#13 (本編第二部: 第6章): 偏った確率を採用した僕のレバナス TQQQシミュレーションモデル、ABC-K6モデルの算数式 …時系列レプリカは、均等な確率で生成されているか?
#12の記事にて、僕は
「今までの要約をまとめながら、僕のモデルの設計思想や意図、特徴などを、再度おさらいしたい」
と書きましたが、ABC-K6モデルを改めて眺めているうちに、どうしても素朴な疑問が湧いてきました。
今回はその疑問を、先に書き留めておこうと思います。
僕のK6モデルは、有限のパラメータセットと抽選確率の範囲から構成されています。
理屈の上では、週次の変化量を
「どのような変化が、どのくらいの頻度で出現するか」
という観点で、すべて網羅したカタログを作成することも可能です。
つまり、生成される時系列レプリカの一つ一つに対して、「どのくらい起きやすいか」を有限・可算な範囲で計算分類できる構造になっています(もちろん、計算機の能力には大きく依存します)。
流石に、僕のiPhone13の能力では、週次単位の変化量を確率頻度別に分類したカタログ作成は、僕の有限時間内に厳しそうでした。

上記のグラフは、以前の記事で紹介したものです。
同一のパラメータ・同一のルールで生成した 1,000 本のレプリカ時系列を CAGR 順に並べ、
上位 75%、50%、下位 25%、10%、5%、そしてワーストの計 7 本を選び、代表例として描画しています。
ここで、僕の中に違和感が生まれました。
同じパラメータ、同じルールで 1,000 本のレプリカ時系列を生成すると、
つい僕たちは
「1,000 本はすべて同格で、CAGR 順位も均等に出現している」
と感じてしまいがちです。
つまり、
• 上位 20% に入る未来も
• 中央値付近の未来も
• 下位 20% の未来も
どれも同じくらい“均等に起きやすい”のではないか、という前提を、無意識のうちに置いてしまいます。
しかし、K6モデルは時系列をレプリカ生成する過程で履歴参照を持ち、さらに Stall (値動き無し)や Big Event のような低頻度イベントも内包しています。
この構造を考えると、生成された 1,000 本が「本数としては平等」であっても、CAGR の順位そのものが、確率的に均等であるとは限らないのではないか──
むしろ、不均等の方が自然なのではないか、と感じるようになりました。
言い換えると、レプリカされた時系列について、
• 「CAGR順位として何本出たか(見た目の分布)」
• 「その順位の未来がどれだけ自然に出やすいか」
この二つは、必ずしも同じではないかもしれません。
ここでは、まだ断定はできません。
ただ、この 「CAGR順位は本当に均等に出現しているのか?」 という問いは、僕のK6モデルを深掘りする上で避けて通れない論点だと感じています。
生成規則が履歴依存である以上、各パスの生起確率 が一様分布になる保証はありません。
その結果として、順位空間そのものが歪んでいる可能性は、十分に考えられます。
現時点で初歩的な分析を進めた範囲では、時系列レプリカの CAGR 分布において、「中央値付近の順位」と「確率的に密集している順位帯」との間に、乖離が生じていることを示唆する結果が出始めています。
このように、まだまだ僕のK6モデルには数理的に未解明な部分が残っています。
一方で、僕のK6モデルを資産運用上の「姿見鏡(体験型シミュレータ)」として見た場合、暴落の深さや回復期間をさまざまな順位帯で自然に体験できる点は、僕たち自身の感情的な耐性を測る用途として、十分に意味があるとも感じています。
次回は、#0から#13までの記事を文字数を1/10くらいに圧縮した要約とともに、振り返りなどしたいと思います。
追記
僕の記事は特定の金融商品の推奨、または投資指南などを意図していません。
また、僕のモデルは僕の主観に基づき、構築した思考実験であり、学術的な検証などされていません。
