漫画構想① 八千代さんは、メシウマ女だってバレたくない! 第28話
◆八千代さんに聞く「毎日の食事」
① ご飯について
「お米の炊き方ですか……別に普通ですよ。
まず、よく見てください。お米って不ぞろいでしょう?
欠けていたり、小粒だったりするのは少し弾くんです。
全部やると大変なので、目に見えて分かるものだけですけど。
粒がそろえばそろうほど美味しいんです。
それから、お米にまず水を浸透させてから、いったん冷蔵庫に入れます。
その後、手をすり合わせるようにして研ぎます。
うちは土鍋で炊いていますね。
炊飯器は楽なんですけど、やはり土鍋のほうが美味しいかなと。
銘柄はいろいろ試しましたが、今はミルキークイーンが気に入っています。
……え? これ普通ですよね?」
② お味噌汁(しっかり系)
「出汁ですか? 私、毎日同じのは嫌なんです。
うち、魚をよく食べるので、昨日残った“アラ”をまず一度焼いて日本酒をかけます。
それを出汁にすると、けっこう力強い出汁ができます。
この強い出汁には、しょっぱい赤だしが合いますね。
そこに魚の身を少し入れて、ネギを足して……そんな感じです。」
③ 上品系のお味噌汁
「私の上品系のお味噌汁は、本当に地味ですよ。
長野で看護師をやりながら農家をしている知り合いの女性から、
野菜の定期便をいただくんですけれど、品質が本当に良いんです。
今日はカブですかね。
カブをいちょう切りにして、葉っぱも食べやすく切ります。
出汁は昆布と鰹で軽く。強く出す必要はありません。
そこにカブと葉っぱを入れて煮て、白味噌を合わせるだけです。
わかめや豆腐を入れるのはあまり好きではないので……
本当に“カブだけ”のお味噌汁です。
地味でしょう?」
④ サラダについて
「サラダ……ですか。
うちはあまりサラダを出さないんです。
正確には、“火を通していない野菜”をほとんど出していません。
昔いた料亭『菊水』でも、生野菜ってほぼ出なかったですし……。
うちの食卓の半分くらいは、ナスかほうれん草のお浸しです。
それから三河みりんをよく使いますが、砂糖なしでも美味しいので、
それに醤油を合わせて根菜類を煮たりします。
葉物も、基本は煮て出します。
祖母が言っていたんです。
“人間は本能的に生野菜は好きやないんや”って。
あとは、大根の葉をゆがいて、つゆに浸したりもよくします。」
⑤ ハモについて
「ハモは、本当に散々やらされました……。
1cm間隔で何本切れ目を入れられるか、という“骨切り”ですね。
今はもう、皮に傷をつけずにかなり細かく入れられるようになりました。
祖母に教わったことの中で、一番難しかったです。
ハモは、さっと湯引きして梅肉でいただくのが京都流ですよね。
そして、うちで一番の鍋料理は、
ハモの骨で出汁をとり、身を入れて、京春菊とキノコをたっぷり。
松茸を入れられる日は……もう、本当に“飛びます”よ。
まあ、そんな贅沢は一年に一回くらいですけど。」
⑥ 昨日の夕飯
「うちの昨日の夕飯ですか?
えぇっと……まずは普通にご飯。
お味噌汁は、山で看護師さんが採ってきたナメコの白味噌仕立て。
おかずはカワハギの煮つけ。
ほうれん草のお浸しに、出汁巻き卵。
それと、近所の寺沢のおじさんが採ってきた“ムカゴ”を煮て、塩で食べました。
……けっこう手抜いてますね。」
⑦ ゆで卵
「ゆで卵ですか?
うちのゆで卵ですか? 普通ですよ。
冷蔵庫に常に入れてあって、いつでも食べられるようにしています。
茹で方は、まず6分ほど茹でます。
黄身が真ん中にくるように、茹でながらかき混ぜるんです。
そのあと氷水に入れて冷やします。
お酢も少し入れているので、殻がきれいにむけます。
それで糸で二つに割れば……。
……え? 手が込みすぎですか?」
