快慶作💛不動明王「正寿院(風鈴寺)」50年に一度の秘仏は2040年公開【京都南山城シリーズ】
醍醐寺三宝院やアメリカの美術館にある快慶の不動明王より印象深い不動明王坐像である。ちなみに、この寺の本尊は50年に一度しか御開帳されないという秘仏の「十一面観音菩薩」が安置されているが、これはもう見仏できないかも(前回の御開帳は1990年だったので、次は2040年。)

毎年7月1日 〜 9月18日まで風鈴祭が催され京都の「風鈴寺」とも呼ばれる。
変更履歴
2025/08/23:50年に一度の御開帳
2023/07/06:初版
▼HP
▼アクセス
京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
▼本尊と脇時
十一面観音菩薩
※本尊は50年に一度しか御開帳されないという秘仏
▼見どころ
→由緒・歴史 ※2025年追加
717年:奈良時代、医王教寺(飯尾山医王教寺)の塔頭として正寿院が創建されたと伝えられる。
1200年(正治2年):医王教寺が廃寺となった後、その塔頭として再び正寿院が建立されたという伝承がある。
13世紀頃(鎌倉時代):仏師・快慶によって「不動明王坐像」が制作され、正寿院に安置される。
室町~江戸時代:本尊「十一面観世音菩薩」が秘仏とされ、50年に一度のみ開帳されるようになる。
1596年:僧・祐胤大徳により、戦乱や火災で荒廃していた正寿院が中興(再興)される。
1614年9月11日:中興の祖・祐胤大徳が遷化(死去)。
本堂内陣の天井画が描かれ、また寺子屋が開かれ多くの子どもが学んだ記録が残る。
2010年代以降:本堂客殿に「猪目窓(ハート型の窓)」が設置され、SNSなどで話題に。観光名所として注目を集める。
客殿の天井に、160枚の日本画天井画が完成。季節の花々や四神などが描かれている。
毎年夏(7月〜9月):2,000個以上の風鈴を吊るした「風鈴まつり」が開催され、「風鈴寺」として全国に知られるようになる。
毎月「8のつく日」:願掛けの結び紐「叶紐」が授与される。
写経、写仏、オリジナル数珠作り、ヨガ、お香作りなど、多彩な体験プログラムが提供されている。
2025年(秘仏「十一面観音」特別開帳):本尊の特別開扉が行われ、通常600円の拝観料に加え、菓子付きで1,000円の特別入場(本年限定)として実施された。
→境内へ


鎌倉時代頃に飯尾山医王教寺(現在は廃寺)という古寺の塔頭として創建されたと伝わる。

本尊は50年に一度しか御開帳されないという秘仏の十一面観音菩薩。そして鎌倉時代の名仏師・快慶作とされる不動明王もおられるという寺!!

夏に風鈴まつりが行われることから風鈴の寺とも呼ばれる名刹である。







参道から本堂へ向かう。後ろを振り向くとすっきりとした境内となっているが、本堂から眺めた景色はちょっと違う風景になるから面白い。


→本堂


内陣拝観すると和菓子がいただける!縁側に腰を下ろして頂く。本堂縁側に腰を下ろすとちょっとした庭園がある。車で来ないと無理なところに結構な参拝客がいるのにびっくりした。ゆっくり!まったり時間が過ぎて行きます。(コロナ禍以降はやっていないかも。2025年の秘仏公開時は無かったです。拝観時に瓦煎餅を頂きました。)

京都府宇治田原町は日本の緑茶発祥の地だけあって、参拝するとお茶とお菓子の接待がある。



もちろん、お茶は日本の緑茶発祥の地である宇治田原町産の茶。懐かしの乳ボーロとコンペイトウ!乳ボーロは「船はしや」の福だるまで、コンペイトウは「緑寿庵清水」のものです!!




→本堂:内陣拝観「快慶作・不動明王坐像@重文/十一面観音立像など」
後ろには快慶作「不動明王坐像@重文」ですね。本尊は秘仏の為、閉扉になっており、右側には不動明王立像がいるが快慶作の不動明王ではない。あれ??いない。。ということで寺の人に聞いたところ、現在、奈良国立博物 館・ぶつぞう館に寄贈されているとのこと。。orz
※2025年の御開帳時は里帰りしていました!!
本堂内陣の天井には、江戸時代に描かれた種字曼荼羅が描かれています。


