キュンパスで、冬の長野へ。—お湯とお寺とスタンプを詰め込んで—
行き先が決まらないまま、時間だけが過ぎていく。
JR東日本の「キュンパス」は早々に手に入れていたのに、肝心の目的地が決まらない。
温泉入りたい。とか。
行ったことない地方がいい。とか。
ローカル線にも乗りたいな。とか。
できればレジェンドトレインスタンプラリーのワイドコースも攻めたい。とかとか。
限られた日程に込める期待と欲望が多すぎた。
そして、そこそこ直前になって決まった別所温泉。
上田にオンライン古本屋の実店舗があると知り、前から気になっていた。今回は休業日だが、温泉とローカル線は堪能できるはず。

上田までは北陸新幹線。初乗車。
窓の外、山が近い。
「山との距離」が地元の温泉地並みに近い。
ああ、こーゆーとこ、温泉出るよね。
平べったいところ(=ちば)からの落差が、遠くに来たことを実感させる。
上田からは上田電鉄別所線。
ローカル線の“ちょうどよさ”。
派手すぎず、でもきちんと誇りを持って走っている感じ。
きっぷ購入ついでに、ついオリジナル手ぬぐいを購入。
そして、すぐ使う。旅の道具は即戦力。
途中駅で「レイライン」の文字を見つける。
夏至の日のレイライン上にある神社らしい。太陽の通り道と信仰が重なる場所。
春分・秋分のレイラインには御縁があるが(玉前神社@上総一ノ宮)
夏至のレイライン、というのもあるのか。再訪してみよう。


終点、別所温泉駅。
いい雰囲気の駅舎。隣にはかつて走っていた車体も展示されている。
駅近くの日帰り温泉へ。
ここで初の“飲泉”体験。
硫黄泉。ほんのり卵っぽい。
ゆで卵の茹で汁を飲んだことはないけれど、きっとこういう感じだろう、という味。
身体の内外から温泉を摂取するという、なかなかに原始的な体験。
上がったあともしばらく、体の芯がほかほかしていた。

せっかくなので 北向観音参拝。
そして、今回の旅いちばんの衝撃。
手水場が温泉。
あったかい。湯気。ほんのりと硫黄のにおい。
しかも飲用許可付き。ガチで口をゆすげる。
参拝前に温泉で清めるという、情報量の多い体験。
湯かけ地蔵にお湯をかけ、ついにお寺の御朱印に手を出す。
神社は結構集めているけれど、お寺は初。
初モノ複数、これだから旅はやめられない。
温泉まんじゅうとおやきを手に、上田へ戻る。

新幹線で一駅ワープし、長野へ。
長野駅のスタンプゲット。
だがここで罠。
スタンプは改札内、景品交換のNewDaysは改札外。
順番を間違えたらアウト。危なかった。
NewDaysでSuicaペンギン(卒業無念)のゆず七味を購入、条件クリアし記念品をもらう。

せっかくなので 善光寺 へ。
2月の平日、閑散期のはずなのに人が多い。
半分くらいはインバウンドだろうか。
急ぎ足で参拝し、御朱印をいただく。
参道は、もっと時間をかけて歩きたい。食べ歩きの誘惑を振り切るのに一苦労。
境内では、お守りや御札と並んでBEAMSコラボのグッズが売られていた。
意外なコラボに舌を巻く。
帰りの新幹線前に、もう一度おやきを探す。
温泉まんじゅう屋のおやきは、まんじゅうよろしく生地ふんわりタイプだった。
「おやきってもっと『皮』っぽい感じなのでは?」
あれこれ探し回るが野沢菜は売り切れ。
キャベツを購入。
食べた瞬間、既視感。
ぎょーざだ。
長野と宇都宮は、思ったより近い・・・のか?。
長野から新幹線。
弁当を食べながら帰る。
温泉、ローカル線、スタンプ、寺社、そしておやき。
欲張ったはずなのに、最後は「冬の長野」ってことでまとまった。
キュンパスは、行き先を決めるための切符ではなく、
“行きたい理由”を自分に問い直す装置だったのかもしれない。
山の近さと、湯の匂いと、スタンプのインクの色。
その全部が、冬の長野の記憶になった。
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたチップは一人旅のおやつ代として使わせて戴きます!