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束の間の晴れ間で少し部屋が明るくなることに気付いた今日

休日の朝は蚊取り線香に火を点けることから始める。家族の中で私だけ蚊に刺されやすく、家の中に蚊が入ることをヘイトしている。私以外のみんなは蚊に頓着しないので、ガラス戸を最後まで閉めきらなかったり網戸のすき間を開けていても気づかなかったり、玄関のドアを開けたままお隣さんとお喋りしたりする始末。隙間を舐めてはいけない。蚊なんてすぐに入ってくるんだから。

家の建物の1階の対角の位置に2か所、蚊取り線香を置く。2本の渦巻き線香を重ね、チャッカマンをまとめて先端に当てる。2本同時に着火することでチャッカマンの消費を節約できるし、2本重ねることで互いに互いを燃やし合い、着火が早まると分析しているのだ。人類の歴史とは個人の歴史の積み重ねである。こういった、私個人の何でもないような生活の知恵は、私の中だけに留めておくのは忍びない。晩年には何か自伝を出してもいいと思っている。

着火作業中は炎が上がるだけだが、炎を吹き消すと、一気に煙の充満が始まる。玄関の外で着火すればいいのだが、毎回玄関の中でドアを閉めた状態で着火する。蚊取り線香の缶を靴箱の横に置いているからである。玄関の中で着火すると、玄関に煙が充満する。当たり前だ。こういった毎日同じ失敗を繰り返すところなんかも自伝に遺そう。自伝に遺すか遺さないかは自己でジャッジすべきでない。ジャッジは後世の他者に任せる。きっと、可愛げとして評価されることだってあるから。

すぐにドアを開けて煙を出すが、いくばくかの殺虫成分を摂取することは避けられない。蚊取り線香の香りはある種アロマ代わりにもなると思ってはいるが、一度の大量摂取は何らかの急性障害を招きかねない。今のところは大丈夫そうである。

いくばくかの殺虫成分の摂取は、軽い車酔いか頭痛のような症状を引き起こす。外に出てきれいな空気を吸っていると落ち着いては来るが、それでも数時間は軽い車酔いが残っている。



休日の朝は濃いめのブラックコーヒーから始める。時系列的には、蚊取り線香のあとにコーヒーである。軽い車酔いを呈したまま、私はマグカップにドリップコーヒーを注ぐ。こちらこそが本物のアロマである。熱い湯気とともに香ばしい薫りが脳の中枢に突き刺さる。

長旅で車に酔ったら、濃いコーヒーはあまり飲まない。それと同じで、蚊取り線香の殺虫成分にやられている状態でドリップコーヒーはおすすめされない。

パンチドランカーがどんなものか実体験としては知らないが、きっとパンチドランカーってこんな感じだろうなと想像できるくらい、一時的に脳が揺らされる気分である。


今からもしお風呂のカビ取りを頼まれたら、また今度ねと言って断った方がいい。

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