2017年の奈良博「快慶展」ぶりの再会!!快慶作の「不動明王@重文」を持つ寺としても有名!!醍醐寺三宝院(私のNOTE)&アメリカの美術館に所蔵されている不動明王と激似。ただ、玉眼の赤身が強く、睨みの眼は鋭く迫力があることから一番不動明王っぽい感じがする。
京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149◆2017年の奈良博「快慶展」出展◆快慶作の「不動明王@重文」が安置されている。醍醐寺三宝院&アメリカの美術館に所蔵されている不動明王と激似。ただ、玉眼の赤身が強く、睨みの眼は鋭く迫力があることから一番不動明王っぽい感じがする。

正寿院に安置されている不動明王坐像は、仏師・快慶作と伝えられる鎌倉時代の仏像で、非常に貴重な文化財です。以下にその特徴を詳しく解説します。
🔥不動明王坐像の特徴
1. 作者:快慶(かいけい)
鎌倉時代前期を代表する仏師。
阿弥陀如来や観音菩薩像が多く、不動明王像は珍しい作例。
快慶の作風として、写実的かつ繊細な造形力があり、緊張感ある表情が特徴。
2. 形態
不動明王は通常「立像」が多いが、正寿院の像は坐像
五大明王と本尊を除くと不動明王坐像のは少数かと
憤怒相
不動明王らしい怒りの形相・忿怒であるが柔らかい表情
牙を上に1本、下に1本むき出しにする「上下牙(じょうげが)」で平安時代の特徴
両眉を寄せ、目を大きく見開いた強い眼差しで、煩悩を焼き尽くす力を表現
目は玉眼で、赤目になっているのが特徴
像高は約85cm前後(推定)も中型の坐像
右手の倶利伽羅剣で煩悩を断ち切り、左手の羂索で、迷いの衆生を縛って救済する
快慶特有の衣文線(衣のひだの彫り)が鋭く、深く、美しい
彩色はほぼ剥落しているが、部分的に朱や切金の痕跡が認められる
→2025年:50年に一度の御開帳
本尊の十一面観音と周辺の脇侍などを紹介します。
→本堂裏へ
本堂の裏手を一周する細い廊下には、風鈴が飾られています。角度によって色や光が変化し、キラキラとした幻想的な雰囲気が楽しめます。




船形の庭(庭園)
本堂の裏手には「船形の庭」と呼ばれる、こぢんまりとした苔庭があります。この庭は、「かつてこの地域が海だった」という伝承に由来し、石や苔で船の形をかたどっているのが特徴です。補陀落渡海を象徴する意図も込められています。
裏廊下には、「葡萄栗鼠図(ぶどうりすず)」というユーモラスな絵もあります。複数のリスが描かれており、数を数える遊びの要素も。ちょっとした楽しさが散りばめられているのが魅力的です。


新しいながらも襖絵が素晴らしく、見とれてしまった。ここの寺の特徴は写真大歓迎なところ。最近、伊賀・甲賀中心に京都でも写真撮影どうぞという寺が増えてきている気がする。(2025年の秘仏公開時は堂内写真撮影NGでした。)

→境内
ではお堂を出て境内ですね。
女性陣がしゃがみながら写真を撮りまくっている。境内には可愛らしい石仏?があり、これが「かわいい」らしい。三千院や嵐山の愛宕念仏寺辺りに行けば、もっと良い感じの写真が撮れるのにと思うのであった・・。





真っすぐ突き進む!!

→弁財天
正寿院の境内には、地蔵堂の横に弁財天の祠が設けられています。祠の中に弁財天が祀られており、財運招福や諸芸上達を願う人々から信仰を集める場所となっています。

→地蔵堂

地蔵菩薩を安置する
参拝者の安全祈願・先祖供養の場として親しまれている
比較的小規模ながら和風の伝統的建築様式で、趣のある佇まいを持つ
内部には地蔵菩薩像が安置され、奉納物や供物も置かれている


地蔵堂にはカラフルな紐が結ばれている。毎月8のつく日に拝観をすると「叶紐(かのうひも)」が渡される。願いが叶う紐といわれており、持ち帰るのもよし、地蔵堂に願いをこめて結びつけるのもよし!!


叶紐は表の結び目が示す「口」と裏の結び目が示す「十」で「叶」になることから、古来、縁起の良い結びとされています。散華とともにお守り代わりに携帯するか、境内の地蔵堂に結んで帰るのがよいそうです。
さて、地蔵堂は横から入れます!!





