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『from ARGONAVIS』休止の不可解な点を考える

署名活動をしています

Change.org」にて、『from ARGONAVIS』の活動再開を嘆願する署名活動を、25年1月から開始しています。ぜひご協力いただけますと幸いです。

この記事は、プロジェクトの置かれた状況などの前提を説明した記事です。
具体的な署名方法などが知りたい方は以下の記事をご覧ください。

決算資料を読んでみよう

上場した(一般人が株を買える)会社は、年に4回ほど会社のお財布事情を発表する義務があります。
ブシロードも決算情報とともに、それを「社内でどう捉えている」「どのような課題があり、どう解決するつもりか」などを提示しています。会社の偉い人たちの考えがわかる貴重な機会です。
株主は、これを読みこんだうえで疑問点を株主総会で質問します。

ここ1年くらいの状況や発言をざっくりまとめると、

  • カードゲーム、バンドリ!や他社IPのグッズで利益を出している

  • モバイルゲーム(アプリ)は縮小方針で、早期終了の判断をアピールしている

  • コンソールゲーム(Switchのゲーム)で新しいIP(作品)を開発している

  • バンドリ!など自社のIPは大切にしており、アプリ以外での展開もしていく

という感じです。
その年の分の資料を読めば、「アルゴナビスをどうする予定か」とまでは書いていませんが、『from ARGONAVIS』が当時置かれていた状況の手がかりくらいはわかります

不満解決の糸口を探す

署名ページに、「ここまでの約7年の活動における株式会社ブシロードからの扱いは不当に評価が低いと感じられます。」と記載しています。

ブシロードといえばプロレスかカードか美少女というイメージだと思います。同社IPファンから見てもその通りで、とにかく男性をターゲットとしたコンテンツが強い会社です。主に女性をターゲットとした「アルゴナビス」の運営期間の7年間、この状況は変わりませんでした。不当かはともかく、逆風に晒され続けたのは事実です。
不当なのかと言われると、「黒字化できなかったから休止」なので、おかしいとも言い難いです。この部分は、読んで疑問に思われた方もいると思います。

結論

そうはいっても、ファンとしては納得できない部分が多々あります。筆者は5年間まったく納得できなかったので決算や経営計画書をめちゃくちゃ読んでいました
その経験を踏まえて、以下のように考えています。

  • この状況はゲーム事業の大きな失策が招いたことであり、「アルゴナビス」というIPそのものが責任を押し付けられるのはややパフォーマンスがかっている

  • IPのクローズが重要な戦略のひとつなのは事実だが、「自社IPを大切にする」という発言があったこと、自社のタレントを商材として扱っていることなどから、特定の作品が極端に扱いを低くされることは不当である(ユーザー目線で信用を欠く動き

  • ユーザーや株主から「扱いを軽視されたIPやタレントがいて、そのことを問題に思っている」と指摘されなければおそらく問題視しないので、会社としてユーザーからの信用を欠いたまま進んでしまう

この記事では、これについてくわしく書いていきます。

ブシロードの他の作品のファンの方、株主の方なども、「他のIPは大丈夫なのか?」「今後ユーザーから信頼される作品を生むことができるのか?」にかかわるはずですので、ぜひご一読いただけますと幸いです。


『from ARGONAVIS』とは?

「フロム アルゴナビス」と読み、「アルゴナビスプロジェクト」と呼ばれることもあります。『BanG Dream!』の弟分『ARGONAVIS from BanG Dream!』として始まった作品です。以下、作品名を指す場合「アルゴナビス」と記述します。
(※主人公のバンド名も「Argonavis(アルゴナビス)」ですが、このバンドを指す場合は英語表記とします)

2018年にプロジェクトをスタートさせ、2020年4月にアニメ放送をしたあたりから活動を本格化させました。
筆者の体感になりますが、コロナ禍の影響でほとんどのアニメ作品、音楽ライブの放送休止・開催中止が相次いでいた中で「アルゴナビス」は無事にアニメを全話放送。アニメに紐づくライブも無料配信を行うなど、当時は何度も世界トレンドに入るなど、けっこう話題になったように記憶しています。

その後、アプリ2作の失敗を主な要因として、2025年内の活動をもって「無期限活動休止」の予定となりました。
あくまで「休止」とされており、「終了」としなかったプロデューサーの意地と執念は以下に記載されています。

