#12 (本編第二部: 第5章): 偏った確率を採用した僕のレバナス TQQQシミュレーションモデル、ABC-K6モデルの算数式…”ε “と”j1 , j2 “の解説
前回までの記事(#9, #10, #11)では、K6モデルにおいて、
• 一定期間内の値動きの方向と大きさを決める
α(幸運/不運の偏り)
• 同一方向のαが続いたときに発動する
β(偶然の連鎖)
• 「運の質的階層」に該当するパラメータ
γ(ガンマ)
δ(デルタ)
を解説してきました。
今回は残りのパラメータ、εとj1、j2について紹介します。
◯ TQQQの価値を保有中に減損させるコスト - ε -
TQQQのようなブル型レバレッジETFは、経費率(年率)がノンレバレッジ型ETFと比較して概ね2倍以上高くなります。
例). QQQ:TQQQ=0.18 : 0.82 (%)
しかし、レバレッジ型ETFには商品に明示されない隠れたコストが存在します。
それが日次リバランスを伴う” ボラティリティ• ドラッグ(劣化)”と呼ばれるものです。
⭐︎ レバレッジ型ETF特有のボラティリティ•ドラッグ(以下、ボラ劣化)
一般にレバレッジ型ETFが長期保有に適さない理由を説明する際に、ボラ劣化が引き合いに出されます。
ボラ劣化は大雑把には、基準になる指数が小刻みにアップダウンを繰り返すレンジ相場が継続すると、レバレッジ型ETFではマイナスの複利効果が増幅されてレンジ相場の最中に価値(評価額)が自然と減損すると説明されます。
以下に、レバレッジが2倍を例に簡単な算数式で書いてみます。
基準指数に連動するノンレバレッジ型ETFが元本が100、日次値動きが▼5.0%→△5.27%とした場合
ノンレバレッジ型ETF評価額推移
100.00→95.00→約100.01
しかしレバレッジ2倍型ETFでは、日次の値動き率が2倍に増幅されるため、▼10%→△10.54%となります。
その場合、
2倍レバレッジ型ETF評価額推移
100.00→90.00→約99.49
ノンレバレッジ型ETFでは値動きがアップダウンした結果、元の評価額に戻るに対して、レバレッジ型ETFではアップダウンした結果が元の評価額に届きません。
このような元指数が一定範囲内でアップダウンを繰り返すレンジ相場が長期化した場合には、レバレッジ型ETFの評価額は減損額が自然と増えるため、レバレッジ型ETFではボラ劣化をコストとして僕の算数式ではεに内包させています。
実際、僕の算数式のαではサイコロの抽選によって週次の値動きが無い1が選択される場合、ボラ劣化による評価額をεによって自然に減損されるようになっています
僕のK6モデルでは、このεを「市場が横ばいであること自体がコストになる」という、レバレッジETF特有の時間的摩耗として扱っています。
◯ “非合理的”に揺らぐ運、j1とj2
僕の算数式の中で、やや異質なパラメータがj1とj2になります。
今まで紹介してきたα、β、γ、δ、εはTQQQの評価額の動き方を僕の主観で構造要素に分解して設定したパラメータであり、それらの役割を僕は説明できますし、作為的な設計意図などを潜めたパラメータになります。
でも、j1とj2を一言で言うと…僕の最新バージョンの”ABC-K6αA”では僕の設計意図の外側で非合理的に運が揺らぐ要素として、これらは異質なパラメータとして算数式に組み込みました。
正直、j1とj2は無くてもTQQQぽい時系列のレプリカを生成できます。
ただし、それは僕の設計意図に沿って「何となく、それっぽい」だけであって、実際の株式市場で感じる“理由の分からないブレ”や“説明不能な違和感”までは再現できません。
株式市場の値動きは、時として非合理的であり、説明が困難な運的な要素で複雑に揺らぎを伴っているようにも僕は感じています。
そこで僕は算数式に独立して揺らぐパラメータ、j1とj2を組み込みました。
j1は算数式の前半部分、直接的にはαが関わる部分を独立したサイコロの出目抽選によって1±数%の係数が与えられます。
j2はBig Eventが発生時に、δを独立したサイコロの出目抽選によって1±数%の範囲で揺らぐ係数を与えられますが頻度分布と揺れ幅はj1と僅かに異なるようにしています。
j1とj2は、観測も定義も困難です。
それでも、無視すると生成される時系列データが、過度に僕が意図したTQQQぽさを演じようとする”作為感”が僕には透けて見えちゃいました。
そのため、あえて独立した揺らぎとして設計意図から解き離し、現実の株式市場のような乱流の中で生まれる無数のシナリオをナチュラルに再現する役割を与えています。
次回は、今までの要約をまとめながら、僕のモデルの設計思想や意図、特徴などを、再度おさらいしたいと思っています。
追記
僕の記事は特定の金融商品の推奨、または投資指南などを意図していません。
また、僕のモデルは僕の主観に基づき、構築した思考実験であり、学術的な検証などされていません。

