久々に映画館で映画をみた――「Michael」
マイケル・ジャクソンがプロモーションビデオで世界を席巻していた頃、私は彼よりいくつか年上で、まさにドンピシャの世代だった。
大ファンというわけではなかったけれど、彼のサウンドは当たり前のように日々の生活に染み付いていた。
日本公開の前、Instagramで大量のコンサート映像を目にした。それだけで、私の「映画を観たいモード」は一気に刺激された。
留守番の母には少し申し訳ないと思いつつも、どうしても行きたい。海外アーティストの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』に感動したスタッフが手掛けていると知り、その思いは確信に変わった。
久しぶりの映画館。あの独特な雰囲気は、やはり心を晴れやかにさせる。
遠足前の子供のように上映のかなり前から到着し、ポップコーンとコーラを買い込んでその時を待った。ロビーには、同じように待ち焦がれる十数人の姿があった。
マイケル役を演じるのは彼の甥だと聞いていた。
なるほど似てはいるが、やはりどこか違う。劇中では親子の確執や、幼い頃からメジャーの世界で生きてきた子供の孤独が丁寧に描かれていた。
ただ、彼が独立してからの泥沼のような部分は一切触れられていない。少し物足りなさも感じたが、監修にマイケルの資産管理人が名を連ねていると知り、それも納得がいった。
映画館を出てから数日経つ今も、頭の中ではマイケルの名曲がメリーゴーランドのように繰り返し流れている。
スクリーンを通じて、彼がいかに唯一無二の天賦の才を持った人物だったかを、改めて突きつけられた。誰も彼の域には近づけない。
その圧倒的な才能は数々の映像として遺され、今もなお、世界中の人々の心を揺さぶり続けている。