叶紐とは
叶紐はカラフルな紐で、願いごとを叶える力があるとされる縁起物
地蔵堂の柱や周囲に結ばれている
これを結ぶことで、祈願者の願いが地蔵菩薩に届けられやすくなると信じられている
結ぶタイミング
毎月「8のつく日(8日・18日・28日)」に地蔵堂を参拝すると、特別にこの叶紐を授かることができる
叶紐を手に入れて地蔵堂の指定された場所に結ぶことで、願い事が成就するとされている
意味と効果
願望成就の象徴
縁結びや健康祈願にも効果がある
色とりどりの紐は、願いの多様性と強さを表す
叶紐が結ばれることで、地蔵菩薩の力が増すと信じられている
→本堂から客殿へ!!





→客殿:稲目窓「幸せを呼ぶ窓」
まずは「客殿」について。
「稲目窓」として最も有名。客殿にある猪目窓は、特にSNSなどで「幸せを呼ぶ窓」として話題になりました
窓からは四季折々の景色が楽しめます
役割と用途
客殿は寺院の建物の中でも、参拝者や来客を迎えるための施設
正寿院の客殿は、法要や会合、茶会など多目的に利用される場所
格式ある和風建築として、訪れる人々に落ち着いた空間を提供する
建築様式
伝統的な書院造
畳敷きの広間や襖絵が施されている
襖絵は季節感を表現した日本画が描かれており、庭園と調和する趣を持つ





客殿にあるハート型の窓が「幸せを呼ぶ窓」として話題らしい!この窓は「猪目窓(いのめまど)」と言い 、日本古来からあるハート形に似た文様で、猪の目に似ているところからこの名が付けられたとか。


2018年から4月の桜の時期に夜間拝観が楽しめるようになった。この夜間拝観は抽選になっており、3月下旬にはがきで申し込みをする。妻が珍しく、落選したんですよね。。なので、昼に参拝した。桜満開は4月10日ぐらいかもしれませんね~。

同じ部屋の天井には、花と日本の風景をテーマにした160枚の天井画が描かれている。寝転ぶのも良し、縁側から覗きこむのも良し。






正寿院の「稲目窓(いなめまど)」について
稲目窓とは
稲目窓は日本の伝統建築に見られる窓の一種で、細長い縦長の形状をしている
名前の由来は「稲の目」のように細く縦に長いことからきている
建物の外観に独特のリズムと美しさを与える
正寿院における稲目窓の特徴
正寿院の客殿や本堂の一部に稲目窓が用いられている
窓枠は木製で細かく格子が組まれており、外からの光を柔らかく取り入れる役割を果たす
この窓は風通しを良くしつつ、外部からの視線を程よく遮る工夫がなされている。




天井絵の角には、守護する四神(東に青龍、西に白虎、南に朱雀、北に玄武)や春夏秋冬の舞妓さんや花の絵が描かれていてとっても華やかなのだが、妻が一言「新しい!客寄せやな!!」。いや、行く前に言ったし。

花と日本の風景をテーマにした160枚の天井画が描かれている。寝転ぶのも良し、縁側から覗きこむのも良し。ただしうつ伏せはダメ!?



正寿院 客殿の天井絵について
概要
正寿院の客殿には見事な天井絵が描かれている
この天井絵は、寺の格式と美意識を象徴する重要な装飾であり、訪れる人々の目を引く見どころのひとつ
主題・モチーフ
天井絵には主に花鳥風月をテーマにした日本画が多く描かれている
四季折々の花や鳥、風景などが繊細に表現され、空間に豊かな自然の息吹をもたらしている
もう一往復しておきます。

このハート型のことを「猪目(いのめ)」と言います。
猪目(いのめ)とは、1400年前から日本に伝わる伝統文様でハート型に類似 しており、昔から災難除けの意として灯籠や柱にある釘隐し、窓や屋根にある 懸魚(けぎょ)など建築装飾としてたくさん使われています。寺社仏閣におまい りされましたら、ぜひ猪目(ハート型)を探して見て下さい。
猪目という文様が、なぜハート型なのかは諸説があり、猪の目がハート型に 似ているから、また仏教にゆかりがある菩提樹(ぼだいじゅ)の葉がハート型だ からとも云われています。
昔から猪や獸の目は災いを除くと信仰され、菩提樹の木はとても标相び良い とされてきましたので、その教えが建築装飾にも反映されたと云われています。 1400年前のモノが無い時代においても、人々の幸せや建物の安全を額う気持ち は現代と変わりません。先人たちの知恵と願いがこの豬目(ハート型)に込めら れています。当院でも、人々の幸せまたは建物の安全を額うために緒目窓を設 けています。
四季によって、春(ビンク)夏(緑)秋(赤)冬(白)へと窓からの景色や色 が変化していくので、季節に応じお茶会も催されます。心静かに季點の先すい。 を感じると共に、川や鳥の声などの音も愉しみ、五感で自然を感じて下さい。
この部屋は「則天(そくてん)の間」と名付けられています。則天とは、則天 去私(そくてんきょし)という言葉の一言で、自然に身を委ね、私たち人間も川 や鳥のさえずり、そして木や緑と同じ自然の一部ということに気づき、我を忘 れるということです。
※写真撮影可能です。
※三脚類·飲食は禁止です。
※結界より先へは立ち入り嚴禁です。
※皆さまお一人お一人が心地よくおまいりできるように、写真撮影や話し声 など他の人への譲り合いにご協力お願い致します。






