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2人でスケッチャーズ

先日、相方と靴を買いに行った。

東京靴流通センター。
創業90周年大感謝祭でPayPayポイント20%還元らしい。なんて素敵なの。

創業:1936年(昭和11年)。
戦前 → 戦後 → 高度経済成長 → 現代を全部くぐり抜けてる会社なんだ。
すごい。東京がすごいのか靴様がすごいのかわからないけど、どちらにせよただ者ではない。

福岡にあるのに「東京」というだけでも心がざわつくが、そこはあえて話題にせず、どんな靴を買うのか談義で、道中話に花が咲く。

相方はスケッチャーズが欲しいという。
靴を履くのにかがまずにすむのがいいらしい。見た目もスマートな感じがするんだそうな。
いつもシャツがベロンと出ているわりには、そういうところを気にする相方が愛おしい。
そう言ってやったら、お尻をペチンと叩かれた。愛おしい。

私は相方と出会う40まで、靴を履くときにつま先トントンして履いていた。かがむのが面倒だったからだ。
でも「そんなことは、子供がすること」と相方から矯正され、かがんで履くようになった。

他にもいろいろある。

うがいをするときに水を手酌でなく、コップにいれること。
2リットルのペットボトルは直飲みせず、コップに移すこと。
外出するときは腕時計をはめること。(わたしはアクセサリー類が苦手で、腕時計もそのひとつだった)。
ハンカチをもつこと。

そんなふうに矯正された。
相方いわく、やっとちゃんとした大人になったらしい。
そうなのかな。
でもなんとなく、きちんとしているような気がして、感謝している。

福岡なのに、これでもかというくらいでっかい『東京靴流通センター』の看板。相方に言いたくなるが、そこはぐっと我慢で入店入店。

スケッチャーズの売場に行き、色々と履き心地を確かめる相方。かがんだり、立ち上がったりでシャツが出てきている。愛おしい。

足のサイズが25センチある私も一緒になって男物の靴を履いてみる。

「かがまずに履けるのはいいけど、もう少しクッションが欲しいね」
「少し底が固いよね」
「私が今履いている靴、すっごく履き心地がいいんだよ。この靴だと、ずーっと歩けるの」

と、約1年前に買ったお気に入りの靴を自慢する。

「それ、どこの靴?それがいいな」
「えっとね、、、」

靴のロゴを見る。

「エス、、、スケ、、、スケッチャーズ。え!スケッチャーズ?」
「え?知らずに履いてたの?」

ということで、2人ともおニューのスケッチャーズとPayPayポイント20パーセント還元分を無事にゲットした。るんるんである。

その後、前から気になっていた「佐賀牛が溶けている」というカレーを食べに行った。
お、おいしすぎる。

佐賀牛が溶けているかは、溶けているので見てもわからないけど、佐賀牛が溶けている味がした。……いや、そんな味は知らないけど。
食べながら、1年も履いていたのに気付かなかったことを笑いあう。
スケッチャーズと、佐賀牛と、その日の2大ブランドの話で盛り上がる。

それにしても、それにしてもよ。

1年もスケッチャーズ履いてたなんて。
今までずっとかがんで靴履いてたやん。

つま先トントン人生を40年も謳歌していた私のためにあるような靴だったやん。

その日から、靴をかがまずに履くたびに、楽だけど、なんか損したような、複雑な気持ちになる。

ちなみに、相方はおニューのスケッチャーズを、やっぱりかがんで履く。
スケッチャーズなのに。
靴を痛めたくないんだそうだ。
ちゃんとした大人って、そういうこと?
私にはその線引きがわからない。

ただ、これだけは言える。
愛おしい。


新しく買った靴は、まだタグがついたまま靴箱に眠っている。

イベントっぽい日に初出ししたい。
相方と初めて行くお店に行くときとかがいいな。
晴れている日がいいな。

最初のうちはかがんで履くだろう。せっかく、ちゃんとした大人だし?

ようこそ、私のうちへ。
たくさん歩くからね。
よろしくね。

#創作大賞2026
#エッセイ部門

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