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【光待つ場所へ】読書感想文 #辻村深月の本全部読む㉒

「冷たい校舎の時は止まる」のメンバーのアフターストーリーや「スロウハイツの神様」、「名前探しの放課後」及び「凍りのくじら」のプロローグが詰め込まれた短編集で、形式としては「ロードムービー」と同じになっています

太陽の坐る場所とのクロスオーバーもありました、とっても盛りだくさんの短編集だった

第一章 しあわせのこみち

冷たい校舎の時は止まるの主要メンバーの一人「清水あやめ」のアフターストーリー。前作ではめっちゃ頭が良くて美術の才能がある天才として書かれていました

ただ、ガチで頭がいい人って自分より頭がいい人を知ってるから、それがたとえ東大でもそれ自体をアイデンティティにできないんだよな、中途半端に頭がいい人の方がその才能に縋って固執してアイデンティティにしようとするイメージ(俺もそう)

東大生が自分の頭の良さをアイデンティティと認められず、オンリーワンを目指しもがく姿は身につまされるところがあった。清水あやめがこんなに頭がよくて絵が描けて、そんな才能があるのに恋や友達といった普通の幸せを得られず、それらでも1位にはなれないというだけで悩んでいるのに、何にもない俺は何にも悩んでない
向上心が圧倒的に違う、恵まれた種族値に甘んじず、自分の人生に精一杯努力値を振ってる、偉すぎる、本当に。

清水あやめもいいキャラだったけど、本作初登場の田辺くんもめっちゃいいんだよな。田辺くんみたいな実力に裏打ちされた傲慢な人、みていて清々しいしこう言う人と仲良くなりたいよな
実力あるのに謙虚な人って、良い人と評価はされるんだろうけどなんというか飲みにいっても楽しくなさそう。
こう言う人と仲良くなりたいし、こういう人に影響を受けて自分自身も成長したい。

作中通じて、大学時代にしっかり努力した人の視点を垣間見ることができた。俺はサボりまくってたからとっても参考になった。

第三章 チハラトーコの物語

いつか、元気になったママが私を再び連れていくに違いない世界の話を先取りして話して聞かせるだけなのだ。

227ページ

凍りのくじらの先取り約束機の話を思い出して辛くなった。

コレを読んだ後スロウハイツを読み返すと、一緒に住むことになってるのも面白いし、喧嘩して家を出てるのも納得がいく
補完作品としてちょうどいいな

第四章 樹氷の街

「名前探しの放課後」のアフターストーリー、天木や秀人、椿、松永郁也など、あの話で最重要人物ではないけれどメインキャラだった人たちの話になっています。

椿が松永をどう思ってるか、秀人とどんな感じなのかが読んでわかるので、「名前探しの放課後」や「メジャースプーン」「凍りのくじら」とかを読んだ上でこの作品を読むとアフターストーリーとして楽しみつくせる話でした

天木の指揮者としての立ち振る舞いが俺の中高時代と重なる部分もあって、今更客観的に反省するきっかけになった

俺、伴奏者さんに負担かけちゃってたかもな

功利主義で現実主義な天木の立ち振る舞いは、筋が通ってるけどそれで傷つく人はいそう

と思ったら物語終盤で種明かし、なるほど、そりゃあの立ち振る舞いになるわな

100ページくらいの短いお話だけれど、種明かしもあって高校生の心の機微も描いててそれでいてクロスオーバーがたくさんで、完成度の高いお話だったな

さいごに

類似作品は「ロードムービー」になるのでそれとの比較になるんですけれど、個人的には「ロードムービー」の方が良かったかなあ、でもこの作品もとても良かった。

ロードムービーの方が種明かし要素としてクロスオーバーが使われているし、作品単体としてのドキドキワクワク感もロードムービー(の「雪の降る道」)の方が強かったかなって思いました

この作品が好みの人なら「ロードムービー」も好きだと思うのでお勧めしたいです。

次に読む本ですが、辻村深月全部読むシリーズも折り返しに入ってきたということで、あの、ファン評価一位と名高いあの作品を読みたいと思っています。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――

とってもファン評価が高いので、ショートケーキのいちごのように、取っておいてありました。読むのが楽しみです。

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