【FaB】なぜ競技イベントに参加するのか
ヤナギです。Flesh and Bloodをやっています。
ちなみに本記事の短縮前の題は
「なぜ"割高な参加費を払ってまで"競技イベントに参加するのか」でした。
私はいわゆるコスパ人間です。そんな私の観点で、競技イベントに参加する動機と、FaBはやっているが競技イベントには出たことがないというあなたにおすすめする理由を話します。
■どうしたって耳に入る話題
FaBをしばらくプレイしていると、周囲の人々が近い日程の競技イベントについてソワソワし始めるのに気づくと思います。
アーモリーに出たての段階、少し上位のスカーミッシュに出始めた当時の私は、はっきり言って「自分には関係ない話だな」と思っていました。 率直に言って「参加費が高ぇ」からです。
「ベスト8以上の賞品に価値がある」という反論は想定されるのですが
「勝てるわけないから関係ない」のです。

このポストは当時の私の率直な気持ちであり、考えや行動は変化するので、過去を悔悟したり意見を取り下げる気は毛頭ありません。
なんなら「いつもの人が勝つ」は今でも思っています。
その思いの出力結果が「だから出ない」だった所、今は「ブッ倒してやる」に変わっただけなのです。

■催しとしての競技イベント種別
競技イベントを種別する時には「Tier」というレベルの概念がありますが、これは主にルール適用度の尺度であるため、もっとざっくりと催し事としてTier2と3の各イベントを分類しました
※Tier1がアーモリーとスカーミッシュなので、そのすぐ上の層という事です。
A群:カードショップが開催する競技大会
・各々のカードショップがプレイヤーを募り、ショップのプレイスペースや店外の会場をレンタルして実施されるイベントです。
概ね"プロクエスト"や"Road to Nationals"など、後に続く大型大会の予選である事が多いです。
B群:LSS社のワールドツアーに組み込まれている競技大会
・(実際には現地ショップが主催/受託しているのですが)LSS社のスケジュールに沿って、大型会場で実施されるイベントで "コーリング" や "ショーダウン"が該当します。
また現状日本のみの開催ですが "ヒーローズスクランブル" もこちらに含めます。
いきなり「高ぇ」と吐き捨てた参加費用ですが、前者で4,000~5,000円、後者で8,000~12,000円(ヒロスクは4,000円ほど)と、カードゲームや対戦競技に馴染みの薄い私の目から見ればやはり高額です。
またB群については、参加するだけでもらえるイベントプロモカードなどを売却する事で数千円は返ってくる見込みがありますが、A群は大体その時のGEMパックがもらえるだけと、確約されている見返りはアーモリーイベントと同じだったりします。
私がこれらを認識して最初に思った事は
「B群の方が高いけどメリットも明白、一方A群は参加費分のメリットが薄い」でした。仮に金額を当てはめると
「500円払ってアーモリーに出る価値は分かったが、5,000円払ってプロクエストに出る価値は分からなかった」という事です。
確定的に手元に残るのはどちらもGEMパック1個なのに、差し引き4,500円の価値/妥当性が後者にあるのか?と守銭奴の私は思ったのです。
その後つい流れで競技イベントに参加してしまい、今ではそれが当たり前になっているのですが、この妥当性について考え納得していった過程を主観ながら説明します。
■何に対価を払っているのか?
・主催側にとっての妥当性
あくまで想像する事しかできませんが、
a.ジャッジ様への報酬
b.会場のレンタル費(店外の場合)
c.店舗をほぼ1日占有する事で得られたはずの収入の補填(店内の場合)
を、いつものアーモリー費用に加えて我々は負担していると考えられます。
いずれも我々の直接的金銭的な便益には関係なく見えますが、強いて言えば
"いつもと異なるプレイ環境を享受できる"という点ではメリットがあります。ラグジュアリーな会議施設、広大な展示会施設でのゲームプレイを、快適性や非日常性という価値として感じ取る事ができるでしょう。
実際、日本選手権予選(Road to Nationals)で私は
「駅前のガラス張りオフィスビルの貸会議室」
「どこぞの自治体施設」
「ちょっと寂れたビルの貸会議室」
「いつもの店舗スペース」
という4パターンを経験しましたが、やはり前者に寄るにつれプレイ環境が快適で、参加費に納得感が大きかったのを覚えています。
競技参加に迷われていて、主な理由が費用であるとき、綺麗そうな会場とか、普段使わなそうな施設で開催されるイベントにまず出てみるのもいいかも知れません。
・自分にとっての妥当性
私が現在競技イベントに参加する理由は
"普段の遊びやプレイを経て蓄積したスキルを、競技イベントで効果測定する"という道筋に納得したからです。
