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海外の友人と熊対策について話し合ってみた結果、不安しかない。

ワールドシリーズを見ながら…

カナダ、アメリカの友人(一人は従弟)数人とzoomを繋いで、ドジャース対ブルージェイズの試合を観戦していたのですが、そのイニング間に日本の「熊被害がひどい」という話になり、そこから海外の「熊事情と対策」について話を聞きました。

ワールドシリーズも熱いですが、この議論も熱い展開となりました。
その日の試合同様(18回の、まさに激闘!)、少し長いですが、これを機会に「熊対策」について考えてみていただきたいです!

海外の熊被害と対策

カナダ、アメリカともに、毎年熊の被害があり、死者も出ているそうです。
特にカナダでは、日本のヒグマに当たるブラウンベアの他に、ブラックベア、ハイイログマ(グリズリー)、ホッキョクグマ(シロクマ)による被害もある、ということでした。

ただし、重篤な被害のほとんどが、

「人間が熊の生息域に赴いた」

結果であり、日本のように住宅街に現れることはあっても、重篤な被害が出ることはほとんどない、ということでした。

狩猟が趣味の方も多いので、その最中とか、ハイキングに赴いたり写真を撮影しようとして熊に近付いて被害に遭うのだそうです。


日本との違いは何か?

「住宅街で被害が少ないのはどうして?」
素朴な質問をぶつけてみました。
答えは簡単。

「みんな銃を持ってるからね」

なるほど。とてもシンプル。
そういう友人も6歳の頃には狩猟を始めた、という話。実際に銃を与えられたのは12歳の時だそうですが、父親と狩猟キャンプに出掛けていろいろ学んでいたそうです。

なにせ彼らは「狩猟民族」。
狩猟は生きる糧であり、時代が進んだ今はメジャーなレクリエーション。

「農耕民族」の我々が小学校の頃に「田植え体験」するのと同じような感覚で「狩猟」に出掛けるわけですね。

向こうでは、熊が出たらまずは銃を取るそうです。
銃がない家庭でも、ご近所数軒に声を掛ければたちまち銃を手にした男たちがワサワサと集まってくるのだとか。

警察に連絡するのは、熊を追い払うか仕留めた後だそうです。

「警察にさえ『獲物は横取りさせない』という気持ちがあるのかもね! hahaha!」

と、さすがの余裕っぷり。


日本の対応はどうか?

ここから、ちょっと耳が痛い話かも知れません。
私は少しだけ、ご気分害しました。

日本の対応を聞かれたので、日本では熊が出たら警察や自治体に通報をして対応してもらう、と伝えました。

彼らはとても不思議そうな顔をします。
以下、会話の流れをできるだけそのままにお伝えします。

「自治体? 彼らは銃を持っているのか?」
「自治体は持っていない。警察は持っている。」
「日本の警察は38口径しか持ってないだろう?」
「その通り」
「38口径で熊と戦わせるのか! クレイジー! それはスーサイドミッションというやつだよ!」

要するに、熊に対して38口径はほとんど無力だと言うのです。
38口径の威力では表皮に弾かれるし、もし頭蓋骨などに当たったとしても撃退するほどのダメージ(衝撃力)は与えられない、と。

「嫌がらせをされたと思うのがせいぜいだろう。熊が怒り狂うだけだ!」
「君たちは熊を甘く見過ぎている。身体の頑丈さだけじゃない、熊は非常に狡猾で頭がいい。対応を変えないと学習して増長するぞ?」

それは、決してからかって言っているわけではなく、心の底からそう考え、心配してくれていると思える表情でした。

そして今、まさに「熊は学習」して「人間を食料」もしくは「食料を持っている存在」として認識し始めていると思えるフシが、私にも感じられる。

彼らの言う「熊」と、日本で一般的な「ツキノワグマ」との違いはあるでしょうが、それでも相手が熊なことに変わりはなく、土地は違えど「捕食者の頂点」として君臨していることは間違いのない事実。

銃社会アメリカのような「民間対策」は無理だとしても、何らかの対策を講じなければならないことに変わりはありません。


猟友会の対応にも懐疑的

銃の話になったところで、猟友会の話をしました。
ここでも彼らは不思議そうな顔をします。

「民間の団体? 他に対応ができる公的組織はないのか?」
「自衛隊があるけれど、法的に派遣が難しいみたい。」
「バカを言うな! 民間人を危険に晒すのはOKで、公的な部隊を派遣するのがダメなどという法律があるものか!」
「どうも、それがあるみたいで…。」
「私にはわからない。自衛隊は国民を守るためにあるのではないのか?」
「そうなんだけど、熊は想定外みたいで…。」
「法律は守るのに、国民を守らない? 言ってておかしいことに気が付かないのか!?」

ほんとに、まるで自分のことのようにエキサイトしてました。
軍務経験を持つ友人には、信じられないような話だったのでしょう。

日本が取れる対策について尋ねる

「何か提案はあるか?」
と聞いてみました。

以下、示された案を箇条書きにしていきます。

法整備が必要な提案
・ 自衛隊を派遣できるようにする
・ 猟友会を一時的に公務員扱いにして対応する、もしくは公的な「熊専門対応部隊」を新たに組織する
・ 警察官により重装備をさせる(初速の速い銃など)

実行可能性があるが効果が不確定な提案
・ ヘリやドローンで熊の生息域にエサを撒く
・ 生息域の境界を電気柵で取り囲む
・ サメ撃退用の「ショック棒(電気式)」を住民に配る

