相談の半分は、法務の仕事ではなかった──第2回
〜8月31日 09:30
Business Essay
法務部門の翻訳者になった、2年間の話
──第2回|「なんでも屋」と思われている
相談の半分は、法務の仕事ではなかった
2026.06.29 法務 組織 あるある キャリア
着任してまず取り組んだことは、相談の中身を仕分けすることだった。
どんな相談が、どこの部門から、どんな頻度で来ているのか。勘で動くより、まず状況を把握する。これはリーシング時代に染み付いた習慣だ。テナントとの交渉でも、肌感覚だけを頼りにすることはしなかった。現状を見てから、動く。
ただし、仕分けを始めるまでには時間がかかった。着任してすぐに相談が押し寄せてくるわけではない。まず部門の状況を把握し、部下と信頼関係を築き、どういう仕組みで相談を受けるかを整理する。その準備期間が、最初の半年ほどだった。仕組みが動き出してからは、文字通り猛スピードだった。
しばらくして気づいた。思っていたより、「本来の相談」の割合が少ない。
添削依頼という名の洗礼
法務部門あるあるの筆頭として、まず挙げておきたいのが「添削依頼」だ。
「先方から来たこの文章、なんかうまくまとめてもらえますか」──最初にこの種の依頼が来たとき、少し考えた。契約書の文言についての相談であれば、法務として当然向き合うべき話だ。しかしよく聞いてみると、そうではない。社内向けの案内文だったり、取引先へのメール文面だったり、果ては稟議書の書き方だったりする。
法務部門は、国語の先生ではない。しかし、そう言えない。言えないのが、法務部門の優しい地獄のひとつだ。部下は、こういう相談にも丁寧に向き合っていた。厳格な彼が、である。内心どう思っていたかは、あえて聞かなかった。
上司に聞けば済む話
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