そしてまだ競技に出たことのない方に妥当性を説くとすれば、
自分には関係ないと今思っている優勝賞金や賞品が、自分の射程圏内に入ったと思える瞬間がきっと来るからであり、
出てみないとその実感を重ねられないからです。
私は過去に部活動や習い事で"練習→大会”というサイクルを経験してきましたが「大会があるから、そのために逆算して練習する」といった意識は持っていませんでした。
「なんだか練習していたら、なんだか大会のシーズンが来るなぁ」という感じです。それが怠惰だったとか、後悔しているという話ではありません。 過去に空手、バスケットボール、サッカー等のスポーツを経験してきましたが、どれも自分は楽しくプレイし、楽しい思い出として現在の自分を形作る礎になっています。
ただ、こういった「競い合う前提で何かを楽しむ」事をやってこなかったのは事実です。そして「やってみてもいいかな」と今更思ったのです。やってこなかったのは嫌だからでなくそういう環境に居なかっただけですし、社会人になって新たにこういう経験ができうること、してみようかなと思う環境に居られることはそれ自体が得難い事です。
そしてFaBは基本的に個人競技です。
望まないなら誰かと連帯する必要はなく、
「まるで部活強豪校でしのぎを削っているような自分」を、あなたが何歳であっても味わう事ができるのです。
さて、スキルを蓄積して効果測定すると言いましたが、これはゲームの知識や理解度のみの話ではなく、胆力や精神力、果ては体力にも及びます。
FaBは判断回数の多いゲームです。
アーモリーに出るのでさえ、知らない他人とプレイするのでさえ最初は不安なはずです。
それに慣れるにつれゲーム進行においては合理的な判断が下せるようになり、ひとまず安心して楽しめる段階に至ります。
そしていざ競技に出てみると、いつも通りやっているつもりなのに、普段のアーモリーでは簡単に下せていたはずの判断ができなくなったり、間違ったりするのです。
これは競技に慣れているプレイヤーでも フィーチャーマッチ(配信されるマッチ)に選出されたり、またTierがより高い大会に出る際に改めて直面するようです。
アーモリーに出る/出ないの壁を越えたあなたが、競技イベントに出る/出ないの壁を越えた先にも、更に壁があるのです。
そしてその壁を順に超えていくと、いつかこう思う瞬間が来るはずです。
「自分には関係ないと思ってたこの賞金/賞品、もらえるならアドじゃね?」と。
FaBを日本で根付かせる方法として「賞金が高額なイベントを実施すること」にLSS社が腐心していた時期があると思うのですが、少なくとも私にはまるで刺さっていませんでした。 その賞金をもらえるわけがないからです。もらえない賞金が1万だろうが50万だろうが自分には関係ないのです。
今現在競技に出ていない方に「出よう」と思ってもらうには、私に刺さっていなかった"もらえるわけがない賞金や賞品の豪華さ"を説くのではなく、また「とりあえず出てみろ」と乱暴に言うのでもなく、それに手が届くかもしれないと私が思えた道筋をなるべく言語化しようと考えました。
■ヒーローズスクランブル名古屋に寄せて
冒頭にて、競技イベント参加に気後れするであろう理由を列挙しましたが
参加費が比較的高くない(4,000円)/稀少なプロモがもらえる/普段と違う会場でプレイできると諸条件揃ったヒーローズスクランブルは、競技イベントのデビューにはぴったりなイベントだと思います。
5月2日開催の名古屋大会より、かつて100万円だった優勝賞金が50万円にダウンしましたが、その分賞金がもらえる下限順位が下がり、広く行き渡るように改善されている事もいい変更点です。
「賞金がもらえるかもと思える日がきっと来る」と申したそばから、なんと賞金の方がこちらに近づいてきてくれました。
またカードゲーム界には"Play the Game, See the World.”というフレーズがあります。敢えて紙を用いて対面でゲームを行う事は現代の風潮と逆行していますが、ゲームを契機に訪れたことのない場所を訪れることを尊重する言葉です。
私も昨年のコーリング静岡で初めて静岡に降り立ち、見たことのない場所を見、食べたことのないものを食べました。

競技で真剣に勝とうとすると、この観光は削れていく要素でもあるのですが…それは削りたくなったら削ればいいのです。 まずは色んな事柄をまとめてくっつけて、小旅行の動機にしてしまいましょう。
ここまで熱弁しておいてなんですが、私はヒーローズスクランブル名古屋には不参加です(帰省の必要と重なり…)。
皆さんは貴重な機会をぜひ楽しんできてください。
またヒロスクが終わった後にこれを読まれた方も、競技大会に参加する事はアーモリーやスカーミッシュと地続きの事であり、同じゲームをプレイしながら違う視点や違う自分の一面に気づくいい機会であることを知って頂ければと思います。
オワリ