いずれにしても、
「人間=食料」とインプットされた可能性のある熊を、早期に駆除するのが最優先だろう、ということでした(小熊も含めて)。

「捕獲して山に返す」は、彼らに言わせれば絶対にダメらしいです。
いずれ必ず食料を求めてまた町に出てくるだけだ、とのこと。また「捕まっても大丈夫」と熊が学習して、人間を甘く見る可能性がある、と。

このあたり、動物愛護の観点から見れば異論のあるところだとは思うのですが、そうした面ではかなりドライな感じでした。彼らの中では、同じ熊でも愛護すべき対象とそうでない対象について、きちんと区別がついているようです。このあたりも日本とは違いますね。

また、熊が狡猾でしつこい例として、熊に狙われたハイカーがバイクで逃げても30km以上も追い掛けてきた、という報告もあるのだとか。まるでバイクが「道路しか走れない」ということを知っているかのように、森の中をショートカットしてきたのだそうです。

どうも、私の脳内にある「熊の知識やイメージ」とはかけ離れた部分が多々あり、まずは熊に対しての知識を個人レベルでバージョンアップする必要があると感じました。

少し前まで「熊に出会ったら死んだフリ」なんていうのが、まことしやかな熊対策として語られていた事実を考えても、まずはそこが一番重要な気がします。


熊鈴と熊撃退スプレー

日本での主な対策に、この二つが挙げられます。
この効果はどうなのでしょう?

熊鈴

大きな音で熊を寄せ付けないようにする。ラジオやホイッスルなども同じような意味があると言いますが……。

「人間=食料と学習した熊にとっては、『音=食料』になるだろうね。場合によってはその音で熊が寄って来るかも知れないよ。」

むぅ……。確かに「食料がありますよ!」って宣伝してしまう可能性もあるというわけですね…。

ちなみにアメリカやカナダでは、「熊鈴」は売られていますが一般的ではなく、日本でいうところの「お守り」みたいな位置づけのようです。

アメリカの友人はplacebo(気休め)と表現してました……。


熊撃退スプレー

とうがらしなど、熊の嫌う成分を発射して熊をビビらせ、あわよくば五感を奪って逃げる時間を稼ぐための装備(と、私は認識している)。

「正しく使えれば、効果はあるだろう。だが、射程距離はせいぜい数mだろう? 熊にそこまで接近されながら、落ち着いて正しく使用できる人間が、果たしてどれくらいいるかな? それに、風が強かったら使えないぞ?」

……うーん、確かに仰る通り。

熊にとっての数mは、ほんの一飛びでしょう。
正しく使用できたとしても、その時は既に熊に飛び掛かられている可能性が高い。

よくて相討ち。しかし、熊のダメージに対してこちらのダメージは、まさにクリティカルなものとなるでしょう。

また、値段の高さもネックらしいです。
熊スプレーが$30~$150らしいのですが、使い捨てで使用が難しく、効果もまちまちであるのに対し、$120も出せば中古でそれなりの猟銃が手に入るため、森林警備員くらいしか持っていないのだとか(もちろん銃も持った上で)。

日本ではどうなのか、というと、¥4,000~¥8,000くらいで手に入るような感じでした(Amazon調べ)。¥1,000代の物もありましたが、容量がとても少ないので、ご購入を検討される場合は注意が必要です。


突き付けられた現実。ど素人にどうしろと?

私が導いた結論は、「今のままではダメ」です。
個人でできるような有効な対策案は浮かびませんでした。

確率の話になりますが「出会ったら負け確定」くらいの意識で生活するしかありません。

こちらが出会わないようにしているのに、向こうから赴いて来る場合が多くて困ってるわけですが、世間で言われているような「消極策」では、結局のところ何の解決にもならなそう。

私の住む宮城県では、お花見で有名な住民憩いの場であるはずの「西公園」で熊が目撃されました。道路を横断すれば青葉通りを経由して、徒歩でも15~20分で仙台駅に着く「街中」です。

片側三車線の道路を渡ればすぐ小学校があり、山の方に向かえば東北大学のキャンパスがある場所。美術館や高校も何校かあり、通学時間帯の歩道は学生だらけです。

加えて、私の住む家から直線距離にして1km圏内で、熊の目撃情報が今年だけで3件ありました。

とうとう町内会から「夜のゴミ出しを控えるように」というお達しまで出ました。ゴミの匂いで熊が寄って来るかも知れないから、とのこと。

それでなくても地震や水害で「日本中、安全な場所はどこにもない」と言われているのに、そこに「熊問題」まで持ち上がってしまっては、不安は大きくなるばかり。

もはや「田舎の話」ではありません。
都会に暮らす方も含め、全員で真剣に「熊問題」を捉え、考えていかなければならないと思います。

さいごに

海外のごく一部の方々の話を聞いただけですので、これが「正しい」とか「一般的」というつもりはありません。もしかしたら明らかに「間違っている」可能性すらあります。

ですので、あくまで皆さんが「熊問題」について考える時に「頭のどこか片隅に置いておく」くらいのレベルで捉えていただければ、と思います。

いずれにしても他人事ではなく、自分事として「熊問題」を考えていただくキッカケになれば幸いです。

長くなってしまいましたが、これでもかなり「詰めた」と思える白熱した話し合いになりました。



今日も山形県、福井県、宮城県、福島県などで目撃情報がありました。
小学校や高校を含めた、いずれも「人の生活圏」での話です。

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