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コロナ融資の返済が始まった。「息切れ倒産」が静かに続いている

「コロナはもう終わった話でしょ」

そう思っている経営者が多いことに、私は少し危機感を覚えています。

東京商工リサーチの最新データ(2026年6月公表)によると、2026年5月のコロナ関連破たんは119件。2020年2月の第1号発生から累計1万4,143件に達しました。

件数だけ見れば5月は減少です。ただ、この数字をそのまま「落ち着いてきた」と読むのは早計です。

月間100件超のペースは続いている

2026年に入ってからのコロナ破たんの推移を見ると、1月143件、2月140件、3月162件、4月はいったん150件を下回り、5月は2021年1月以来の120件割れとなりました。

確かに減少傾向はあります。しかし毎月100件超のペースで、コロナ禍のダメージを引きずった企業が倒れ続けているという現実は変わっていません。

累計1万4,143件。全国の企業約300社に1社がコロナ関連で破たんした計算です。

なぜ今も続くのか

ポイントは「コロナ借換保証の返済」です。

コロナ禍に借りた資金の返済猶予期間が終わり、実際の返済が本格化しています。売上は回復しつつあっても、返済・物価高・賃上げのトリプルコストが重なり、手元資金が追いつかない企業が少なくありません。

外から見れば「普通に営業している会社」に見えても、内側では資金繰りが限界に近づいているケースがある。これが「息切れ倒産」と呼ばれる状態です。

取引先のどこを見るべきか

与信管理の視点からは、今こそ既存取引先の「支払い行動の変化」に注目してほしいと思います。

新規取引先の審査はやっている会社でも、長年の取引先は「大丈夫だろう」と見直しを怠りがちです。しかし、コロナ融資の返済が始まった今、その前提は崩れている可能性があります。

具体的に確認したいのは3点です。

支払い日がじわじわ遅れていないか。
分割払いや支払い条件の変更を打診してきていないか。
担当者の連絡レスポンスが鈍くなっていないか。

これらは財務諸表には現れない、現場で感じる「体温の変化」です。数字より先に、現場の肌感覚が危険を教えてくれることがあります。

「終わった話」にしないために

コロナ関連破たんは、まだ終わっていません。

借りたお金はいつか返さなければならない。その当たり前の事実が、今、多くの企業に重くのしかかっています。

取引先の与信を定期的に見直す仕組みがあるかどうか。それが、貸し倒れリスクを防ぐ最大の備えです。

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【執筆者プロフィール】

やまざき与信管理事務所
https://yoshinrisk.jimdofree.com/
保険会社で取引信用保険の契約審査を10年・1000件超担当した元アンダーライター。現在は上場商社で与信管理を担当。
「勘」ではなく「データ」で『ロイヤルカスタマーを見抜き、要注意先も特定する顧客ランク診断』を提供してます。
売上が増えてキャッシュが減らない経営体質作りを支援します。
『月刊企業実務』(25年12月号)に記事執筆。

粉飾による突然の倒産は、どれだけ注意していても完全には防げません。
「うちは大丈夫」と思っている会社ほど、一度ご自身の売掛金リスクを整理してみてください。

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