#9の補足 : 確率が偏ったサイコロを「2個セット」にすると、出目和の偶奇の偏りはどう変わるのか?
前回#9の記事で、おそらく以下の抜粋部分が直感的に分かりにくいかと思いましたので補足したいと思います。
◯ [幸運/不運の偏り] :α
まず最初のパラメータが α(アルファ) です。
αは、BES³の抽選結果によって決まる、その期間における基本的な成長方向と強さ を表す乗数です。
K6では、次のようなルールを採用しています。
• 異なる偏った確率を持つサイコロ A・B・C
• それぞれを 2個1組 にした
Aセット / Bセット / Cセット
この中から、どのサイコロセットを使うか を、上位階層にある「公正なサイコロ2個」による抽選で決定します。
まず、上位の公正なサイコロ抽選において、特定の出目条件では「株価変動なし(ゼロ成長)」とするルールを組み込んでいます。
公正なサイコロ抽選でゼロ成長に該当しなかった場合のみ、次のステップに進みます。
次に、抽選結果に従って選ばれた
確率が偏ったサイコロのセット(A / B / C)を使い、株価変動の 成長の方向性と割合 を決定します。
まず、偏ったサイコロ2個を振った結果、
• 出目の合計が 偶数 → プラス成長
• 出目の合計が 奇数 → マイナス成長
と定義しました。
第二部2章では、
K6モデルにおける「幸運/不運の偏り(α)」を生み出す仕組みとして、
確率が偏ったサイコロを2個1組で使うというルールを紹介しました。
今回はその補足として、サイコロ1個あたりの偶奇の偏りが、2個セットになったとき、どのように変化するのかを、できるだけ単純な例で説明してみます。
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まず、説明を分かりやすくするために、仮想的なサイコロを3種類用意します。
各サイコロの1個を振った際に、偶数および奇数が出る確率が次のように偏っているとします。
• Aサイコロ:偶数 70% / 奇数 30%(7:3)
• Bサイコロ:偶数 60% / 奇数 40%(6:4)
• Cサイコロ:偶数 50% / 奇数 50%(5:5)
ここでは、
「なぜその確率になるのか」は一旦考えず、確率の偏りがそう設定されているサイコロだと思ってください。
⭐️ サイコロ2個の出目を足した合計数(出目和)が偶数または奇数になるパターン。
サイコロを2個振ったとき、出目の合計の偶奇は、次の単純なパターンに分類できます。
• 偶数 + 偶数 → 出目和”偶数”
• 奇数 + 奇数 → 出目和”偶数”
• 偶数 + 奇数 → 出目和”奇数”
• 奇数 + 偶数 → 出目和”奇数”
つまり、
2個のサイコロが偶数または奇数同士なら「出目和は偶数」
2個のサイコロで偶数と奇数が混ざると「出目和は奇数」
になります。
① Aセット(7:3)を2個使った場合
Aサイコロ(偶70%、奇30%)を
2個1組で振った場合を計算してみます。
出目和が偶数になるケース
• 偶 × 偶
0.7 × 0.7 = 0.49
• 奇 × 奇
0.3 × 0.3 = 0.09
合計すると、
偶数になる確率 = 0.58(58%)
出目和が奇数になるケース
• 偶 × 奇
0.7 × 0.3 = 0.21
• 奇 × 偶
0.3 × 0.7 = 0.21
合計すると、
奇数になる確率 = 0.42(42%)
📌 Aセット(2個)の偶奇比率
• 偶数:58%
• 奇数:42%
② Bセット(6:4)を2個使った場合
同じ計算を、Bサイコロ(偶60%、奇40%)で行います。
偶数になる確率
• 偶 × 偶 = 0.36
• 奇 × 奇 = 0.16
→ 0.52(52%)
奇数になる確率
• 偶 × 奇 + 奇 × 偶 = 0.48
📌 Bセット(2個)の偶奇比率
• 偶数:52%
• 奇数:48%
③ Cセット(5:5)の場合
Cサイコロは、もともと偶奇が完全に均等です。
• 偶 × 偶 = 0.25
• 奇 × 奇 = 0.25
👉 偶数:50% / 奇数:50%
2個セットにしても、
偏りは一切生まれません。
ここが直感とズレるポイント!
この結果から分かるのは、サイコロ1個あたりの強い偏りを、2個セットにすると「偏りが弱まりながら残る」という点です。
• 7:3 → 58:42
• 6:4 → 52:48
• 5:5 → 50:50
「サイコロ1個の偏りが7:3なら…2個セットになると、もっと強く偏りそう」と感じるかもしれませんが、実際には 偏りは緩和されます。
なぜK6のBES³の抽選過程では「偏ったサイコロを2個1組」で使うか?、つまりK6モデルでは、この性質を意図的に利用しています。
• 偏りはあるが、極端ではない
• 勝ちやすさ・負けやすさが固定化しない
• 長期で見ると、揺らぎが自然に連なっていく
もし1個のサイコロだけで偶奇を判定すると、偏りが強くなりすぎて、モデル全体が不安定になります。
2個1組にすることで、「方向性を持った揺らぎ」だけを残す。
これが、K6における α 設計の考え方です。
この「弱く残った偏り」が、時間方向に連なったとき、思いがけない“流れ”を生み出します。
次回はβ(偶然の連鎖)について紹介する予定です。