一度プロジェクトを完全に終了することも、縮小や形を変えながら活動を継続することも選択肢としてはございました。
“無期限の活動休止”というものが、応援いただいている皆様に対して曖昧な表現であることは重々承知でございます。
時間は少し掛かるかもしれませんが、一度立ち止まり、充電期間をいただくことでもう一度from ARGONAVISプロジェクトを大きく展開するチャンスがあると信じてこの決断にいたりました。
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また、その先でもう一度from ARGONAVISプロジェクトをお届けできるように足搔かせていただきます。

from ARGONAVISプロジェクトより大切なお知らせ

署名活動は、この「もう一度届けるために足掻く」の一助となるべく、立ち上げたものです。

「アルゴナビス」独自の魅力

アニメや舞台でメディアミックス展開しており、キャラクターが歌を歌うアニメキャラクターによるストーリー展開を持ったプロジェクトです。このあたりは一般的な二次元系歌モノコンテンツの形態と大きくは変わりません。

最大の特長は、「バンドリ!」と同じく、ボイスキャストによるバンド活動です。本格的なロックサウンド、パフォーマンスによって5年以上に渡りバンド活動を行っており、アニメファンに留まらずロック系のメディア、ミュージシャンらからも高い評価を得ています。

「継続的なバンド活動により、(一般的なバンドと同じように)バンドとして"成長"していく」ドキュメンタリー性が大きな魅力と特長で、2次元系の作品ではあまり見られないタイプの感動と熱さがたくさん味わえます。

また、「キャラクターの持つ物語と、音楽と、"私たち"が密接に連動する」プロジェクトでもあります。楽曲・ライブを社会の状況にも連動させ、キャラクターの成長を紡ぎ、聴いたユーザーの人生にも呼応させてきた作品です。

「活動再開の嘆願」としていますが、2025年いっぱいはライブイベントがたくさん予定されています。チケットは今後発売なのでぜひご来場ください。現地参加は最後のチャンスとなるかもしれないので……

より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

キャラクターが個性的でストーリーも面白く、すべてが音楽やライブと関連づいていて、楽しい施策も色々とあり、とても満足度の高いユーザー体験ができる作品だと思っています。

なぜ問題なのか

このIPは主なストーリー展開をアプリゲームに依存しているにもかかわらず、アプリゲームを2作品とも運営失敗しました。
それに伴いストーリーが中途で打ち切りとなりました。十分描かれたキャラクターもいますが、追加キャラクターなどはいまだにきちんとバックボーンが描写されておらず、一口に円満終了とは言いがたい状況にあるため、愛顧してくれたユーザーへの責任を果たしていないといえます。
ユーザー感情としてはこれが最大の問題
ですが、とはいえ売上が伴わなかった打ち切り作品の前例は世にごまんとあることから、客観的に見て極めて重大な問題とは言い難いのが正直なところです。

「アルゴナビスプロジェクト」における最大の特徴、ならびに問題は、「キャストの人生の一部を商品として扱っている」点にあります。

この作品は前述の通り、「リアルバンド」と呼ばれる「キャストによるバンド活動」のドキュメンタリー性に魅力を大きく依存しています
公式サイトの取り扱いでもわかる通り、とくに「Argonavis」「GYROAXIA」の2バンドは明確にこの作品の重要な「商材」です。

リアルバンドのメンバーはこれまで失言等の問題も出さず、ライブでは常に期待を超えるパフォーマンスを見せ、ユーザーの期待に応え続けてきました
利益面の正確なところはわかりません(クオリティの高さからみて、コストもそれなりにかかっていそうなため)が、2023年時点で「ライブはうまくいっている」と明言されていること、「株式会社アルゴナビス」の売上として発表されていた数億円の出どころが(時期的に)ライブとグッズの売上以外に考えられないこと、これまでライブを縮小するような動きはなかったこと…などから、他部門に比べればライブ(とそれに伴う物販)は利益を出していた可能性が高いと考えられます。

株主総会文字起こし(2023年9⽉26⽇)

彼らが、なんの責任もないアプリゲーム部門の失敗によって活動休止を余儀なくされるようなことが、あっていいのでしょうか。

メンバーの中には、スカウトでこれまでのキャリアを終了させ、この作品のためにブシロードの所属タレントとなった方もいます。「アルゴナビス」のヒットを前提としていたことは想像に難くなく、この建付けをとった以上は、始めるにも止めるにも生半可な覚悟でやっていいわけがありません

