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【3分間小説】流星群が流れる夜に|雪の音 ― GReeeeN

この作品はフィクションです。特定の曲や歌詞にインスピレーションを得て執筆していますが、実在の人物・出来事とは関係ありません。音楽をきっかけに生まれた短い小説としてお楽しみください。

「初めまして。これからよろしくお願いします!」
拍手に包まれた歓迎の場。部屋の隅でイヤホンをしているキミを見つけた。

私の視線に気づいた先輩たちは
「あー。あいつマイペースなんだわ。」
と言いながらキミのところへ行き、耳からイヤホンを強奪して
「おい!念願の新人だぞ!お前も挨拶しろー!」
と覆い被さった。

キミは驚いていた。本当に気づいてなかったんだね。そのわちゃわちゃ感が楽しそうで、笑っちゃった。

そこで初めてキミと目が合った。

一瞬、呼吸が止まった。それがキミとの出会い。

先輩たちには、名ばかりの天文部だと言われた。星が好きで入部した私は少しがっかり。部室で天体図鑑を読んでいると、声をかけられた。

「きみ、天体好きなの?」
興奮気味の声にびっくりして顔を上げると、キミが目の前に立っていた。
「あ、はい!星が好きで・・」
「うわああ!本当に!?やっと本物の天体好きが来たんだ!」
これが初めての会話。

それから春が過ぎ、夏は流星群を見に行ったり、二人で過ごす時間が増えた。周りからは「付き合ってんの?」って聞かれるけど、お互い笑いながら「まさか!」と返していた。

そう、私たちはただの先輩と後輩。

「俺、彼女できたんだよね。」
突然の報告に、時が止まった。血の気が引いていくのを感じた。

「そうなんだ。よかったじゃん!」
平然を装ってヘラヘラ笑った。だけど、帰り道は先輩の彼女のことで頭がいっぱい。

季節は12月。ふたご座流星群、一緒に行きたかったな。
そんなことを思いながら部室で流星群の情報をタブレットを見ていたら、後ろからキミがタブレットを取り上げた。

「あー、もうそんな季節か。夏行ったキャンプ場行く?」
「いやいやいや。さすがに二人で行っちゃダメでしょ。」
と言いながらタブレットを横取る。

「あー・・。そっか。わりい!」
「謝ることないでしょ、このリア充め!」
ちゃかしてみるけど、正直切ない。

片付けながら窓の外を見た。
「月、満月だ」
「まじ!久々に屋上行こうぜ!」

屋上に着くとシンと静けさが広がる。
真っ暗な夜空に輝くまんまるな月。

「ふたご座流星群どうすんの?」
「どうしようかなー?一人で行こうかなー?」

月を見ながら会話する。すると
「好きな人とかいないの?」と私の方に向く先輩。

思わず見返す。その優しい眼差し。だめだ。

「さぁね?」
と言いながら再び月に目線を戻す。

「あ。雪。」
「そろそろ帰るか。」
「うん。」

シンシンと雪が降り積もる中、コートのフードをかぶって近くのコンビニに走る。先輩が1本の傘を買った。

「1本で十分だろ。」
そう言いながら、広げた傘に一緒に入った。

意識し過ぎて、私の左肩に雪が積もる。それに気づいた先輩に、ぐっと肩を抱き寄せられた。今にも心臓が飛び出そう!

地下鉄に着いて、ホームで電車を待つ。今日は、今日だけは、もっと先輩と一緒にいたい。でもそんなことを言えるはずもない。

ふと、横に立っている先輩の手が当たった。それだけで自分の右半分が熱を帯びている。思わず先輩の手を握ってしまった。

先輩も、握り返してくれた。

うれしくて、幸せで、時が止まった気がした。そして、最終電車を乗り過ごした。

週明け、私は部長に退部を伝えた。
「残念だね。でも、留学のためにバイト増やすんだもんね。がんばれよ!」
「はい!今までありがとうございました。」

大きな荷物を持って部室を出る。
今からふたご座流星群を見にいく。もちろん、一人で。

特別な今日だけは 雪よ止まないで
アナタに片寄せても冬のせいに出来るの

雪の音|GReeeeN

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しおりん🫖🫧 チップありがとうございます! 大変はげみになります。