#10 (本編第二部: 第3章): 偏った確率を採用した僕のレバナス TQQQシミュレーションモデル、ABC-K6モデルの算数式…”β”の解説
前回までの記事では、K6モデルにおいて、一定期間内の値動きの「幸運/不運の偏り」を最初に数値化するパラメータ αについて紹介してきました。
今回は、その α が同じ方向に続いたときに何が起きるのか。
K6モデルの中で「偶然の連鎖」を数値化するパラメータ、β(ベータ)について紹介します。
◯ βとは何か
K6モデルにおける β は、値動きの方向そのものではなく、「同じ方向が続いた」という事実を数値化するパラメータです。
K6の基本構造を、もう一度整理すると次の形になります。
未来 = [今]
× [幸運/不運の偏り]
× [偶然の連鎖]
× [運の質的階層]
未来 = {今 × j1 × ( α × β × γ ) × j2 × δ } × ε
この中で、
• α :その期間に「上がったか/下がったか」と、その大きさ
• β :同じ方向が続いたことによる、ボーナス/ペナルティ
という役割分担になっています。
◯ αとβの関係
α は、
確率が偏ったサイコロセットの出目和から算出される、
• プラス成長
• マイナス成長
• ゼロ成長
のいずれかを取るパラメータでした。
一方、β は 単独では発動しません。
β が作用するのは、α が同じ方向に連続したときだけです。
◯ βは「連鎖長」に反応する
K6では、
• 同一方向の α が連続すると「連鎖」が発生
• 連鎖が長くなるほど、βの影響は強まる
• 反対方向の α が出た時点で、連鎖は終了
というルールを採用しています。
なお、重要な点として、”ゼロ成長は連鎖を切断しない”、という設計にしています。
これは、「値動きが一旦足踏みしただけで、流れそのものが変わったとは限らない」という直感をモデルに反映したものです。
◯ αの連鎖例
ここでは、
• △α :プラス成長
• ▼α :マイナス成長
• 0α :ゼロ成長
と表記します。
◯ プラス成長(△α)の連鎖例
2連鎖の例
(▼α)(△α1)(△α2)(▼α)
(▼α)(△α1)(0α)(△α2)(▼α)
(▼α)(△α1)(△α2)(0α)(▼α)
(▼α)(0α)(△α1)(△α2)(0α)(▼α)
など
3連鎖の例
(▼α)(△α1)(△α2)(α3)(▼α)
(▼α)(△α1)(0α)(△α2)(△α3)(▼α)
(▼α)(△α1)(△α2)(△α3)(0α)(▼α)
(▼α)(△α1)(△α2)(0α)(0α)(△α3)(▼α)
など
このように、
0αを挟んでも、同方向であれば連鎖は継続します。
尚、マイナス成長の場合は、上記の △ と ▼ を反転させるだけです。
◯βの計算方法
βの計算には、2つのパラメータを用います。
• K (幸運の連鎖) : プラス成長が連鎖したときの係数
• L (不運の連鎖) : マイナス成長が連鎖したときの係数
連鎖長を m(m ≥ 2) とすると、
⭐︎ プラス成長の連鎖
β = K^(m−1)
⭐︎ マイナス成長の連鎖
β = L^(m−1)
つまり、
• 連鎖が2なら 1乗
• 連鎖が3なら 2乗
• 連鎖が伸びるほど、指数的に影響が強まる
という設計です。
※ 指数部を(m−1)としているのは、1回目の成長は α に含まれており、βは「2回目以降に生じる連鎖効果」のみを増幅させる設計だからです。
◯ βが表しているもの
βは、「運が良い/悪い」という感情ではなく、”偶然が続いてしまった”こと自体の影響を数値化しています。
トレンドが伸びるときも、下落が止まらないときも、その多くは「方向が正しいかどうか」より「同じ方向が続いてしまったかどうか」によって、体感的なインパクトが決まります。
βは、その非線形な増幅効果をK6モデルの中に組み込むためのパラメータです。
次回#11では、「運の質的階層」を表すパラメータγとδについて紹介する予定です。
(追記)
僕の記事は特定の金融商品の推奨、投資指南などの意図はありません。
また、数式などは僕の個人的な主観および直感などを元にしているため学術的な検証などはありません。
あくまで「思考モデル」「比喩的な数理表現」として読んでください。