とはいえ、商売はそんなに甘くないので、頑張ってもダメだったなら誰を責められるというものでもありません。
本当にヒットのために頑張ったのか?がこの記事の焦点となります。

本当に黒字化する気があったのか

実際は細かい要因の積み重ねだと思いますが、明らかに大きな要因である「アプリ」関連に絞って書いていきます。

アプリ1作目について

アルゴナビス from BanG Dream! AAside 公式メモリアルブック(イラスト集)

アプリ1作目「AAside」(ダブルエーサイド、通称「ダブエス」)はコロナウイルスの流行と何度かのリリース延期を挟み2021年初頭にリリースされました。全曲3DMVつきのリズムゲームで、優れたシナリオとイラストはユーザーにとても好評でした
一方、明らかにバグが多く動作性が悪い、未完成の状態でのリリースであり、運営においても市場調査の甘さ、コスト管理の甘さ、運営両社の連携の甘さ…が、ユーザー視点でも見てとれました。どれだけ延期してもバグ修正を間に合わせられなかったDeNA側にも、アプリに連動したグッズ販売や広告展開を絶対にずらせないなど都合を抱えたブシロード側にも、大きな問題があったものと思われます。
このアプリはリリースまではヒットを目指して頑張って作っていたことは明らかですが、当時の心象を正直に申し上げれば「DeNAさん側はあまり運営にやる気がないなあ…」であり、もしバグがなくリリースされていてもあまり続かなかったのではないか、と思っています。

ゲーム開発とは

この件や他のアプリの失敗などをふまえ、ブシロードは「ゲームの質では勝負しない」旨の発言をしています。
「原神」「ウマ娘」などリッチに作られたアプリゲームが市場を席巻しているのを受けてのことで、現在はあらゆる会社が「リッチなアプリの開発に挑む」「カジュアルな作りにして、アプリ売上以外で利益を得る」に大きく分かれています。

リッチなゲームの開発は難しい

なぜブシロードは前者に挑戦できないのかというと、「ゲーム制作会社(スタジオ)を持っていないから」と想像されます。
すべてのゲームはヒットを目指して制作されていると思いますが、ゲーム制作会社にとってはきちんと手間と予算をかけてゲーム制作に挑むことはスタッフの育成、技術の研究になるため、万が一ゲームそのものがヒットしなくても「技術成長」が残り、次回作のヒットへ繋がる大きな糧となります。
一方、ゲーム制作部門を有していないブシロードにとっては「売上が黒か赤か」しか結果が残らないため、ブシロードにとってリッチなアプリゲームを作ることはハイリスクで、残るものも少ないです。
この問題を筆者は2021年ごろから感じていたため、「アプリゲームの開発会社を買収したりするんだろうか」と思っていましたが、実際は2023年には「アプリゲーム事業の縮小」の方向へと進むことになりました。

アプリゲーム事業の方針転換

2023年6月期通期決算・中期経営計画説明会より

この世にはかつて「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」という一斉を風靡したアプリゲームがありました。体感でいうと10~30代の7割くらいはやってました(多分)
上記資料の通り、ブシロードはこのアプリの「2」でえげつない失敗をしました。理由は色々考察されていますが、「2で進化しているどころか前のほうがよかった」という意見をよく見ました。
このアプリは「1」も含めかなりいろいろあったこと、「1」を習慣としてプレイしていたユーザーを別アプリである「2」に呼び戻すのは難しいこと…などから、一概に「ブシロードのせい」とも言い難いのでは、と筆者は思っていますが、ユーザーの多くはブシロードのせいであると認識しました。Twitterトレンドがブシロードへの非難で埋め尽くされる、株価に大きく影響するなど、大きな事件となりました。

2023年6月期通期決算・中期経営計画説明会より

この失敗をはじめとした「デジタルコンテンツ(アプリゲーム)ユニットにおける見込み違い」から、2023年8月には積極的な撤退(終了)へ方針が変更されました。これにより、長く運営されていたアプリの多くが終了しました。
既に長期運営されていたタイトルについては、いつか来る終わりが少し早まったかもしれない、という状況だったと思いますが、問題はどう見ても今後発表される新規タイトル、つまりアプリ2作目「キミステ」にも適用されることです。全然関係ないタイトルの大赤字のせいなのに

