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【3分間小説】研ぎ澄まされた夜の悪夢|怪獣 ― PEOPLE1

この作品はフィクションです。特定の曲や歌詞にインスピレーションを得て執筆していますが、実在の人物・出来事とは関係ありません。音楽をきっかけに生まれた短い小説としてお楽しみください。

本作品は、暴力的表現や言動が含まれます。トラウマがある方や、暴言を好まない方はこの時点でそっと画面を閉じてお戻りください。

「あいつ、飛んだってよ。」
横から同僚に話しかけられた。

「飛んだって?どっちの意味?」
何も考えられない頭で応えた。
「お前、辛辣だなw」
「行方不明だと。ワンチャン空飛んだのかもなw」
同僚たちと乾いた笑いを浮かべたあと、時間だけが淡々と進んだ。

気づけば深夜1時。強烈な眠気に襲われていた。
俺は椅子を倒し、机の下から毛布とアイマスク、ノイズキャンセリングのイヤホンを装着し、スマホのアラームをセットした。

1時間後、アラームが鳴る。重い体を起こし、目覚めの一服に向かう。喫煙室もないオフィスだから、喫煙者は外の非常階段でひっそりとタバコを吸う。

ドアを開けると同期がいた。十数人いた同期も、今や俺とこいつだけ。

「よう。仮眠明けか?」
「あぁ。お前は?帰れてんの?」
「俺は一昨日帰った。」
「帰れてんじゃんw」

もう普通の感覚は鈍っている。
「最近、嫌な夢見るんだよ。」
同期がポツリと話し始めた。

「どんな?」
「なんかさぁ・・会社の屋上から落ちちゃうんだよ。屋上に向かうまでの間は怖いんだよ。でも足が止まらねぇんだ。屋上のフェンスを登るのも止められなくて、足を踏み外すのもスムーズで。で、飛ぶとすっげぇ気持ちいいんだ。そこで目が覚める。」

あ、こいつもやばいのかもしれない。
「冗談じゃねぇよ。縁起でもないこと言うな。」
「まぁ所詮夢だしな。でも最近毎日のように見るから、ちょっときつくて。」

そんなことを話しながら席に戻る。
オフィスのドアを開けて1秒後、怒号が飛んできた。

どうやら同期がやらかしたらしい。隣で震え上がる同期。でも怒号を聞いていると、理不尽すぎる。

「お前本当に使えねぇな!生きている意味ねぇわ。こんなに会社に、社会に迷惑かけてよお。さっさとしんでくれねぇか?」
いい大人が、いい大人に放つ言葉とは思えない。

しかし、その怒号のせいで、いい大人が本気で恐怖に慄いている。

「・・は・・はい・・・。す、すみませんでした・・」

そう言って首を垂らした同期は、ゆっくり後退りしながらオフィスを出た。そこでハッとした。すぐに追いかけた。

同期は泣き叫びながら階段を駆け上っていた。

やめてくれ。お願いだ。やめてくれ!!!!

全速力で追いかけた。どんなに名前を呼んでも聞こえてないようだ。

屋上でやっと追いついた。フェンスによじ登っているところを、後ろからついてきた他の同僚たちと引き剥がした。

同期は
「しなせてくれ!!!!楽にさせてくれ!!!!」と泣き叫び続けた。

そんな同期を同僚に任せ、俺はオフィスに戻った。今までに感じたことのない憎悪が体の芯から湧き上がる感覚を覚えた。激しい怒りが込み上げているのに、やけにちゃんと手順を考えられる冷静な自分もいる。

もう限界だ。
このままじゃ、全員やられる。
俺が全部終わらせる。

給湯室に立ち寄り、真っ直ぐオフィスに戻った。

さあさあ怪獣にならなくちゃ 等身大じゃ殺されちゃう
今すぐ怪獣にならなくちゃ 最後の指を外さなくちゃ

怪獣|PEOPLE1

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しおりん🫖🫧 チップありがとうございます! 大変はげみになります。