『舶来人形東洋見聞録』を読んで|#創作大賞感想
「才能は、努力と出会うと天井知らずになる。」
そんな言葉を思い出した。
作者がnoteを始めたのは、2026年の4月。
それまで文章を書く習慣はなかったという。
え?嘘でしょ?
ガラスの仮面に出てくるセリフで言うなら
「マヤ、おそろしい子…!」 である。
思わず唸る、そんな作品に出会った。
振子さんの『舶来人形東洋見聞録』である。
とにかく、リーダビリティの高さに驚く。
私のように頭のネジがすっ飛んだ者でも
読みやすく、すっと物語に入っていける。
明治時代を背景にした物語は
「位高き者は、徳高きを要す」の精神を根底に、
人情の積み重ねが丁寧に描かれている。
それは屋敷の主人や奥方だけの話ではない。
物語に登場する屋敷に仕える人々も、主人と
同じく人を思いやる心を受け継いでいる。
誰か一人の善意ではなく、屋敷そのものに
人情が息づいている、そんな物語だ。
また、その物語を巴里から渡ってきた人形が
「観察者」として見届けているのも面白い。
異国生まれの人形だからこその素朴な疑問、
ハッキリとした物言いが、時に読み手の
気持ちを代弁してくれている。
そしてそれが何とも可愛らしいのである。
「ページターナー」という言葉がある。
読み出したら止まらない作品などを指す言葉だ。
その言葉の意味からいうと、私にとって
この作品は間違いなくページターナーである。
しかし同時に、読書好きにはわかるであろう
「もったいなくて読み進めたくない」
現象をも引き起こした。
あぁ、気持ちいい…
一語一句、気持ちいい…
読み終えるのがもったいねぇ…ハアハア
変態である。
しかし読書好きのnote民なら
その現象、わかってくれるはず。
さあ、さあ、noteの読書変態の民よ!
みなこの作品を読んでおくれ!
である。
この先、作者がどんな作品を書いていくのか。
読者として楽しみになる、そんな作品であった。
#創作大賞感想
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