というか、ソースを見つけられなかったのですが、このころ「場合によってはアプリ事業を完全に撤退する」とすら書いた発表もあったように記憶しています。アンビション(制作会社)は頑張って作ってる最中なのに

アプリ2作目について

言いたかないですが、過去に1作目が失敗しているのだから、2作目が一発大逆転が狙えるハイエンドアプリなわけがありません。どう考えても「ヒット」はしません。この方針転換で、社内からも既に「撤退」の対象とみなされていることは明らかです。

終わるために出すゲームがあるわけがない。そのため、筆者は当然「キミステ」では以下のような対策が裏で取られているものと考えていました。

  • アプリ開発中止
    新アプリも楽しみにしていたので嫌だが、それによってプロジェクトが終了するよりは良い

  • 「ファンアプリ」的な内容となる
    ゲームアプリとしては最低限の内容でストーリーを読ませることを重視し、ゲーム外で利益を得る形式のアプリになる

  • カジュアルゲームになる
    ゲーム部分が非常に簡単で、ストーリーに対して少額課金させるアプリなど、コンソールゲームのDLC販売に近い課金形式や、広告つきなどの形態

  • 買い切り型など、完結したパッケージのゲーム

from ARGONAVIS新アプリ「キミステ」がついに本日から配信開始に

結論としては、2作目はとくに工夫のない「従来(ガチャ)型の低予算育成ゲーム」でした
筆者的にはある意味で予想をはるかに上回るものだったので、ゲーム自体はとても楽しめました。

市場は「ブシロード産アプリゲーム」そのものを警戒しているという状況で、しかも「前作より劣るゲーム性の2」という同じような轍で、宣伝もまったく行われず。売上以前にダウンロード数もまったく伸びず宣言通りの早期撤退となりました。

業界全体のカジュアルゲーム方面への転換

「ガチャの魔力」から解き放たれたユーザーが増え、従来型のアプリゲームが次々失敗していく中、「カジュアルな作りにして、アプリ売上以外の部分を担保する」方針のアプリ・会社は、現在明らかに増えています。
広告で収益を得るアプリは大型アニメ系IPでも多数見られるようになり、ブシロードからも2025年1月には買い切り型かつカジュアルゲームの分類であるアプリがリリースされました。これが、決算資料にて長らく2作目「キミステ」と並行して"開発中"と明記されていたアプリと考えられます。

この傾向は2022~3年ごろにはユーザー視点でも顕在化していたため、開発現場レベルではその少し前から対策を考えていたはずです。
ブシロードが決算説明にて方針転換を表明したのは8月ですが、発表以前から内部ではわかっていたはず。上述のゲームも開発中に方向転換した可能性が高いように思われます。

「キミステ」はなんのために生まれたのか?

方針転換発表から約半年後のリリース、本当に広告機能のひとつすらつけられなかったのでしょうか
そもそも会社が方針転換を発表したのが2023年8月だっただけで、ユーザー視点では「ダブエス」リリースの2021年時点でも、明らかに市場へアプリゲームで参入するのは困難な状態でした。

本当に誰も「このまま作ったらまずい」と思わなかったのでしょうか。

真実はわかりませんが、少なくとも「"早期撤退は決まっていたが、しょうがないのでリリースした"ように見える」ことは事実です。

「株式会社アルゴナビス」について

会社や自社IPのブランドイメージを守るため、やむなく開発を中止する」というケースも近年よく見られます。「あの会社また失敗したなあ」と思われるよりは、開発費をまるまる損するとしてもリリースしないほうがマシ、残りの開発・運用期間分の損失よりマシ、という判断です。この判断はできなかったのでしょうか。

「ダブエス」サービス終了後の2022年2月、「アルゴナビス」を運営するための子会社が設立されました。設立理由については「連携を取りやすくするため」「ファンを不安にさせないため」と説明されており、どれも嘘ではないのだと思われます。

一方で、株式会社アルゴナビス設立から約半年が経ったあと、子会社が3期連続で赤字を出したらすぐに撤退する旨が発表がされました。

「事業計画及び成長可能性に関する事項」(2022年9月27日発表)

子会社事業の黒字化までの期限が設定され、その期間をアプリ開発で消費することが決まっていた株式会社アルゴナビスが2期内に黒字転換することは難しいことでした。
この首に刃を突きつけられたような状況で黒字転換を狙う大きな仕掛けができるわけもなく、アプリの仕様変更や開発中止といった判断も困難だったかもしれません
その後株式会社アルゴナビスは再度吸収合併されることとなりました。

