1つの因果は、100個の相関に勝る。松本清張『点と線』から学ぶ因果と相関
因果と相関
「なんだか、理由はよく分からないけれど…たぶんそうなんだろうな」
そんなそれっぽい情報に囲まれて生きていると、つい私たちは、相関を因果のように思ってしまうことがあります。
相関はいっしょに動いていることが確認できていること。
すなわち関連があること。
因果は片方がもう片方を生み出していること。
すなわち原因と結果が明確であること。
仕事でも、人間関係でも、SNSでも。
「Aさんが遅刻したのは、やる気がないからかもしれない」
「業績が下がったのは、きっとメンバーのスキル不足だ」
そんななんとなくのつながりは、いくらでも作れてしまいます。
でも、本当に見るべきなのは 相関ではなく因果 である。
そのことを、松本清張の名作『点と線』は、鮮やかに示してくれます。
(ネタバレなし)容疑者と、事件と、無数の相関がある
1971年のこちらの小説。松本清張の『点と線』。
これはただの小説ではなく、研究にも参考になる優れた教材だと思いました。
ネタバレなしでいきます。
この小説内の刑事は、担当した事件にどうしても違和感を覚えます。
その事件で、容疑者と思しき者と、事件の相関を示す情報は山ほどある。
けれど、どうしても決定的な証拠に欠ける。
ゆえに容疑者を検挙できない…。
100個の相関があっても、因果を導けないことがあるのか…。
詳しくは小説でご覧ください!
私たちは、「相関」を「因果」にして生きてしまう
私たちは日常でも、相関によく似たものに頼って判断してしまいます。
仕事のミスが続く →「私って向いてないのかも」
単純に睡眠が足りないだけ。
売上が昨対200% →「めちゃくちゃ頑張った」
阪神の優勝パレードが行われていた。
フォロワーが5人減った →「不祥事でも起こした?」
プラットフォームのスパム一掃デーだった。
これらは、因果のように見えるけれど、実際にはただの「思い込み」でしかありません。
でも、一本の因果が見つかるだけで、判断の軸がはっきりと立ち上がる。
もっと言えば、自分の行動が変わり、未来さえ変わっていく。
『点と線』は、そんな思考の骨格を静かに教えてくれます。
どうすれば因果にたどり着けるのか?
小説内で刑事がしたこと自体は、特別ではありません。
自分の違和感を大切にする
一貫して確かめる
小さな矛盾を見逃さない
自分の「思い込み」に疑いを向ける
証拠のつながり方を見直す
この地道さが、相関から、因果を浮かび上がらせます。
そしてこれは、仕事、人間関係、そしてキャリアでもまったく同じ。
「なぜ?」を一つ深く掘ってみる。
それだけで、人生の見え方は変わります。
これからのこと。名作が教えてくれる「思考することの強さ」
もし、これを生活に活かすとしたら、こんなことが考えられます。
これから何かの情報にあたったとき
「これは因果か?相関か?」
と、自分の中の思考の前提に、この問いを投げかけてみてください。
この問いで、物事を俯瞰して見られるようになるはずです。
これはもう本当に、癖づけですね。
ともあれまずは、『点と線』ぜひ読んでみてください!笑
今日の文献
松本清張(1971)『点と線』 ★★★★★ おすすめです!
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