つながれては揺れる旅の感覚
坂を下り港へ至る
防波堤の向こうに水面がきらきらと揺れる。岸に
つなぎとめられた船。重なるロープに旅の記憶を
つないでいく。係留された船は、やがてエンジン
音を響かせて、祝祭が開かれる島への航路を進む。

海への道をひた走り

そっと止めては港にくくる

船をつなぐロープが

交差しては風景を区切る

線の連なりが、水面に

溶け込むように影を落とす

ロープがつなぐ旅の感覚
繰り返す海と島をめぐる旅と

港に揺れる旅の記憶

たゆたう水面に光が落ちる

桟橋から防波堤へと

重なり合う港の線分の
間を縫っては境界をたどる

ゆっくりと寄せては返す

波の間の港の向こう

船を待つ桟橋の

円を描く係留リングのその先に

ゆらめく島影

石垣の桟橋と

静かに波に沿う船

空と海を分かつ防波堤

つなぎ留められたロープが

解かれては、また旅が動き出す

目指すのは光の中に
揺れるアートの島

エンジン音がうなり、速度を増す船の振動に
海をめぐる旅が波打ち始める

芸術祭の青い幕に誘われ
祝祭の時を帯びる島を訪れる

港と港を繋ぐ船と

旅と旅をつなぐもやいに
島をめぐる記憶を重ね

海に浮かぶ石の連なりに

係留される白い船
旅の形を風景になぞり

宝伝港からの航路をたどり

島をめぐる旅を始める
島への旅を繰り返し、芸術祭が終わりを迎える頃、
瀬戸内の海をまた渡る。波をかき分けて進む船。
連なる振動が旅の記憶を震わせる。そびえる煙突
を目印に訪れた犬島で、旅の感覚を広げていく。
