勘当ガイドブック #毎週ショートショートnote
「国策ですから」
市役所の職員は、そう言って私に『勘当ガイドブック』を突き付けた。
ニートが急増し、政府は「勘当制度」を復活させた。勘当されたものは「無縁者」として戸籍から消され、絶海の孤島へ島流しにされる。
「そんな、非人道的な……」
私が躊躇すると、職員は冷徹に告げた。
「子離れさせられない親にも、一定の責任はあるんですよ? 息子さんが大切なら、今が自立のための最後の機会かも知れませんよ?」
その通りかも知れない。私ももう70歳。先は見えている。寿命が尽きた後、息子はどう生きていくのか……。
私は息子の将来を思い、震える手で署名し、印を捺した。
直後、私は背後から組み伏せられた。
「ふぅ……危ない危ない、ギリ、こっちが早かったみたいだね」
その声に顔を上げると、息子が署名済みの「勘当書類」を手に、薄笑いを浮かべて立っていた。
太字で書かれた文字が、目に飛び込んでくる。
【勘当権は、先行申請者に帰属する】
本文409文字
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実は常夏の島に送られ、充実した余生が約束されるのはナイショです!
陽に灼け尽くしたお父さんは、昔取った杵柄とやらで、毎日波乗り三昧なのだとか!
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