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ホンモノ大人は、にしんそばを食べる【六杯目 おそば処 葵・京都】

40歳を超えると、京都を語り出したがる人が多い。お気に入りのお寺や神社、行きつけのお店。プライベートの旅行やデート、出張先として京都へ行く機会が重なってくる年頃なのかもしれない。特に飲食店の稀有な情報を持っている人は、得意げに語りたがる。
「先斗町にね、美味しいワインを出してくるお店があってさ、、」とか「京都って、案外、焼肉が美味しいんだよね。知ってる?」みたいなことを言ってくる。たいがい、自慢にしか聞こえないのだけど、一方で「ほほう、このひと大人だなー」と素直に感心したりもする。

これ、不思議なことに、東京駅周辺を語る人はほぼ出会っていない。特に八重洲口方面。みんな出張で使うでしょ、東京駅。きっと八重洲でもお食事行っているはずなんだけどな。個人的には八重洲口歩いて3分のところに鰻を格安で出してくれる汚い居酒屋が好き。しかもこの時代に店内でタバコ吸い放題。安いお酒と鰻。「八重洲口にね、タバコが吸える鰻屋があってさ、焼酎も安く飲めるんだよね。」とか言ってみようかな。

さて、京都の話に戻る。ボクがプライベートで京都を訪れるとなると、まずは駅から歩いて東寺(南区)に向かう。立体曼荼羅の帝釈天がお目当て。イケメン仏像。象に跨ってる感じがかっこいい。それからバスに乗って北に向かい、円山公園付近で降り、六波羅蜜寺(東山区)へ向かう。もちろん、空也像(人類初のストリートラッパー)に会うことが目的。余力があれば、その前後で電車に乗って、広隆寺(右京区)へも足を伸ばす。もちろん、弥勒菩薩半跏思惟像が目当て。総じて、細身のかわいい仏像が目的で京都を歩いているのだ。

京都仏像の旅を終え、お腹がすく時間と同時に新幹線の時間も迫ってくる。どうしようかと考えると、じゃあ一旦京都駅まで行って、そこで考えようという話になる。そこで辿り着くのが「おそば処 葵」。そばではく、おそばと名乗っているところが品があって良い。時間帯によっては待ち時間なく、すんなりと入店できる。もちろん、注文するのは、にしんそば。京都らしく、鰊をそばに潜らせているスタイル。出汁も上品で、歩き疲れた体を癒してくる。にしんそばを啜りながら京都の旅を振り返り、帰路に着くのであった。


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