#402 どんな質問しても同じ答えしか返ってこない男
「それでは、本日はよろしくお願いします。」
記者は軽く頭を下げた。
「えー、まずはヨシカワ選手。世界柔道90kg級優勝おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「まずは率直な今の心境を教えていただけますか?」
「んー、まあそうですね。正直優勝できるとは思ってなかったんですよね。表彰台目指して一戦一戦頑張っていたら、いつの間にか優勝してたみたいな感じなので。でも本当に嬉しかったし、すごく自信になりましたね。」
「なるほど。前回大会では悔しい一回戦敗退でした。その悔しさは今回の優勝にどのように影響してるんでしょうか?」
「んー、どうでしょうね。でも正直優勝できるとは思ってなかったんですよね。表彰台目指して一戦一戦頑張っていたら、いつの間にか優勝してたみたいな感じなので。でも本当に嬉しかったし、すごく自信になりましたね。」
「そうですか。えー・・大会前に左膝を怪我されて、その状態が心配されていたと思うんですが、怪我の影響っていうのは無かったんですか?」
「んー、そうですね。なんていうんだろう〜・・正直優勝できるとは思ってなかったんですよ。表彰台目指して一戦一戦頑張っていたら、いつの間にか優勝してたみたいな感じなので。でも本当に嬉しかったし、すごく自信になりましたね。」
「・・・えっと〜。怪我の方はもう治ったと言うことでよろしいでしょうか?」
「いや、あの〜・・正直優勝できるとは思ってなかったんですよね。表彰台目指して一戦一戦頑張っていたら、いつの間にか優勝してたみたいな感じなので。でも本当に嬉しかったし、すごく自信になりましたね。」
「それはもうわかったので。え、質問聞いてますか?」
「え?」
「あの、僕の質問・・聞いてますか?」
「はい。まあ正直優勝できるとは思ってなかったんですよね。表彰台目指して一戦一戦頑張っていたら、いつの間にか優勝してたみたいな感じなので。でも本当に嬉しかったし、すごく自信になりましたね。」
「だからもうそれはわかりましたので!あの、もっと他のことも知りたいんですけど・・。」
「そうなんですよ。正直優勝できるとは思ってなかったんですよね。表彰台目指して一戦一戦頑張っていたら、いつの間にか優勝してたみたいな感じなので。でも本当に嬉しかったし、すごく自信になりましたね。」
「なんだこの人!あの、すみません。質問聞いてもらえます?」
「はい。正直優勝できるとは思ってなかったんですよね。表彰台目指して一戦一戦・・・」
「あー、もうもう!わかりましたから!優勝できると思ってなかったけど、優勝できたのはわかりましたから!」
「はい。」
「ファンの皆さんは、もっと色んなことを知りたがってると思うので。質問の方よく聞いていただけると〜・・」
「はい。」
「好きな食べ物はなんですか?」
「ん〜・・そうですね。正直優勝できるとは思ってなかったんですよね。表彰台目指して一戦一戦頑張っていたら・・・」
「なんだこいつ!ダメだ!柔道強いけどバカだ!会話にならない!」
「は?今バカっていいました?」
「・・・え?」
「お前バカって言ったか!?」
「あ、いや・・」
ヨシカワは立ち上がると、インタビュアーを背負投した。
「おい!!いいか!?正直優勝できるとは思ってなかったんだよ!!でも表彰台目指して一戦一戦頑張っていたら、いつの間にか優勝してたんだ!!だから本当に嬉しかったし、すごく自信になったんだよ!!」
「こいつこれしか喋れねえのか!?」
