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Black Bird 知られざるポールの強さと優しさ

ビートルズの楽曲を1曲づつ解説しています。
今回は会社の先輩、森川さんのリクエストにお応えします。

イエスタデイをはじめ、ポールにはアコースティックギターの秀作が多い。あらゆる楽器をこなすポールだが、彼が最も底力を発揮するのがアコースティックギターをプレイする時だと思う。特にBlack Birdはギターを始めるビートルズファンなら一度はチャレンジしたくなる美しい曲。
 
美しい曲であると同時に、この曲にはポールの強くて優しい気持ちが表れている。
歌詞は、単に小鳥を歌った曲ではなく、アメリカで公民権運動(人種差別に抗議する運動)が盛んだった頃、人権問題で苦しんでいる黒人女性を励ますために小鳥を黒人女性に例えて書かれたもの。
ちなみに、ポールの故郷リバプールでは女性の事をバードと表現する事があるようだ。


1968年4月、公民権運動の指導者キング牧師は暗殺され、10月に開催されたメキシコシティ・オリンピックでは表彰台に上がる黒人に対して賞賛の歓声とブーイングが同時に起こる、そんな時代であった。

公民権運動の指導者 キング牧師


陸上競技、金のトミー・スミスと銅のジョン・カーロスが表彰台に上がった。下を向き、靴は履いていない。黒い靴下は貧困を表し、黒い手袋は差別からの解放を意味している。

銀のジョン・カーロス選手も二人の行為に賛同し、
人権平等を求めるバッジを着用


ポールは近年この曲を不幸に見舞われた方々を励ます応援歌として歌っている。2013年の日本公演時には東日本大震災の被災地の方々にこの曲が捧げられた。
 

ライブでBlack Birdを歌うポール


あまり知られていない話だが、来日公演の時には近隣の養護学校に通う生徒を無料で招待している。人知れず行うところにポールの人柄が表れている。
 
また、ポールがウイングス時代に瀕死の親子に遭遇した時の逸話がある。その時のことを、ポールの相棒デニー・レインが以下の通り述懐している。

リハーサルを終えてスタジオを出た時、自動車のぶつかるような大きな音を聞いた。現場に駆け付けたら車と歩行者の交通事故だった。赤ん坊は空中に放り出されたようだが、生垣の上に落ち大きな怪我はなかった。しかし致命傷を負った母親は意識が朦朧としている。不運なことに辺鄙な場所だったので救急車の到着に1時間を要した。
その間、ポールは母親に常に「大丈夫だよ、心配しないで」と話し続けた。時には意識を失いかけた母親に静かに歌を歌って勇気づけた。

しかし、残念な事に母親は病院で息を引き取った。

(左)デニーレイン (右)ポール

しつこいようだが、ポールは強くて優しい。

本題に戻ります。
有名なイントロはバッハの「ブーレ ホ短調」に影響を受けたものだと語っている。若い頃、少しでも知的に思われるよう、バッハの曲を人前で得意げにギターで弾いていたそうだ。何だかカワイイ話しだなぁ。👇

 
レコーディングはポールの「アウトドアで歌っている感じにしたい」というリクエストに応えて、エンジニアがマイク用の長いシールドをアビイ・ロード・スタジオの屋外まで這わせ、一人でレコーディングしている。

多分こんな感じで屋外でレコーディングしたのだろう

鳥の鳴き声はEMIスタジオの音響ストックのものが使用されたが、偶然本物の鳥の鳴き声も混じったようだ。これもビートルズマジック!
 
この曲はスコットランドの農場で書き始めインドで完成した。ギターで作曲中、1弦が切れてしまったが、インドではギターの弦が手に入らず、あまり1弦を使わなくてもよい曲に仕上げたという半ば都市伝説のような逸話がある。本当なのか? ポールに聞いてみたい(笑)

インド滞在中のメンバー


【あとがき】
『ビートルズ '64』が配信公開された。
詳細は「ゆめ参加NA」様のnoteにて紹介されています 👇


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