見出し画像

インタビュー vo3: Dans ma petite cuisine 代表セシルさん

第3回目となるインタビューは、アソシエーション Dans ma cuisine 代表のセシルさんです。約3年前から、彼女が開催する「スタージュ」と呼ばれるバカンス期間中のアクティビティに娘が参加しており、私自身もボランティアとして関わってきました。そして現在は、WSCとして料理教室の講師として参加させていただけるようになりました。

今回は、セシルさんがこれまでどのような道のりを歩み、この活動を続けてきたのかについてお話を伺いました。
ぜひお楽しみください。


Q. この活動を始めたきっかけは何ですか?

最初はボランティア活動を探していて、L’École Comestible という団体で活動していました。
Paris の11区ブルヴァール・ヴォルテールから始まった団体で、現在はフランス各地に拠点があります。そのほかにもいくつかの団体でボランティアをしていました。
その中で、子ども向けの料理ワークショップに強く心を動かされました。

私はキャリアチェンジを考えた時、教師になることも考えていたのですが、その活動には「料理」「子どもたちへの伝達・支援」という、自分の好きなものが両方ありました。

「自分が本当にやりたいのはこれだ」と感じたんです。

Le Café du Coin,Le Pré-Saint-Gervais  このカフェも彼女の活動に賛同しています

そして Seine-Saint-Denis には、当時まだこうした活動があまりなかったので、自分で団体を立ち上げたいと思うようになりました。

私自身、活動には必ず社会的な意味が必要だと思っています。
収入が少ない人や困難な状況にある人たちが、きちんと食べられること。
料理を囲んで会話し、交流し、学び合えること。
そういう「人と人とのつながり」が大切だと思っています。


Q. この活動で大切にしていることは何ですか?

食は、単に健康や栄養の問題ではありません。
大切なのは、一緒に集まり、料理をし、分かち合うことです。

料理は五感を使う体験でもあり、自分の感覚ともう一度つながる時間になります。

私たちは、食を通じた温かい交流をとても大切にしています。

地域のオーガニックマーケットへ訪問。地元の交流も盛りだくさんな活動です

Q. どんな人たちを対象に活動していますか?

赤ちゃんから高齢者まで、幅広い世代を対象にしています。

母子保健センターでの親子向けワークショップ、高齢者向け活動、障害のある方々へのプログラムなど、それぞれに合った形で実施しています。

できるだけ多くの人に届けたいと思っています。


Q. 子どもへの食育で大切にしていることは?

理論よりも、まず「体験」です。

子どもたちは、自分で作ったものなら食べてみようという気持ちになります。
実際に切ったり、混ぜたり、触れたりすることで、少しずつ野菜や果物への興味が育っていきます。

また、食材がどこから来るのか、どう育つのかを知ることも大切です。
できる限り、畑や菜園の見学も行っています。

みんなで収穫したラディッシュ!!

Q. 活動はどのように広がってきましたか?

5年前に始めた頃は、Le Pré-Saint-Gervais だけで活動していました。

現在では様々なエリアに広がっています。
新鮮な果物や野菜を手に入れること自体が難しい地域にも足を運んでいます。


Q. 学校給食についてはどう考えていますか?

まだ改善できる部分が多いと感じています。

多くの場合、給食は外部業者によって数日前から準備されています。
もちろん素晴らしい取り組みをしている自治体もありますが、もっと子どもたちと「本当の食」を近づけられる余地があると思っています。


Q. 食品ロスへの取り組みもされていますか?

はい。

仕入れ先から余剰食材や寄付食材を提供してもらうことがあります。
その時々の食材に合わせてレシピを変えています。

また、参加者自身ができるだけ多くの作業を行えるように工夫しています。

様々な場所を訪れて食と関わる子供達。

Q. 活動を通して、人とのつながりも生まれていますか?

とても多いです。

参加者だった人がボランティアになったり、就労支援中だった人がワークショップの進行役になることもあります。

高齢者向け活動の参加者が、今度は子ども向け活動を支える側になるなど、世代を超えたつながりも生まれています。


Q. 団体運営の難しさはありますか?

あります。

運営資金の多くは公的助成に依存しているため、将来を見通すのが難しい状況です。

常に新しい企画や新しい資金源を探さなければなりません。
しかも助成金は「革新的なプロジェクト」に向けられることが多く、同じ活動を継続することが難しい場合もあります。

でも本当は、同じ地域や同じ人たちと長く関わり続けることこそ大切だと思っています。


Q. 食について、どんな価値観を広めたいですか?

毎回お肉を食べなくても、おいしく豊かに食べられること。
旬の野菜や果物を選ぶこと。
超加工食品を減らし、もっと料理をすること。

そうした感覚を、もっと自然なものとして広めたいと思っています。

本当は誰もが、可能であれば質の良い食事をしたいし、子どもたちにも良いものを食べさせたいと思っているはずです。


この子供達の未来のために、私たちができることは?

Q. この団体を何かに例えるなら?

植物のような存在だと思います。

私たちは常に「生きているもの」や自然と関わっています。
少しずつ育ち、広がっていくものです。

私は「森」というメタファーが好きです。
野生の植物を受け入れるように、多様な人や関係性を自然に育てていきたいと思っています。

太陽のように明るく強い女性、セシル。

私は彼女の活動に出会ってから、本当に多くのことを学び、たくさんの力をもらってきました。

WSCはまだ種まきを始めたばかりですが、彼女たちのような活動と共に歩みながら、一歩ずつ、日本の食文化を通して「本当の豊かさとは何か」を未来へ伝えていきたいと思っています。

セシルさん、インタビューご協力ありがとうございました♡

Dans ma petite cuisene 


いいなと思ったら応援しよう!