!!!【樋口和貞さん引退号】

【新日本プロレス】
 カラム・ニューマンさんがIWGPを取りましたわ。最年少戴冠を強調する向きがありますけれども、急所攻撃絡みなので、最後の部分でケチがつきますわ。普通スポーツで急所攻撃絡みで勝ちなんてことになったら、実力ではないハリボテの勝利と言われてしまいますわ。これの何が最年少戴冠として価値ありますの???若さではなくて汚さで勝ったのですからケチしかつかないでしょ。勝ったニューマンさんも、負けた辻さんも、復活したばかりのIWGPヘビー級も価値が下がりましたわ。

 これ、例年だったらね、単なるカラム・ニューマンさんの失敗で済みますし、IWGP世界王座の黒歴史で済みますわ。まぁ、それでも大惨事なのですけれども、今回は違いますのよね。IWGPヘビー級に戻ったばかりですし、ウルフアロンさんの入団・デビューがあったばかりなのですわ。

 ウルフアロンさんはオリンピック金メダリストですわ。そのウルフアロンさんがプロレス界にせっかく来てくれた今、例年よりも新規ファンや出戻りファン流入に期待できたはずでしたわ。しかしそのチャンスが潰れてしまいましたわ。ウルフアロンさんの存在で経済圏を作るまでには至らなかったことは痛恨の極みですわ。

 これウルフアロンさんご本人に問題があったのではなく、売り出し方に問題があったのですわ。何が問題だったかというと、まず、今の新日本プロレスじたいの座組みのせいですわ。

 どういうことかと申しますと、今回のカラム・ニューマンさん vs 辻陽太さんでもそうなのですけれども、レフェリーに激突してダウンさせての乱入介入し放題や、レフェリーのブラインドを突いて急所攻撃という、昭和のよくないところの結晶体のような部分を、大事な試合の山場に持ってくる古いセンスがビッグマッチやタイトルマッチで横行する現状と、ウルフアロンさん爆誕によってプロレスに引っ張れたはずの新規ファンたちの価値観が噛み合わないことのマズさなんて明らかですのに、それに気づかず低迷を認識できていない界隈が本当にヤバいのですわ。

 世間の方々はね、WWEをチラ見して鼻で笑う方が8割9割ですわ。でね、WWEのRawはNetflixで観れるようになりましたけれども、視聴率ってどうなったかご存知???プロレスファンの何百倍も視聴者がいる、新規ファンを獲得できるはずのプラットフォームが加わった格好ですのに、2ヶ月で56%減少ですわ。600万人いた視聴者が300万人を割るのが当たり前になっていますわ。

 これが今のプロレス界のぶっちぎりNo.1団体の現状ですわ。地球規模で放映されているWWEは、お金を生み出す上手さこそあれ、視聴者数では、1980年代の日本という島国の新日本プロレスの視聴数よりも少ないところで低空飛行を続けているのですわ。

 我々のプロレス界隈というのは、WWEのエンタメをチラ見して鼻で笑う方が8割9割の世界の中で、残りの1割2割の変わり者たちのコミュニティであるという認識がまず必要だと思いますわ。そしてこれを打破するには、エンタメをエンタメだと開き直って見せるのを入口(第1フェーズ)に持ってくるやり方ではダメなのですわ。根本から間違っていますの。

 日本国内のファンを本当に増やしたいのであれば、エンタメをスポーツとして見せて、全力でごまかす方法でないと。ザックリ書くと、80年代的な、「日本のプロレスはアメリカとは違う真剣勝負だよ」という方向性、勝負論あるものを入口(第1フェーズ)に持って来て、その中で賢くなる方が見つけるエンタメを次の楽しみ方(第2フェーズ)として置いておいて、メタい楽しみ方も存在するよねという多層構造にしなければ、プロレスの現状に風穴は開かないのですわ。ここ25年ほどのWWE天下、第1フェーズだけで何とかしようとして世間に響かなかった歴史を見れば、今のプロレスの手法では逆転の可能性が極めて低いと断言できますわ。

 これを認識しましたらば、今の新日本プロレスの方向性がちぐはぐなこと、ウルフアロンさんのデビュー戦の座組みが、レフェリー激突、乱入、介入と何でもありのエンタメだったことそのものがまず悪手であったことが理解できますし、この試合がきっかけとなって、対戦相手のEVILさんが新日本プロレスを退団し、WWE入り濃厚だという報道がされていることを見るにつけ、金メダリスト相手に乱入介入でプロレスで負けたとなると、EVILさん的には、今の時代だとデジタルタトゥーになりますし、得なんてありませんわ。曙さん vs ボブ・サップさんを観て「曙スゲェ」なんて言います???言わないでしょ。負けたのですから。乱入介入しまくって負けたら、世間はもっと見下しますわ。それを「EVILスゲェ」なんて言っても、凄いと思わせる説得力を生む語彙力なんて持ってる人そんなにいないじゃないですか。なら入口でメタい売り方しちゃダメですわ。プロレスに対する接し方がまず捻じれた構造にあるのはしんどいことですわよ、選手にとっては。こうなると、選手の自分の守り方も、メダリストじゃない、もっとソフトな相手に同じことをしてギャラをもっともらえるWWEに転出する、みたいになるのは当たり前なので、こういった転出を防ぐには、新日本プロレスが変化せねばなりませんわ。何でしたらばファンも。

 新日本プロレスというお名前でプロレスをする以上、新日本プロレスのプロレスラーはエンタメの演者ではなく、スポーツの選手だと思ってもらえるタイトルマッチとファイトスタイルに変えないと。すなわちストロングスタイルと言われる戦い、タイトルマッチは厳かなものだという空気を作り上げる運営にならねばならないと思うのですわ。バカみたいな試合したら没収試合にして、認定証を社長が破り捨てないと。そうやって世間を巻き込んで行かないと、タイトルマッチの意味も価値もありませんわ。

 こんなの、考えなくても分かることだと思いますけれども、これを考える人がわたくし以外に観測できないのが本当にヤバいと思う次第なのですわ。

 新日本プロレスはそもそも普通のプロレスではなく、1970年代当時の職業格闘界隈に爆誕した侵略者だったのですから、何を他の団体と同化しようとしているのかと。そういう建て付けで新日本プロレスは出来ていませんから、普通のエンタメプロレスやろうとしていることが、そもそも間違いなのですわ。何も昔と全て同じにしろとは言いませんわ、しかしせめて先輩方が「新日本プロレスは他のプロレスと違う」と誇りに出来た部分を、わたくしたちにも最低限与える義務が新日本プロレスという名前にはあるとわたくしは考えますし、それが出来ないのであれば、団体名を変えてほしいですわ。新日本プロレスの魂を売るのであれば、名称を使っちゃダメですわ。そんなの歴史に不誠実じゃないですか。PRIDEだってDREAMとかRIZINに名前変えてるじゃないですか。違うものやるならば、違う名前でやるべきですわ。そしたら縛りなんてないのですから。ブシロードプロレスとかにしたらいいのですわ、団体名。親会社さまに強固にぶら下がる為にも。スターダムがブシロードの直接連結子会社に戻った今、新日本プロレスだけ連結を外されて独立させられる可能性がある今のままじゃ不安ですし。まぁ、諸説アリということで。

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