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【小説版映画ドラえもん のび太の月面探査記】 読書感想文 #辻村深月の本全部読む⑲

辻村深月を語る上で「藤子・F・不二雄」、ひいては「ドラえもん」は欠かせない存在です。辻村深月を形作った存在がドラえもんであり、実際章タイトル全てがひみつ道具の名前の小説があったり、エッセイ集を書けば最初に藤子・F・不二雄やドラえもんへの愛を語る話がありました

そんな辻村深月が作ったドラえもん作品、とっても面白かったです、まず敵キャラの全てが単純な悪役キャラではなくて、かっこいい敵側もいたのが好印象でした。登場人物に愛着を持ちやすかったです。

なによりノビットやあのちっちゃいカメ(モゾ)みたいな伏兵が活躍する展開、大好きです。

異説クラブメンバーズバッジのトリック、光るコケの謎、エスパルの両親の言葉の謎、これらを作品に散りばめ、最後に丁寧に回収していくあたりは辻村深月のミステリ作家としての気概と気合を感じました

ドラえもんと侮るなかれ、僕は普通に最後泣いちゃいました、これめちゃくちゃ名作なのでは?映画版やばすぎるのでは?映画も見たくなりました。

(追記)
映画版見ました、最高すぎる、ドラえもんって素晴らしい、最高の映画、本当にありがとう


想像力は未来だ!人への思いやりだ!それを諦めた時に、破壊が生まれるんだ!

238ページ

ドラえもんが言ったこの言葉、いい言葉だな〜〜と思いながら読み進めてたら最後にのび太がこの言葉を回収してもう号泣、辻村深月、あんた天才だよ

【ドラえもんの世界と現代社会の類似点】

作中で破滅の道へ向かっていた「カグヤ星」が歩んできた歴史を、今の地球は同じように辿っているように感じます。2019年にこの解像度で人工知能の恐ろしさを描いている辻村深月はやっぱりすごいな

人間の能力を超える存在をわざわざ人間が生み出してるのって冷静に考えればマジで愚かだよな

せっかく地球という星でティアSの存在になれてるのに、わざわざティアSSSの存在を作って飼い慣らそうとしてるの、傲慢すぎる

カグヤ星はドラえもんがいたから救われたけど、ドラえもんがいない地球はどうやって救えるんだろうな

【「小説版」としての感想】

最高の作品だったのでU-NEXTで映画版も見たんだけれど、個人的には小説より映画の方がいいかな〜〜〜〜、小説版は映画のノベライズなので、ギャグ漫画特有のテンポ感は薄いし、多分漫画化ならまだいいんだけど小説だと笑いどころも笑いにくいかなって感じはした

「へえ〜」のび太が感心した様子で言う。驚いているのかと思いきや、次の瞬間、のんきな「たっぷり眠れてうらやましい!」という声がして、ドラえもんが「ありゃ!」とズッコケる。

33ページ

こことか、漫画なら2〜3コマでのび太の発言とドラえもんの動作を表せると思うんですけど小説だとどうしても冗長になってしまう

こればっかりは小説という媒体の性質だからしょうがない、映画や漫画を読まないと評価できないところだと思います

映画が最高なので、映画も観てほしいな、小説ももちろん最高なのだけれど

【さいごに】

辻村深月がドラえもん大好きなのは存じ上げていたし、だからこそ、その辻村深月が作るドラえもん作品がどんなものか、正直不安も少しありました。もし空回ってあんまりな作品になっていて、ドラえもん大好きな辻村深月先生が映画ドラえもんのファンから叩かれているのは絶対に見たくなかったので…

杞憂でした、マジで杞憂、やっぱり辻村深月って天才なんだ

最高の作品をありがとう、本当にありがとう

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