これによって傷ついたブランドイメージって、「アルゴナビス」だけでしょうか。
本社側でコストをかけてでも助けたほうが、総合的にみて「ブシロード」のブランドイメージが守られたのではないでしょうか。

アプリに依存しないIP運用

2023年8月の方針転換後、2024年9月にさらなる方針転換をします

事業計画及び成長可能性に関する事項(2024年9月26日発表)

ついにアプリゲームにとらわれないIP開発」という方針が明言されました。2023年8月の時点でも世の中はそうなっていたんですが

この方針発表の約1週間後に、「キミステ」の終了に伴う「アルゴナビス」休止が発表されました。かなりパフォーマンスっぽいタイミングです。
なにより、「アプリゲームにとらわれない」という方針転換と矛盾した動きです。

プロジェクトとしては、キャラクターコンテンツの核となるアプリゲームサービスが無くなってしまうなかで、リアルライブやその他の活動のみでプロジェクトを継続していくことが現段階では難しいと考え、
プロジェクト自体の活動を2025年内を以て、無期限の活動休止に入らせていただきます。

from ARGONAVISプロジェクトより大切なお知らせ

疑問と懸念と展望

あのさあ…………

  • 早期撤退が決まっていたのにリリースしたようにしか見えない

  • 市場調査や対策をきちんとしていたらこうなっていたはずがない

  • もっと軽傷で済む変更・決断タイミングはこの3年でいくらでもあった

  • この状況で、他のIPは「アプリゲームにこだわらず展開」し「大切にする」が、「アルゴナビス」は諦める

事実がどうというよりも、この状況でユーザーに「理解しろ、飲み込め」というのは無理筋では?と感じます。
実際のところはしょうがなかった、などと想像はできますが、もっと賢く動いてくれたらどうにでもなったような気がしてなりません

明日は我が身

冒頭から述べている通り、「アルゴナビス」はバンド活動をするキャストの「人生」が商品の一部です。気軽に始めたりやめたりしていい作品ではありません。
そしてブシロードの他の主要オリジナルIPもほぼすべてこの形式をとっています。他のIPやあなたの推しが大丈夫という保証はまったくありません。決算資料の「IPディベロッパー戦略」のページは「バンドリ!の例」という表記から「例」が消えています

今回の「アルゴナビス」への決定に抗議の姿勢を見せることが、他のIPを守ることにつながるかもしれません。
署名への賛同とシェア、株主質問でご質問いただく、SNSでの表明、その他諸々…のアクションに、もし可能であればご協力ください

本当に休止の必要があるのか

休止の発表後も、ライブには2500~程度の動員があります。推しのライブにしか行かない人、海外や地方にいて現地に来られない人、逆にライブしか行かない人…などもいるので、総数はもう少し見込めるように思います。既存ファンのコア化(推し以外のライブにも誘導したり、関心のなかったメディアミックスに興味を持ってもらったり…)を進められればそれなりの顧客数が見込め、「以前はファンだった」という離れているライト層も相当数います

正直、そのうち「新規IP開発よりアルゴナビスを復活させたほうが早い」という日が来る気がしています。

IP制作の内製化がうまくいったらいいね

ここまで読んで思わなかったでしょうか、そもそも主要な展開を他社に依存してるのが悪いのではと

「バンドリ!」のアプリ「ガルパは、2024年1月時点で運営元を自社に変更し、利益を大きくとれる体制になりました。これによって可能な限りアプリを続けられるようになっています。
さらに、この先別の形でのコンテンツ展開になったとしても、「ガルパ」のコアメンバーが独立した会社フロムトーキョー」との資本業務提携が実現しているため、IP制作スタジオを実質的に内部化できており、「ガルパ」と変わらない品質のコンテンツ展開が見込めます。すごく良い関係性が構築できているように感じます。

裏を返すと、「キャラクターIPを内製できる体制づくり」はここまでに行われてきていません。アルゴナビスも「シナリオやイラストを安定して制作できる機構がない」ことが「アプリ抜きでプロジェクトを運営することが難しい」ことの一因と考えられます。
社内でのIPのコア部分(イラストやシナリオ)の制作・クオリティ管理が「バンドリ!」で実現したら。そして他のIPでも、「アルゴナビス」でも実現したら、プロジェクト再開の土台ができたといえるのではないでしょうか。

