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【3分間小説】裏切りを抱いて見下ろした夜景|Rewindあの日 ― 乃木坂46

この作品はフィクションです。特定の曲や歌詞にインスピレーションを得て執筆していますが、実在の人物・出来事とは関係ありません。音楽をきっかけに生まれた短い小説としてお楽しみください。

バーキン35を、クローゼットに押し込んだ。このバッグは去年の誕生日に、自分へのご褒美で買った、200万超えの代物。サインをする手が震えなかったことが、私の誇りだった。

なのに今、手が震えている。

彼が女子大生を妊娠させた。

シティホテルのラウンジ、アフタヌーンティーのスコーンは結局ひと口も食べなかった。向かいに座る彼の顔が、情けなく見えた瞬間、私の中で何かが音もなく終わった。

泣かなかった。
泣けなかった、じゃなくて、泣かなかった。

25歳で起業して、7年。
銀行に頭を下げ、投資家の顔色を読み、眠れない夜を数えるのをやめた夜。ようやくここまで来た。タワーマンションの41階から見下ろす夜景は、私が全部自分の力でつかんだものだ。そのプライドだけが、あのラウンジで私をソファに座らせていた。

重たい女だと思われたくない。
経営者のコミュニティは狭い。噂は光より速く走る。ましてや、「年上の女が捨てられて泣いていた」なんて話が広まった日には——想像しただけで、胃が冷えた。

だから私は「そう」とだけ言って微笑み、ウェイターに声をかけて会計に向かった。

自分でも驚くほど、一連の流れは美しかった。

帰りのタクシーの中、窓の外を見つめながら奥歯を噛んだ。

マンションに着くと、コートも脱がずにソファに座った。テーブルに置いたスマホに、彼からのメッセージはない。来るわけがない。彼はもう、別の未来の中にいる。

——でも、なんで。
なんで私、彼と結婚するって信じてたんだろう。

同じ経営者で孤独を分かち合え、お互いを高め合える最高のパートナーだと信じていた。

ふと隣に置いたバーキンを抱きしめる。
大きく深呼吸をして立ち上がり、バッグをクローゼットの奥に仕舞った。

泣かない。

明日の朝礼で、私は代表として壇上に立つ。
切り替えて、明日の商談の準備だ。

月曜日は否応なしにやってくる。

重たい女だと 噂されたくない
心外よ
思い出なんか 塩まいて Good-bye

Rewindあの日|乃木坂46

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しおりん🫖🫧 チップありがとうございます! 大変はげみになります。