2018年から4月の桜の時期に夜間拝観が楽しめるようになった。この夜間拝観は抽選になっており、3月下旬にはがきで申し込みをする。妻が珍しく、落選したんですよね。。
最後に稲目の窓を持つ神社仏閣をどうぞと行きたいですが補足です。
「稲目窓」は、正確には「猪目窓(いのめまど)」と呼ばれ、ハート型の文様を指します。一方、寺社仏閣でよく見られる、上部が曲線を描いた窓は「華頭窓(かとうまど)」と呼ばれ、禅宗様式の特徴的な建築様式です。その上で京都のみ集めてみました。
清水寺(京都)
舞台の床下の「猪目懸魚(いのめげぎょ)」という部分に猪目模様が施されている。これは、火除けの意味合いが強く、清水寺のような木造建築では重要な役割を果たしている。源光庵(京都府京都市北区)
「悟りの窓」と「迷いの窓」で有名な源光庵ですが、このお寺にも猪目窓がある。書院の廊下にあり、窓の向こうには美しい庭園が広がっている。銀閣寺(慈照寺)(京都市)
銀閣(観音殿)の2階部分に、3つ並んだ美しい窓が「華頭窓」である。その優美な曲線は、室町時代の東山文化を象徴している。妙心寺(京都市)
妙心寺は広大な敷地に多くの塔頭がありますが、禅宗寺院であるため、華頭窓がさまざまな建物に用いられている。建仁寺(京都市)
建仁寺の塔頭の一つである「両足院」にも猪目窓があります。特に新緑や紅葉の季節には、庭園の緑や赤が窓から覗く光景が美しい。建仁寺にも、華頭窓が見られるが「華頭窓」である。東福寺(京都市)
こちらも禅寺であり、華頭窓が多くの建物に使われている。特に紅葉の名所として知られる通天橋や、庭園とともに華頭窓の美しさを楽しむことができる。地蔵院(京都市)
地蔵院は「竹の寺」として知られ、美しい竹林と苔の庭園が有名。このお寺の茶室に、ハート型の猪目窓がある。窓からは、庭園の緑豊かな竹林や紅葉が切り取られて見え、その美しさから「幸せを呼ぶ窓」として、正寿院と同様に人気を集めている。
「猪目窓」と「華頭窓」の違い
猪目窓(いのめまど):ハート型をした窓や文様のこと。古くから魔除けや火除けの意味があるとされています。主に正寿院や地蔵院などで見られます。
華頭窓(かとうまど):上部が曲線を描いた、鐘のような形をした窓のこと。禅宗建築に多く用いられ、デザイン性の高さが特徴です。銀閣寺や建仁寺、東福寺などで見られます。
▼オマケ「風鈴まつり」
京都・宇治田原町の正寿院「風鈴まつり」 涼やかな音色響く
宇治田原町にある正寿院では、境内におよそ2000個の風鈴が飾られ、訪れた人たちを楽しませています。正寿院では、毎年暑くなるこの時期に「風鈴まつり」が行われています。寺が山間部に位置し、夏は京都市内よりも温度が5度近く低くなるとされることから、参拝者に見た目や音など五感で涼んでもらおうと10年ほど前から始められました。訪れた人たちは、色とりどりの風鈴を写真に収めるなどして涼やかな初夏のひとときを過ごしていました。正寿院の「風鈴まつり」は、9月18日まで行われています。
▼旅行記
2019年:◆京都南山城⑦◆宇治茶故郷でSNS人気「稲目窓」と快慶作「不動明王座像」(宇治田原)
▼セットで行くところ
▼パンフレット





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