まだやれる

「手は尽くした」「やれることはやった」うえで「完結」と言うなら、寂しさ、悔しさはあっても「最後まで見守ろう」という気持ちで受け入れられました。
はたして、ここまで読んでくださった方は、そう思われたでしょうか。

色々言いましたが、赤字でも運営を続けてくれていたことそのものに感謝しなければならないのは事実です。
しかし、いい作品を作っていても、それを黒字化するための工夫が無いという状況が続き、「から回ってるなあ」と思う7年間でもありました。「どれだけ失敗してもかたくなに同じやり方を続けていた」とも感じます。

筆者は、定期的に行われるライブで、出演者の皆様、それをサポートするスタッフさんたちが素晴らしい公演を作り上げてくれるたびに、本当に素敵なプロジェクトだ、と実感していました。面白い施策、コラボなども多数あり、楽しい体験がたくさんできました。一方で、大きな方針が明らかに間違った状態で進み続けていることを不安に思い続ける日々でもありました。ファンですらそうなんだから現場のスタッフさん、キャストさんの不安はいかばかりか、と思ってしまいます。

2022年後半以降の「アルゴナビス」は明らかに人手が足りていませんでした。ファンクラブコンテンツの拡充が手薄でユーザーの囲い込みもあまりできず、いまだに映像のサブスク配信やYouTube発信をあまりしておらず新規はどこから入るというのか、という状態でした。あまり宣伝してないので、上述の素晴らしい魅力は現地に来ないことには伝わりません
宣伝不足のままライブの動員がけっこうある状態なので、宣伝すれば絶対にもう少し伸びます。アプリ1作目の前後とはコロナ禍で比較しようがありませんが、2022〜3年の間もほぼバンド活動のみでじわじわと動員を伸ばしています。

「from ARGONAVIS」、全然伸びしろあります。まだやるべきことはたくさんあるのだから

「覚悟」

何度も述べている通り、音楽制作とキャストの音楽活動は非常に優れた内容でした。舞台「ナビステ2(ライブスタッフ・キャスト+シリーズ脚本・毛利亘宏の演出による舞台)では、プロとして音楽活動することになるキャラクターたちへ「音楽活動への覚悟」を問う、という縦軸でストーリーが描かれました。

主人公・七星蓮は「音楽にすべてを捧げます」と高らかに宣言しました。すべてのキャラ、すべてのキャストを代表してのセリフでもあったと思います。「from ARGONAVIS」は、音楽にすべてを捧げる覚悟がありました。

この作品に限らず、ブシロードの他のIP作品も「ステージに立ち、歌い(演じ)続け、人生を捧げる覚悟」を描き続けています。どの作品でも演者はそれを体現し続けています
スタッフは、経営陣はそれをできているのでしょうか?自分たちの作った作品に恥じない会社になってほしいと思います

プロデューサーが示した「覚悟」が、「活動休止」という、「終了」を選ばないことだったのかな、と思います。自ら述べられていますが、きちんと"完結"させるほうが作品やそれを愛したファンに対して誠実な態度であるはずです。それでもまだファンやキャストへの責任を果たしていない、ステージを"降りる"タイミングではない、とした、その覚悟を信じたいと思っています。

署名を集めています

今回述べた内容はブシロードの他のIPのファンの方々もまったく他人事ではないと思いますし、エンタメ業界全体に通ずるコンテンツづくりの在り方タレントの雇用の問題などもはらんでいるように思います。
「アルゴナビス」を知らない方でも、ここまでで同意できる部分がありましたらぜひ署名に賛同をいただければと思います。

「アカウントが必要なのか」「本名が必要か」など、細かく説明した記事がありますので、署名にあたっての不安がある方はこちらの記事をご覧ください

まだ出会えてない誰かがいる

「アルゴナビス」の魅力は「体験」に、「熱量」にあります。「誰か」の人生に寄り添う物語を、音楽を、紡いできました
数字ではわからない魅力はこの世にたしかにあります。大ヒット人気作には当然あるでしょうし、そうでない作品にも必ずあります。
よかったら「アルゴナビス」のそれにも触れてみてください。

必要とする誰かに届くまで、彼らの音楽は残りますあなたがその「誰か」かもしれません。