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母の言葉、故郷の響き:伊予弁とかわくろし

湯気の上がらなくなった味噌汁を前に、母がぽつりと呟いた。「今日の料理はかわくろしい」。私は何のことだか分からず聞き返した。「かわくろしいって、何?」。すると母は、「何となく喉が渇くんよ、水分が少ないけん」と言った。生まれて初めて耳にする、不思議な響きだった。

早速、スマホで調べてみると「かわくろし」は愛媛県の方言で「喉が渇いて苦しい」という意味だと書いていた。母は「昔から使いよったけど、あんたは知らんの」と怪訝な顔をした。

私が住む松山市では「伊予弁」が使われている。伊予弁は言葉の語尾に「〇〇するけん」「〇〇しよらい」「〇〇じゃろ」などをよくつけて会話するのが特徴だ。そのことで、言葉がやわらかく、少し間延びした感じに聞こえるかも知れない。

各地の方言がだんだん使われなくなって、お年寄りは使っていても、若者はわからない言葉が多くなっている。「かわくろし」もそんな言葉だと思う。母から「かわくろし」を聞いて良かったと思った。地域のお国言葉は地方色がでるので残したいと思っているからだ。

勉学や就職などで都会に出た人たちが、話していて理解されにくい方言が幾つかある。例えば、別れ際に「じゃあ帰ってこうわい」と伝えると、相手は不思議そうな顔をして「え、もう一度来るんですか?」と聞き返してくる。また両替して欲しい時に、「お金を割ってください」というと、理解されないことが多い。「お金を砕いてください」といわないと通じないのだ。

気候の感じ方を表すのに、寒いは「ひやい」で温かいは「ぬくい」と言う。「もんたよ」というと、「帰ってきたよ」という意味で、「いなげな」というと、「変な」「風変りだ」と言う意味だ。「それ、まがられん」と言うのは「触ったらいけない」と言う意味だ。

方言は本当に地域差があって、誤解を生みやすい言葉になるかも知れないが、私は方言で話すことがとても素敵だと思っている

母の「かわくろしい」は、いつもの食卓の風景とともに、私の心に深く刻まれた。家族の食卓の温もりを思い起こさせる言葉になった。私は伊予弁の魅力を未来に伝えていきたいと思う。



今日は私たち親子の記事を読んでいただいて、ありがとうございます。明日も私たちの日常や身近な話題をお伝えします。お楽しみに。

また明日お会いしましょう。💗


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