雨の音、雨no+e
☂️雨の日が好き
もともと一人でいるのが好きだ。
雨の日に部屋にいると、世界から少し切り離されたような感覚になる。
しとしと降る日に外を見ると、さーっと絹糸のような雨が世界を覆っている。すべてが濡れそぼっていて、なんだかもの悲しくなる。
こんな日はウイスキーが飲みたくなる。
本降りの日に窓を見ると、ガラスに雨だれの幕がかかっている。刻々と変わるその幕は、見ているだけで時を忘れる。これはもう、ウイスキータイムだ。
嵐の日は、外を見るまでもなく、ウイスキーである。
☂️雨の日のリズム
ポツポツ、トントン、トトン。雨のリズムは楽しい。
昔、長屋に住んでいた頃、トタン屋根だったから、雨音のボリュームがすごかった。大雨になると会話の声が聞こえなくなるくらいすごかった。ここまでくると、リズムどころではない。スネアドラムのドラムロールを延々と聞かされている感じ。
想像してみ?いつジャジャーンとくるのか、ドキドキの演出がずっと続くの、あれはちょっと疲れる。
そして、トタン。トタンって何。トタン。こちらも響きが楽しい。
☂️雨の靴事情
すのこのぬめぬめが苦手なことは、以前書いた。靴のぐちょぐちょが、これまた苦手。気持ち悪すぎ。めかぶに足を突っ込んだ感じ。突っ込んだことはないけど。
先日、雨の日も歩きたくて、雨靴を買いに行った。
私の足のサイズは25cm。
女性ものはなぜか、24.5cmまでがかわいい。あと0.5cmどうにかならなかったのか。25cmを履くような人間にはかわいい靴が似合わないとでもいうのか。
仕方なく、25cmのかわいくもない雨靴を履いてみる。入らない。
本当に25cmなのか。気に入らないけど履いてやったのに、拒絶されたのがなんだか悔しい。無理して食べたのに、「無理しなくてよかったのに」と言われた気分だ。
雨靴は泣く泣くあきらめた。
☂️雨の日の、涙の思い出
何年か前、飼い猫が老衰で死んだ。
ほんの子猫で捨てられていたのを、私が拾った猫だった。
猫は大好きだが、毛が服に付くのは苦手な私。私も猫みたいに気ままな性格で、猫との距離感は微妙だった。
他の家族の寝床には行くのに、私のところには来なかった。来るのは、餌が欲しい時だけ。
ところが、年を取り、いよいよの時が近くなると、なぜか私のところから離れなくなった。目が見えていなかったからだろうか。
そして、ついにその時が来た。私が仕事に行っている間のことだった。母からの電話。でも猫なので、途中で帰れない。悔しい。泣けない。
最後は私のところにあんなに来てくれていたのに、看取ってやれなかった。
仕事が終わるなり、車に駆け込む。
外は雨。
ガラスには雨だれの幕。
すべてをかき消すような雨の音。
思いっきり泣いた。
人前で泣くのは苦手。
雨がありがたかった。
☂️雨女の上司
いつも笑顔で、どんな人とも上手に渡り歩く、人たらしな人。
ひっつめのお団子ヘアーが可愛らしい。お肌はツヤツヤの卵肌。
ちょっと猫背だけど、そこがまた柔らかい。
言うべきことはズバッと言うけど、キツく聞こえない。
そして、悩みや愚痴をたくさん聞いてくれる。
最高の上司に巡り会えた。
......雨女でさえなければ。
たいてい、外回りに行くときに限って雨。車から降りたとたんに雨。店を出たとたんに雨。仕事が終わって一緒に会社から出たとたんに雨。
何でもトタンに雨。
期待を裏切らないこの上司が、大好きである。
☂️もうすぐ、梅雨がやってくる。
では、よい週末を。
