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VRにしかできない枠線の中と外の新しい見せ方『Mescaform Hill: The Missing Five』:XR映画ガイド第36回

https://vimeo.com/702908816

『Mescaform Hill: The Missing Five』はナイジェリアの小さな町を舞台にした物語です。警官が4人と少女が1人行方不明になり、少女の母親が警察に助けを求めに来た所から物語は本格的に始まります。もともとはウェブコミックで最初に想像された世界をさらに広げてVRにした作品ということもあり、枠線などのコミック的な表現が様々な所に仕込まれています。しかし、それは2Dの表現をVRで行っているのとは違い、3Dの世界に枠線があるようなちょっと新しい体験をすることができます。実際、VRのインタラクティブ性を活用して、体験者を実際にその場所にいるような感覚に近づけることで、ストーリーに重みが増したと監督であるEdward Madojemuは語っています。

監督がVRのペイントツールQuillで作られた『Dear Angelica』に衝撃を受け、VRのストーリーテリングの威力を知ったこともあり、『Mescaform Hill: The Missing Five』もQuillを使用して制作されています。

この作品は2022年のトライベッカ映画祭の公式セレクションに選ばれています。

見所:VRにしかできない枠線の中と外の新しい見せ方

第10回で紹介した『Out of the Cave』がVRコミック的な表現でした。

『Out of the Cave』はそれまであったVR空間に展開するようになったVRコミックが進化し、VR空間にコミックとアニメーションがネイティブに作られるようになった所に新しさがありました。それに対して『Mescaform Hill: The Missing Five』は、アニメーションはもちろんするのですが、枠線の中と外を意図的に使います。枠が下に来たり、横に来たりするアプローチを見ると、VRでコミックをやる新しい意味というものを感じることができます。また、このような表現の多様さはとてもワクワクします。吹き出しに文字は描かれているのですが、複雑なストーリーではないですし、演出が良いので英語がわからなくても十分に理解できると思います。ぜひVRコミックによる新しい表現を確認してみてください。

作品データ

タイトル:Mescaform Hill: The Missing Five
ジャンル:アニメーション
監督:Edward Madojemu
制作年:2022
制作国:アメリカ
メディア:6DoF/VR

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